キャプテンメッシの挑戦

  • 朝日新聞出版
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022511584

作品紹介・あらすじ

4年連続バロンドール(世界最優秀選手)、でも無口で内気な青年は、最も過酷なW杯予選をいかに闘ったか?感動の成長ストーリー!!

感想・レビュー・書評

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  • 天才の心境の変化がよくわかる。

  •  まず、このような質の高いサッカー本を日本人が書いてくれるということに、感謝したい。本当に希有なことである。
     海外サッカーを伝える多くの書籍は、日本にいる人が自分なりの解釈を伝えるものか、海外記事の切り抜きか、あるいは訳書となる。
     訳書はどうしてもタイムラグが生じるし、他の二つはそこに存在する文脈を整理しきれないことがほとんどだ。
     そうしたマイナス点無しに、現地の空気を的確に表現しながら身の詰まった内容を書いてくれる作家がいることは、本当に有り難いことである。

     さて、この本はメッシがキャプテンマークを腕に巻いてから、いかにしてアルゼンチンにおいて受け入れられていったのか、代表が予選を突破するまでの二年間を通じて見守ったルポである。
     コパでの敗戦前後においては、メッシはアルゼンチンにおいて軽んじられていたと言う記述にはたいそう驚かされた。それも説明を読めば、なるほどとうならされる。
     作者自身も、メッシに対するやや否定的な視点が徐々に変化していくのだが、その変遷が丁寧に描かれていて、いたずらに感情的なことはなく、賛美に終始するのでもなく、実に冷静なルポタージュである。

     良い本だった。掛け値無しの星五つである。
     さすがはワールドカップイヤー。良質なサッカー本の発売が続いているよ。

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著者プロフィール

藤坂ガルシア千鶴(ふじさか・がるしあ・ちづる)
ライター、コラムニスト、翻訳家。1968年10月31日生まれ。清泉女子大学英語短期課程卒業。89年からアルゼンチンの首都ブエノスアイレスに暮らす。78年W杯でサッカーに魅せられ、同大会で優勝したアルゼンチンに興味を抱き、その後マラドーナへの強い憧れからアルゼンチン行きを決意。大学在学中から「サッカーダイジェスト」誌にアルゼンチンサッカーの記事を寄稿し、その後30年以上にわたってスポーツ紙や専門誌に南米サッカーの情報を送り続けている。著書に『マラドーナ 新たなる闘い』(河出書房新社)、『ストライカーのつくり方』(講談社現代新書)、『キャプテン・メッシの挑戦』(朝日新聞出版)、訳書に『マラドーナ自伝』(幻冬舎)がある。

「2021年 『ディエゴを探して』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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