患者になった名医たちの選択 (朝日新書)

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  • 朝日新聞出版
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022950604

感想・レビュー・書評

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  • う〜ん。そうなんかぁ〜。地頭のいい人は無駄に人生送らないことがわかった。

  • 名医たちの闘病法の中に必ず読者が「これだ!」と思う療養のヒントがある。帚木蓬生氏(精神科)や『「空腹」こそ最強のクスリ』の青木厚氏も登場。
    【第1章】突然の一撃に見舞われて
    ●「走る整形外科医」が片麻痺に・・・高血圧性脳出血
    ―丹野隆明・松戸整形外科病院(千葉県松戸市)院長補佐・脊椎脊髄センター長
    ●人生3度の命を脅かす事態・・・脳出血・心筋梗塞
    ――葛西龍樹・福岡県立医科大学医学部地域・家庭医療講座主任教授
    ●針刺しでB型肝炎に。死と生思う・・・医療事故によるB型肝炎
    ―荒井保明・国立がんセンター理事長特任補佐、中央病院放射線診断科・IVRセンター医師
    【第2章】がんと向き合う医師が、がんに
    ●自らの乳がんを発見し診療に生かす・・・乳がん
    ――唐澤久美子・東京女子医科大学医学部長、放射線腫瘍学講座教授・講座主任
    ●がんに打ち勝った人生を他者のために・・・肺がん
    高橋修・医療法人平和会平和病院(横浜市)緩和支援セン
    ●「思いがけぬ」がんで新境地・・・腎臓がん
    ―船戸崇史・医療法人社団崇仁会船戸クリニック(岐阜県養老郡養老町)院長
    【第3章】からだの機能が失われる中で
    ●難病ALS発症も人の役に立ち続ける・・筋萎縮性側索硬化症(ALS)
    ――大田守武・NPO法人Smile and Hope 理事長
    ●視力失われる中で精神科医になる決断・・・網膜色素変性症
    ―福場将太・美唄すずらんクリニック(北海道美唄市)副院長、江別すずらん病院(北海道江別市)精神科医
    ●40代でキャリア一変する難病に・・・パーキンソン病
    ―橋爪鈴男・社会福祉法人桑の実会くわのみクリニック(埼玉県所沢市)院長
    【第4章】命をつないでくれた人のために
    ●兄が提供してくれた肝臓が命をつなぐ・・・B型肝炎から肝がんに
    佐藤久志・福男県立医科大学医学部放射線腫瘍学講座講
    ●30歳目前で白血病 骨髄移植に賭ける・・・白血病
    ―原木真名・医療法人社団星瞳会まなこどもクリニック(千葉市)院長
    【第5章】心の声に向き合って
    ●4歳で「男としての自分」に違和感・・・性同一性障害
    ―松永千秋・ちあきクリニック(東京都目黒区)院長
    ●「アル中医師」が「アル中患者」を診る・・・アルコール依存症
    ――河本泰信・よしの病院(東京都町田市)副医院長
    【第6章】病が開いた新たな治療法
    ●「糖質制限の伝道師」の原点・・・2型糖尿病
    ―江部康二・一般財団法人高尾病院(京都市)理事長
    ●がん予防法探し「簡潔断食」に出会う・・・舌がん
    ―青木厚・あおき内科さいたま糖尿病クリニック(さいたま市)院長
    【第7章】がんが豊かにした人生
    ●医療開業3年目、突然白血病に・・・白血病
    ―森山成彬(作家・帚木蓬生)・通谷メンタルクリニック(福岡県中間市)院長
    ●順風満帆の中、ステージ4のがん宣告・悪性リンパ腫
    ―井埜利博・医療法人いのクリニック(埼玉県熊谷市)理事長・院長
    ●人生が2分の1なら倍以上働き遊ぶ・・・胃がん
    ―嶋元徹・嶋元医院(山口県大島郡周防黄島町)院長、大島郡医師会会長(当時)

  • 916(闘病記)

