- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784030165007
作品紹介・あらすじ
戦時中の5年生の女子生徒が描いた、学級絵日誌の全記録。子どもたちの目を通して「どこにでもあった戦争」を現代につたえます。
感想・レビュー・書評
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戦中の小学校の学級絵日記集。
敗戦からの大日本帝国から日本国へという変遷もあり、戦中戦前の日本国民と今の我々は、なにか切断されたもののように感じるところがある。
これは、反戦争的な戦後平和教育と、それに伴う大日本帝国に協力的(と思ってしまう)当時の民衆への批判的イメージが理由では無いだろうか。
しかし、こういう資料を読むと、当たり前であるが彼ら彼女らと今の我々に大きな違いなど無いのである。
まさに生まれた時がお互いその時であったという違いだけで、学級日誌には食事会に喜びを爆発させる子ども達の姿や、怖い先生に褒められたことを誇らしげに綴る姿など、非常に親近感の湧く姿が多く描かれているのである。
そういったことを感じられる良い本だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ものすごく貴重な資料だよな…
戦時下の女学生たちの現実… -
イラスト/國松巌太郎
装丁・本文デザイン/城所潤+大谷浩介(ジュン・キドコロ・デザイン) -
戦争
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この日誌は、とても貴重な資料だ。
戦時下、ごく普通の人々は、一体どのような暮らしをしていたのか。
小学五年生の目を通して記された日々は、簡潔で、生々しい。そこに隠された事柄があることが分かってしまう。
映画やドラマで描かれる壮絶な生活。
確かにそれも一つの真実。そういう暮らしもあった。
でも、そうでない人もたくさんいたということ。
そして、その一見普通に見える暮らしに、すでに戦争が入り込んでいたということ。
普通として受け止められている事柄が、今ではおかしいと感じる。いや、彼女たちも、どこかおかしいと無意識下では感じていたのかもしれない。
この頃の記憶を持つ人は、もう少ない。これから益々減っていく。こうした資料が残り、公開されることの意義はどんどん大きくなるのだろう。