池田勇人とその時代 (朝日文庫 い 6-1)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022603395

感想・レビュー・書評

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  • 非常にいい本。復刊して欲しいレベルだと思う。
    筆者は池田勇人の秘書の伊藤昌哉。池田の人となり、その理念を場面を追いつつ鮮明に記述している。その記述は現代においても色あせていない。

  • 池田勇人の首相秘書官、伊藤昌哉による回想録調の書籍。池田勇人本人が書いた訳ではないので回想録という表現は本来おかしいのだが、結果的にオーラルヒストリーのような形になっている。
    角栄ほどではないにせよ後々の礼賛本が多い池田だが、基本的にはこの1冊を読めば十分だろう。それほどよくまとまっているし、池田本人の心情的な部分まで入り込んでいる。

    一番注目すべき点は池田の性格の変遷だと思う。著者が池田の周りに出入りし始めた頃は「貧乏人はメシを食え」の発言にあるような暴れ馬(作中では『かん馬』と表現している)のような性格であったが、政権後期には何か悟ったような、仙人のような雰囲気まで出ていた。まさに「名馬はことごとく悍馬より生じる」という事なのだろうか。
    側近である前尾、大平、宮沢、黒金らとの間に後年生じた微妙な距離感も生々しく、組織を動かす者としての苦労も滲み出ている。
    もう一度言うが、池田勇人について知りたければこれだけ読めばいい。あとは(学術的な研究をするのでもなければ)蛇足の類になるだろう。浅沼稲次郎の追悼文を草稿した著者の文章力は流石のもので、非常に読みやすく仕上がっているのでぜひ一読を。

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