- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022732590
作品紹介・あらすじ
残留農薬野菜、毒入りギョーザ、メラミン混入粉ミルク-。中国から日本に続々輸入される「汚染食品」。国際事件の背景には、中国農業の崩壊という厳しくも悲惨な現実があった!すなわちそれは、日本人の「食」の崩壊を意味するのだ!日本が飢餓列島から脱する道は、どこにあるのか。
感想・レビュー・書評
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中国の農業の実態がよく分かった。
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中国農業の現状と課題がうまく整理されている。また実際に中国農村の奥深くまで入り込み、表面的な調査では知り得ない生々しい現実を教えてくれる。
日本の農業技術を異常に持ち上げているが、それは中国と比べたらであって実際高い意識と知識技能を兼ね備えている農家は日本でも少数派ではないだろうか。そうでなければ日本農業はこれほど悲惨な状況になっていない。決して農地法だけのせいではないと思う。 -
(推薦者コメント)
中国産の食べ物は何となく危ないと思っている人は多いと思う。本書は、その現実を知らせてくれる。出版社が朝日新聞系というのもポイント。 -
2011/2/2読了
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中国の農民がおかれている状況が克明に示されている。
改善すべき点は、政治、教育、環境に関する視点であると感じた。 -
毒入り餃子にメラミン混入粉ミルクとなぜ中国ではこのような問題が起きるのか。
実際に中国の農村を回り中国農業の実態を自らの手で確かめる著者の言葉は生々しい。
土(農地)を愛せない農民たち、それゆえに土も水も死んでしまっている。
そこで作られた農作物を食べるしかなくなりつつある日本の農業にも警鐘を鳴らす。。。
中国の「食」問題は日本の「食」問題である。
日本における中国からの輸入食品の問題は、企業を悪の根源として法制度を批准するなど消費者の立場で捕らえているが、中国の農民がどのような境遇に置かれ、今後どうなっていくのかを見なければ、日本の「食」の未来を正しく見ることは出来ない。
日本の食問題は、供給源である中国の農民と農業問題と一体である。
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なぜ大量の農薬が必要になるのか?
化学肥料は普及しつつあるが高い為、人糞肥料をつかう
→教育不足の為、無発酵のまま畑にまくため土壌に細菌や害虫が繁殖
→殺菌の為、大量の様々な農薬をまく
近い将来、日本では「おふくろの味」は完全に消え去り、「袋の味」が幅を利かせるようになるだろう。
農業の発展の足かせとなる法律→”農地法”
※農地法→個人であれば農家しか農地をもてない
中国では農民でありながら農地を所有できない点に問題があるが、日本では「農民でなければ農地を所有できない」点に問題がある。
・自由度が低い為、新規の参入者が増えずに、発展に繋がる競争すら起きない
・農業系大学の学生が農業とは無縁の食についている現状
・脱サラしても、、、
農地は農家から借りるしかないが、良い土地は貸してもらえない
農協の正組合員にはなれずに准組合員にしかなれない(補助金や国の精度を十分に受けられない)
参考『農協の大罪 』
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日本の食糧問題を考えるには中国の食糧問題から考えないとダメであるという主張はその通り。ただ、中国側の問題に対してはどうしたらいいの、という点についてはやや踏み込みが足りないような……