  • 以前、玄侑 宗久さんにハマった頃、やたら生死にかかわる本を読んでいて、臨死体験をした人たちのインタビュー集みたいなものも読んで、それと似たような感じかなーとは思ったけど、新聞の書評を見てつい買ってしまった。本日読了。
    癌やら白血病やらALSやら脳出血やら、とにかく命に危機に瀕した医師たちを取材して、一人一人の来し方や、病を得てからの選択・生き方をさくっと紹介している感じ。
    しかし・・・
    もともと社会的地位があり、病を得た後も前向きに頑張り、充実した私生活を送る18人の名医たちのほとんど全員が、親も医者、妻も医者、子どもも医者になっている・・・っていうあたりが、なんだかぞわぞわしてしまいました・・・。
    所詮・・・なんというか・・・レベルが違うのでは?みたいな。癌を宣告されても前向きに生き、最後まで世のため人のために尽くせる立派な方たち。本当に尊敬します。お手本になる部分もあります。しかししかししかし、庶民とは、そもそも、違うのでは?なんて。みなさん、猛勉強されて、立派に親の後を継いだり、社会のなかで地位を獲得していると同時に、音楽やスポーツなど高尚な趣味も持っていらっしゃる。結婚して(けっこうな割合で配偶者も医者)、子どもをもち、子どもも医者になっている。普通の人は、資格をとって働いて生計をたてるだけでいっぱいいっぱいで、結婚して子どもを育てながらギターを弾いたり武道を極めたりはあまりできないものだと私は思うのですが。
    そういうすごいレヴェルの方だからこそ、深刻な病を宣告されたのちも、自分なりの方法でそれを切り抜け、人生を全うする。
    ノンフィクションなので、「そんなこと現実にはあり得ないもんねー」とはならないが、「普通の人にはむりー」と思ってしまう私。小さい人間?
    興味深いのはやはり、性同一性障害の精神科医や、医師と小説家二足のわらじを履く帚木蓬生さん。帚木さんの著作は一時期フォローして全部読んでいたけど、最近読んでいなくて、最近は水神が出版されたことは知っていたが、ちょっと難しそうだなーと思って買っていなかった。でも本書を読んで、水神がかかれた背景を知ると、ぜひとも読まねば!と単純な私は思いました。本当にすごい人です。
    最後のおひとりだけ、本が出版された時点で他界された方で、癌がわかった時点ですでに進行しており、残りの生をせいいっぱい生きた、という内容になっており、本の構成としても、きれいごとばかりではないことが突き付けられた。癌に侵されてもバイクのレースにでたり、やんちゃな感じもあって感情移入してしまった。ご冥福をお祈りいたします。

  • がん、糖尿病、肝炎、白血病、心筋梗塞、脳出血、パーキンソン病、視力喪失、ALS。患ってもなお、パワフルに生きる医師たち。ただ、大学に入って再度受験したり、フルマラソンを何度も完走したり、バンドやったり元々精力的に生きている先生たちで、当然ながら地位も高い。なにか異次元の人々をみているような感じだ。そんな中、5章に登場するアル中の医師には何か親近感を持ててしまう。同じ病を持つから患者もみれるというのはどこか納得ができる。18人中唯一亡くなってしまった医師の言葉であとがきが閉じる。「瞬間瞬間を楽しんで」「目標を持って1日1日を生きていただきたい」。どんな状況になろうとも最後の瞬間まで人生を充実させたい。ご冥福をお祈りします。

  • 医師が患者の立場になったときのこと、心情、そのための背景がわかりやすい。医師の健康法という使い方はできないが、病に立ち向かうことに専門家も素人もないと感じられた。

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著者プロフィール

ジャーナリスト。読売新聞記者を経て、医学・医療、科学・技術分野を中心に執筆多数。国際基督教大学教養学部理学科卒業、筑波大学大学院経営・政策科学研究科修士課程修了、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科修士課程修了。専門は医療政策学、医療管理学。著書に『新薬に挑んだ日本人科学者たち』『慶應義塾大学病院の医師100人と学ぶ病気の予習帳』(講談社)、『iPS細胞はいつ患者に届くのか』(岩波科学ライブラリー)などがある

「2018年 『世界を救った日本の薬 画期的新薬はいかにして生まれたのか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

塚崎朝子の作品

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