しでむし

著者 :
  • 偕成社
4.42
  • (20)
  • (5)
  • (5)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 135
感想 : 16
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (35ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784034370506

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • すごいの読んじゃった……!
    シデムシの命をつなぐ営みとアカネズミの命をつなぐ営みがきれいに組み合わさっていく過程が克明に描かれている絵本。

    ・生命の循環というズシリと重みのあるテーマ
    ・感傷的になる隙を与えない淡々とした語り
    ・「写実を追い求めていたら、知らぬ間に幻想の世界に足を踏み入れてました」みたいな白黒&カラーの不思議な絵
    この組み合わせが異様な読後感の正体か?

    序盤でアカネズミの死にグッと迫る絵があるが、次のページでは空から林全体を見下ろすような絵に切り替わる。シデムシとアカネズミの関係性は、この林に生きる無数の動植物の複雑かつシステマティックな関係性のあくまで一部分だ。
    にくだんごのシーンやアカネズミが親虫を食べるシーンでは、もはや林全体が一つの生き物のようにも見えてくる。

    長男次男のために読んでいたら、すぐに娘も寄ってきて3人一緒に聞いていた。
    母はうわ~うわ~と思いながら読んだけど、虫に詳しい息子たちは「そうそう、そうなんだよね」という感じで案外さらりと受け止めていた。
    一年中虫取りしている息子たち。日頃虫取りしながらどんな世界を覗いているのだろうかと、少し知りたくなった。

    • yutakochiさん
      workmaさん

      コメントありがとうございます。今夏からブクログに参加していますが、コメントを頂いたのが初めてでドキドキしてしまいました!...
      workmaさん

      コメントありがとうございます。今夏からブクログに参加していますが、コメントを頂いたのが初めてでドキドキしてしまいました!

      「子供に媚びていない」
      「命を尊重している」
      本当にその通りだと思いました。
      にくだんごや親虫が食べられる描写は、下手に扱うとただただ気味悪く、残酷で、センセーショナルなもので終わってしまいそうですよね。

      この絵本を読んで「生々しいな」と思いましたが、嫌悪感は感じませんでした。むしろ厳かな印象さえ持ちました。「見る人をビックリさせてやろう」「意表をついてやれ」という下心なく、現実に起きていることをひたすらに見つめた誠実さを感じたからだと思います。

      ブクログで皆さんの本棚や感想を見て良書を知ったり、こうしてあたたかいコメントを頂いたり、日々の読み聞かせの励みになります。ありがとうございます(^-^)
      2021/11/23
    • workmaさん
      こちらこそ あたたかいメッセージをありがとうございます。自分にとって、本は心の宝、よりどころなのです。ブクログのおかげで、いろんな本の世界を...
      こちらこそ あたたかいメッセージをありがとうございます。自分にとって、本は心の宝、よりどころなのです。ブクログのおかげで、いろんな本の世界を教えてもらい、自分の世界も広がっています。

      これからも ともに読書を楽しみましょうね(o^∀^o)

      yutakochiさんの本棚、これから時々覗かせていただきますね!
      2021/11/23
    • yutakochiさん
      はい!ありがとうございます(*^o^*)

      本は心の宝、よりどころ…私もそうです。
      そして子供たちの心にも、喜怒哀楽に寄り添ってくれる本、困...
      はい!ありがとうございます(*^o^*)

      本は心の宝、よりどころ…私もそうです。
      そして子供たちの心にも、喜怒哀楽に寄り添ってくれる本、困難の時に道を指し示してくれる本を1つでも残してあげられたらいいなと思っています。

      私もworkmaさんの本棚、これから時々お邪魔させていただきます!
      2021/11/23
  • しでむし=死出虫。
    埋葬虫ともよばれている虫の一生を、寄生先のアカネズミの一生とともに描いている。
    生々しく描写されたグロテスクな絵は、虫嫌いの人は引いてしまう。それでも読み聞かせに向きそうにないこの絵本に見入ってしまった。
    虫とネズミの命の連鎖のストーリーも秀逸であり、絵本版ファーブル昆虫記ともいうべきか。
    同じ作者の「つちはんみょう」のストーリーが複雑な分、シンプルなこの本が印象に残った。

