隊商 (偕成社文庫 3058 ハウフ童話全集 1)

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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784036505807

感想・レビュー・書評

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  • 私が持っているのは、1977年刊の旧版です。ファンタジー好きの当時の私は、「枠小説」の仕掛けに魅了されました。

  • ブックトーク研究・課題本。

    ハウフという名は初耳でしたが、オペラ作品や童話など、著名な作家だったのですね。

    『隊商』というタイトルが古めかしくて、正直あまりそそられませんでしたが、「驚愕のラスト」が気になって、また、登場人物が語るそれぞれの挿話自体も面白く、古い作品でありながらグイグイ読めました。

    奴隷や身分・階級制度には時代的にもお国柄としても馴染みがありませんが、砂漠でくつろぐキャラバンの情景がありありと思い浮かぶ、魅力的な文章でした。

    結末は期待値上げすぎていて、予想通りでした^^;
    現代の国内作品にも短篇が絡み合って伏線となりラストに収束する形式が多く見られますが、枠物語と呼ばれる形式だそうです。

    コウノトリになったカリフの話
    ゆうれい船の話
    切られた手の話
    ファトメの救いだし
    こびとのムクの話
    にせ王子の話

    自称セリム=バルークに直接関係があるのは、切られた手の話とファトメの救いだし、かな。
    話の内容としては、こびとのムクの話が面白かった。

    読了したのは塩谷太郎・訳の偕成社文庫『隊商ーハウフ童話全集Ⅰ』。
    他に高橋健二訳の岩波少年文庫もありましたが、邦訳とフォントの読み易さから、偕成社文庫を選びました。

    いずれも図書館の蔵書だったのですが、いかんせん古くて汚い^^; 手に取る気になれないほど、カビや日焼けが凄まじくて閉口しました(>_<)
    岩波少年文庫の蔵書には、絶版のシールが貼付されていました。
    岩波少年文庫より新装版が出ています。
    タイトルは副題に「キャラバン」と表記のある岩波少年文庫に軍配かな。

    「隊商」という言葉自体が耳慣れない言葉だったので、参考資料として『隊商都市』の写真集や文献を図書館より借りてきました。
    そちらもこれから目を通そうと思います。

  • ハウフって、知らなかったんです。
    図書館の児童書コーナーで妙に気になる、このシンプルなタイトル。
    隊商(キャラバン)に、ふらっと仲間入りした男と、ともに旅をする商人たちがかわるがわる語る物語…。

    『千夜一夜』の体裁かと思いきや、驚きの結びが待っていたのでした。
    個々の物語も、一つ一つ興味深い内容。
    この人、ほんとにヨーロッパの人?おもしろかったなあ。

  • たなぞうで感想を拝見して借りてみました。紹介されていたのは岩波少年文庫版でしたが、こちらは偕成社。アラブと西洋と東洋、そして現実社会と魔法世界が渾然一体となったような不思議な味わい。異国情緒あふれ、幻想的な、そう、ちょうど回り灯籠のような世界。病気で寝ているとき、天井の木目を見立てて思い浮かべた物語。そんなものにもちょっと似ているような気がする。何だか郷愁を誘うのだ。令嬢ビアンカのエピソードは、子どもの頃読んでいたとしたら、トラウマに近いくらい印象に残ったかも。

  • 絶対に読んだほうがいいと思うくらい
    すばらしい作品です。もっと早く出会いたかった。

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著者プロフィール

ヴィルヘルム・ハウフ 著者のヴィルヘルム・ハウフは19世紀初め、ドイツに生まれた。満25年にも満たない短い生涯で、創作にたずさわったのも3年ほどの期間でした。しかし、その間、数々の小説や詩や評論を書きました。彼の書いた3つの童話は、どれもわくにあたる物語の中にいくつかのお話がはさまれる形になっています。その3つの童話をまとめて1冊にしたのが本書になります。

「2001年 『冷たい心臓 ハウフ童話集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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