肚(はら)が据わった公務員になる! 新しい仕事哲学と自分の鍛え方 (朝日新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022735584

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  • 役所や公務員の環境が変わっていく中で、どのように公務員は仕事をしていけばよいのか、提案した一冊。、全体の奉仕者という現実離れしたものでなく、「ソト向き」「ウチ向き」の哲学、「仕事の哲学」をしっかりと持ち、肚の据わった公務員になるよう勧めている。なお、最も中途半端なエリート都道府県職員というのはうまい。逆にその中途半端さを強みに、「地域ブランドの確立」「地域生活の守護神」となることを提案。最終的には、大学教授になることを目標にとのこと。

  • 公務員にこれからの仕事哲学を自分の経験を踏まえて披瀝してくれる。
    「全体の奉仕者」たれという建前論、外への動機付けだけでは公務員のリアリティに合致していないと。そいでキャリア、ノンキャリア、都道府県職員、市町村職員、医者や大学教授等に分けていかに仕事を捉えるか、自分を向上させていくのかと。
    政治主導で偉ぶる政治家に「多数が選んだら専門性よりそれが正しいの?」って苦悩とか、社会の公務員を見る目だとか、そうゆう公務員の現実とかちゃんと大事なとこ抑えてます。
    ただ、キャリア官僚や大学教授の話は本人が経験してるから中身濃いけど、その他のはなんかむりやりひねくり出して書いてるような感じ。

  • 市、国、大学などで公務員として働いた筆者が主に現役公務員に向けて書いた(と思われる)一冊。

    「全体の奉仕者」という理念はあまりに崇高で綺麗事にすぎず、より現実的な理念を持つべきだと述べる。
    そしてその理念は、ソト向きとウチ向きのものがあり、本書の中では特にウチ向きの理念、つまり仕事を通して自分がどのように成長できるか、ということに対する意識付けを重視している。

    一口に公務員と言っても色んな種類があり、その種類別に理念を提案している。
    提案されている理念の中には、結局綺麗事に感じてしまうようなものもあるが、全体的には自己啓発や仕事への工夫の大切さを改めて感じさせられた。

    また、警察官・自衛官について語る章では、昨今の日本の「右傾化」を巡る状況を概観している。本書のテーマからはやや外れて位置するところではあるが、個人的には最近の世間の風潮に感じていた違和感を簡潔に言い表していてすっきりした。

著者プロフィール

神戸学院大学現代社会学部教授。1964年、奈良県大和郡山市生まれ。同志社大学文学部英文科卒業、The School of Public Polich, The University of Michigan 修了(公共政策修士)、新潟大学大学院現代社会文化研究科(博士後期課程)修了(経済学博士)。大和郡山市役所勤務ののち、旧労働省入省(国家公務員Ⅰ種試験行政職)。厚生省生活衛生局指導課課長補佐(法令担当)、新潟県総合政策部情報政策課長、厚生省大臣官房国際課課長補佐(ILO条約担当)を経て、2004年公募により兵庫県立大学大学院応用情報科学研究科助教授、その後教授。2014年より現職。2007年官房長官主催の「官民人材交流センターの制度設計に関する懇談会」委員、2008年からは国家公務員制度改革推進本部顧問会議ワーキンググループ委員を務める。主な著書に、『天下りの研究』『公務員バッシングの研究』(明石書店)、『政治主導はなぜ失敗するのか?』(光文社新書)、『間違いだらけの公務員制度改革』(日本経済新聞社)、『財務省支配の裏側』(朝日選書)など多数。

「2018年 『没落するキャリア官僚 エリート性の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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