  • 再読。

    林に住む生き物たちの紡ぐ、命の繋がりが、シデムシを食べるアカネズミの一生と、その死体を食べるシデムシの一生に焦点を当てて描かれる。

    それぞれの生は幾度か交わる。それはアカネズミかシデムシ、どちらかに死が訪れるときだが、その場面の鮮やかさに、読み手の心は一瞬静止させられる。
    その理由は、ひとつには、緻密な絵や、色彩のコントラスト、短いが含蓄のある言葉など、絵本ならではの表現の卓抜さにある。
    それに加えて、優れた自然絵本・科学絵本として、生き物の生態を綿密に取材した説得力がある。
    そして何より、そこに物語がある。決して擬人化も、感情移入もせず、淡々とした言葉とリアルな絵によって描き出される生き物たちの姿は、書き手が感情を抑えているからこそ、読み手の胸に強い印象を残す。もしかしたら「食物連鎖」という一言でもって済ませられてしまうことを、絵を、言葉を、物語をもって書いているからだ。

  • 絵がすごくて、もうあんまり文字のところ頭に入ってこないんだけど、虫にこんな生活があったんだとどうやって知ることができたんだろう。

  • 埋葬虫とも呼ばれるしでむしの、まるで心があるかのような繊細な子育てを、緻密で美しい絵で描く生命を感じる絵本。解説付き。

  • 繊細な絵柄に惹かれて、(正直大嫌いな)虫の絵本を手に取った。
    しでむし、死出虫。
    名前の通り、動物の死体を糧に生きる虫である。
    その様子が、まさかのお母さんアカネズミの物語から始まる。
    色があるところと、ないところ。目を惹き付ける描き方はこういうところにもある。
    虫はこわい、気持ち悪いと思っていた幼い頃の私に読んでほしいと思った。いつかそんな子どもの手に、この絵本がわたりますように。

  • 息子8歳3か月
    息子が喜びそうな本を図書館から借りてきて読み聞かせ…最近は息子が一人で読みます。作品によってはボリュームたっぷりでも読む。母はサミシイ。

    〈親〉
    絵が好き ◯
    内容が好き ◯

    〈子〉
    読んだ◯
    何度も読む(お気に入り)
    その他

  • 描写がリアルでよかった

  • 無慈悲で残酷で美しい自然を描いた圧倒的な絵本。言葉にならない。

  • ★★★★☆
    親は動物の死骸を丸め、生まれてくる子どもたちの丸いゆりかごにする。
    今も近くでえんえんと命のサークルが営まれているんだろうなあと。
    ただ、出会い方によってはトラウマになるかも。
    (まっきー)

  • 都庁のてっぺんから、ビルを眺めたような、、これ本当に全部建ってるの?っていう目の離せない感じ。鉛筆のタッチ1つ1つが、ビーズで絨毯を作ったような、、、そんな細やかさで画面を埋め尽くしている。
    読み終わって..........となりました。

  • 6分くらい。

  • 森の中での出来事が淡々と描かれている。淡々と淡々と描かれていて、わたしはいろんな気持ちになる。

  • 2009.6.6

全16件中 1 - 16件を表示

著者プロフィール

舘野 鴻(タテノ ヒロシ):1968年、神奈川県生まれ。札幌学院大学中退。幼少より熊田千佳慕に師事。学生時代は北海道で、昆虫を中心に生物の観察を続ける。1996年、神奈川県にて生物調査とともに生物画の仕事を本格的に始める。絵本など著書多数。

「2023年 『世界の美しき鳥の羽根 第2版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

舘野鴻の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×