ニワトリはいつもハダシ【両A面】 (ソノラマノベルス)

著者 :
  • 朝日新聞社
3.20
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本棚登録 : 61
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (379ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022738189

作品紹介・あらすじ

"しめ切りぎわのペテン師"の異名をとる、SF作家の火浦-じゃなかった-壬生マコトは、堪忍袋の緒が切れた出版社からホテルにカンヅメにされてしまう。しかし、そこでも逃げだす算段ばかり考えていたマコトは、ひょんなことからホテル内で起きた殺人事件の容疑者にされてしまい…!?読者を呆然とさせた「雑誌版」と、それに加筆・修正した文庫版にさらに加筆・修正した「補完版」を収録した、一粒で二度おいしいマニアな一冊。

感想・レビュー・書評

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  •  超、がつくほど遅筆の作家・壬生マコトは、今日も今日とて、原稿を書かずにファミコンをしていました。それを見て堪忍袋の緒が切れた編集者・沖田裕二は、マコトをホテルに監禁してしまいます。
     それでも反省しないマコトは、脱出を試みようと部屋の窓を開けると、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」さながらに、上からベッドシーツで作られたロープが降りてきて――。
     始めから終わりまで一貫してC調な、おかしなおかしな冒険活劇。

     前代未聞、空前絶後、掟破り、と三拍子揃ったとんでもねー結末で終わってしまった雑誌掲載版と、加筆訂正によりなんとかまともな終わり方をした文庫版の両方を掲載した、資源の無駄使いとしか言いようがない、なんともマニアックな一冊。
     毎度馬鹿馬鹿しいお話ですので、そういうのが笑って流せる人にしかオススメできない作品です。

  • 昔はこのくだらなさがたまらなくツボだったのだが,今読むとキツイもんがあるね(泣)おそらくは,村上春樹,田口ランディ,村上龍あと大江健三郎に次いで結構読んでる作家なのだが・・・。それでも続きが読みたいので,早くガルディーン書いてください。

  • こりゃ酷い。<Br>
    ココ数年来続いてる火浦功の復刊シリーズです。
    遅筆なSF作家(まんま作者がモデル)とその担当者が、カンヅメ先のホテルで殺人事件に巻き込まれ、ソレにアナクロな殺し屋やら押しかけ美少女名探偵やらニワトリやらが絡んで大騒ぎ!なカンジのコメディです。やっぱ台詞回しが絶妙だなぁ…(惚)この会話センスは凄いよ。どうにか学んで真似したいです(それ以前にアッチに出て来いって話だけど以下略)今改めて読み返すと、作者が恐らく本当に書きたかったんだろうハードボイルド方面のキャラクタばかり力が入ってて、肝心の主人公サイド&美少女部分の描写があまりにも薄いなぁなんて気が付いたりします(笑)<BR>
    でも物語自体は面白いんだけど、本としての売り方がアレ過ぎて全くオススメ出来ないです。<BR>
    この話は、雑誌で連載してた時の最終回が、謎の解決も話のオチも付かない「投げっぱなし」で終わってて、その後の文庫版で最終回を改めて書き下ろしてました。で、文庫の時の後書きで作者が「雑誌の時みたいな終わり方も自分的には嫌いじゃない」といった内容の事を言ってました。<BR>
    今回の復刊バージョンではタイトルに「両A面」って付いてます。なるほど、つまり雑誌版と文庫版の両方の最終回が載ってるんだな…と思ったアナタ!惜しいけど違います!コレには雑誌連載版と文庫版の<b>両方共全編</b>入ってます。つまり最終回の十数ページ以外殆ど同じ内容の文章が2本入ってるんです;;;<b>ファンの目でみてもコレは無しです。</b>幾ら新書版だっつっても、こんなんでページ数を水増しして、当時の文庫版の価格の倍以上の千円↑を取るのは酷すぎ。一ページのウチで数行も変わってない本編の、推敲前推敲後を一々比べて読む気なんざしないっつの!
    相変わらずイラストは表紙のみで中身には一枚もないし、何と言うか愛の全く無い金の為だけの再販ってのが分かりすぎる位に分かって悲しくなりました。本当に作品の内容だけの評価を付けられないのが悔しいです。こんな水増しをしないで普通の値段で出してたなら褒めたのに…。好きだったから買ったし、もう新作が書けないのは分かってるから別にこんな方法で食い繋いでっても構わないけど、それなら持ってるゲーム機とソフトを全部中古に売り払ってからにしろや?おい(←ちょっと怒ってる)<BR>
    つぅか間違いなく次は「ハードボイルドで行こう」と「丸太の鷹」の合本が出ますよ。もう賭けても良いさー。

  • すごいマニアな1冊です。
    ここ最近ソノラマが火浦作品完全版を出しまくってますが、今月出たこの作品は、雑誌掲載時版と、文庫版を修正した新版を収録しているというファンにしか意味のない決定版(^_^;)
    雑誌版はひどいですね〜しかも載ってたのが『野性時代』ですか〜
    読んだことなかった雑誌だけど、かなり浮いてたんじゃないかな〜?
    『ログアウト』とかならまだなんとか……(いやダメだ)
    後、出版権が朝日新聞社に移ったとはいえ、朝日ソノラマがこの9月に倒産してしまったのはさみしい限り。
    この本も見た目は以前のソノラマノベルスなんだけど、出版社名は朝日新聞社なんだよね。
    ソノラマといえば菊地秀行『吸血鬼ハンターD』だと思うのだけど(未読のくせに)朝日新聞社版で出直したりするんだろうか……

    カバーイラスト・本文カット / 放電映像
    カバーデザイン / シマダヒデアキ(ローカル・サポート・デパートメント)
    初出 / 『野性時代』'87年11月号

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