徳川家康の最新研究 伝説化された「天下人」の虚像をはぎ取る (朝日新書)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022952097

作品紹介・あらすじ

実は今川家の人質ではなく厚遇されていた! 嫡男と正妻を自死に追い込んだ信康事件の真相とは? 最新史料を駆使して「天下人」の真実に迫る。通説を覆す新解釈が目白押しの刺激的な一冊。家康論の真打ち登場! 大河ドラマ「どうする家康」をより深く楽しむために。

感想・レビュー・書評

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  • 徳川家康
    大河ドラマで老獪な役で主人公の前に立ちはだかる大御所として描かれることが多いですが、今回の大河ドラマで今川時代、織田政権時代の力のない家康を知ると共に、どのようにして、家康像が形成されてきたかを改めて、知ることができました。本書では幸運の持ち主とあるけど、その幸運を最大限に活用したのが、家康。
    長篠の合戦で、武田が負けた後も勝頼に苦しめられる家康のことは始めて知りました。また、豊臣政権時代に、秀吉が如何に家康を厚遇してきたか。そして、秀忠の豊臣家の中での地位の高さも、知ることができました。
    家康という人は、運もありますが、我慢の人で、三河一国から、領土を減らすことなく、コツコツと増やし、最後に花開く財テクなひとの印象を受けました。
    天下人は一夜にしてならずですね。


  • 大河ドラマを見て、築山事件の史実が気になり手に取った。
     
    「築山殿は、武田勝頼の妻になることで、息子・信康の命も守ろうとしたのではないか」にしっくりきた。
    あと、本当は二人を殺めるつもりはなかったのではなかった(一生幽閉させるつもりだったが、それを苦に思った築山殿が自死)などの見解もなるほど、と思った。


    それ以外の興味深かったところ
    ・家康はつらい人質生活を送っていたわけではなかった。割と優遇されていた
    ・最初は織田と対等だった。だが後に織田家の方が格上になっていく(武田信玄も、家康のことは信長に聞いていた)
    ・「徳川」という名字しか知らなかったが
    「藤原」「源氏」「豊臣」「羽柴」なども使っており、また豊臣家との縁が薄くなると「豊臣」は使わなくなるなど、その時の立場立場で使う名字が変わるのがとても興味深かった
    ・関ヶ原が起こる前から家康は家臣団の中でトップのような状態だった、そこに偶発的に関ヶ原が起きて軍事的に勝利したことによって、トップが確定した

    などなど、面白かった。

    運の良さも大きいが、やっぱりかなり長い下積み時代(織田、武田、豊臣)や戦の経験を経たからこそ、盤石な江戸幕府を作ることができたんだなと感じた。

  • 大河ドラマ本の一冊。幼少期の人質とされていた時代の見直しが進んでいる点が興味深い。

  • 本当にいろんな研究でわかるのがすごい。人質時代が変わりました。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/787283

  • 徳川家康についての現在の研究についてコンパクトにまとめた本。だいぶ、今までのイメージと異なることに気が付かされる。たとえば、今川家では優遇されていたとか、織田信長とは対等な同盟でなかったとか、武田家とは、勝頼の代になっても苦しめられていたとか。
    また、小牧・長久手の戦いでは、秀吉の調略により、家康の領国の周囲を固められて、結局、秀吉の下についたとか。
    また、武田や今川、北条との関係は、かなり複雑なもので、時期によって親しくなったり、敵対したりしている。
    こういう歴史が、続いていたら、日本は大変だったかもしれないが、ヨーロッパの国々やインドのような外交面の強かさを身につけられたかもしれないなと思った。

  • 徳川家康の研究についてもまだまだ途上の事案が多いようである。今まで歴史の教科書等で学んできたことは違うことが明らかになってきているようである。信長との同盟については家康の方が格が下。ゆえに武田信玄にも格下の大名として見られてしまっていた。しかし、強運が多く生き残ることができた。羽柴政権下では筆頭の地位にあったということも改めて認識しておく必要がある。

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著者プロフィール

1965年、東京都に生まれる。1995年、駒沢大学大学院人文科学研究科博士後期課程満期退学。現在、駿河台大学法学部教授。著書に『中近世移行期の大名権力と村落』(校倉書房、2003年)、『戦国大名 政策・統治・戦争』(平凡社新書、2014年)、『百姓から見た戦国大名』(ちくま新書、2006年)など。

「2021年 『戦国「おんな家長」の群像』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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