インテリジェンス都市・江戸 江戸幕府の政治と情報システム (朝日新書)
- 朝日新聞出版 (2022年5月13日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022951694
作品紹介・あらすじ
インテリジェンスを制する者が国を治める。徳川260年の泰平も崩壊も極秘情報をめぐる暗闘の成れの果て。将軍直属の密偵・御庭番、天皇を見張る横目、実は経済スパイだった同心──近世政治史の泰斗が貴重な「隠密報告書」から幕府情報戦略の実相を解き明かす。
感想・レビュー・書評
-
摂南大学図書館OPACへ⇒
https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50284904詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【江戸時代、江戸は全国の、また外国の情報も集中する「インテリジェンス都市」だった】(文中より引用)
泰平の世が長く続いた江戸時代。徳川幕府が国内や国外の情報を入手するために張り巡らせたインテリジェンス網に関してまとめた一冊です。著者は、日本近世史を専門とする藤田覚。
いわゆる鎖国下の中、日本がどうやって海外の情報を入手していたかが非常に興味深かったです。また、八代将軍である徳川吉宗の時代に情報網や役職が広く整理されたことから、吉宗に対する見方も重層化されたように感じます。
固有名詞の読みづらさはありますが☆5つ -
序章 幕藩体制の核心はインテリジェンスだった!-情報と江戸時代の政治・交通/第1章 将軍直属の「スパイ」がいた!-御庭番の情報収集と幕府政治/第2章 大名と幕臣を監察する将軍の「目」-小人目付の情報収集と幕政/第3章 「探検家」の真の任務とは?-勘定所普請役の情報収集/第4章 犯罪捜査と経済調査のエキスパートー町奉行所隠密廻り同心の情報収集/第5章 異国船とアヘン戦争、鎖国下の情報戦ーオランダ風説書と対外政策/第6章 「敗戦」という不都合な事実の拡散ー文化露寇事件の情報と政治/終章 インテリジェンスの大失策が幕府の命取りに!-天皇・朝廷情報の収集