- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022515971
作品紹介・あらすじ
第10回朝日時代小説大賞受賞作!
【文学/日本文学小説】15歳の少女、翡翠命は王家の血が流れている自分の命を狙う天孫を名乗る御真木の存在を知り、隠れ里を逃げ出す。西へと向かう彼女が目にしたのはもがき苦しむ人々の姿だった──。20代の若き才能が新しい「卑弥呼」を描き切る。
感想・レビュー・書評
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大和VS倭という構図が面白い。歴史小説を読んでいるというよりコミックを読んでる感じでした。大和の主人公は崇神、倭国は卑弥呼となります。ただし、本書はヒロインがラストで火神子(ヒミコ)と名乗るところで終わるので全体のプロローグにすぎません。広げた風呂敷は大きいので、早速、次巻を書き下ろして欲しい。うまく書ければ超大作。この段階での受賞は早すぎ、出版業界の思惑が勝っています。
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火神子 それは日出る国から始まる卑弥呼伝説である。そして金印が残されている壮大な物語り良い本に巡り会った。難解な人名と地名と言葉遣い、始めはメモとルビを付けながらの読書だった。
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すごく緊張しながら読んだ。後に卑弥呼となる少女を軸に、天孫を自称する御真木入日子(崇神天皇)率いる大和国の侵略に抗う者たちの戦いをダイナミックに描いた作品。国を統一せんがために、大和国による徹底的な蹂躙が続き、まさに死屍累々の状況下を懸命に「生きる」者たちが見せる命の煌めきがひしひしと伝わってきた。
ラストシーン付近では、「あっ、これ教科書に絶対載ってるあれじゃん!」なアイテムが登場したりと、歴史小説(?)としても楽しめた。 -
こういう東アジア史をマクロから見た古代もの読みたかった!面白い。楽しみな新人作家さんを発見!