- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022646705
作品紹介・あらすじ
太宰治が、出世作『斜陽』の下敷きとした、回想録的な日記。"愛人"として娘を生んだ著者が、1945年の春から12月までの日々を、太宰に勧められるままに綴って渡した、文学史的にも貴重な作品を復刊。娘・治子のエッセイや太宰からの手紙を特別収録。
感想・レビュー・書評
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太宰治の「斜陽」の下敷きとなった日記作品です。もう30年も前になりますか、斜陽に魅せられて繰り返し読んだものです。その下敷きとなったこの作品が今、文庫で読めるというのは幸せなことですね。余談ながら、「斜陽のおもかげ」、吉永小百合主演の青春映画でしたが、太田静子と太田治子の親子の姿を描く感動作でした。この本に描かれる母娘の姿は、映画の母娘の姿と重なるように思いました。いい本でした。
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太宰の『斜陽』の下敷きとされた作品ということで興味を持ったので、どうしても比べながら読んでしまいました。前半は思ったより似ていないかなと思ったのですが、後半ではそのまま使われているようなところも多かった印象です。これは元々あったもの、あれは太宰が付け足したものと知れて、また作品に関して考えたくなりました。
ただ、もし比較せずに読んだとしても、戦時中の生活や死にゆく母を近くで支える娘の姿など、ありのままの現実を知ることができる貴重な日記だと思いました。 -
「斜陽」より好きだ、なんか、本物だと、信じたい。決して、玉川後につくったものではないと思いたい。
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この朝日文庫になったばかりの本。日経に書評があって興味を持って読みました。
実は、太宰は全く好きではない作家。もちろん、有名どころは読みましたが、斜陽もどんな話だったか。。。はて。。。といったものです。
というわけで、ふつうにさらりとへええええと読んだのみ。
しかし、母の最期を一緒に住み、亡くしていった私には、なかなか読み辛いものもありました。