アンナの戦争

  • 偕成社
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784037268008

作品紹介・あらすじ

小学6年生のダニエルは、戦争時代の話をきくためにアンナおばあちゃんを訪ねた。

——第二次世界大戦中、12歳のアンナはドイツでのユダヤ人迫害をのがれ、「キンダートランスポート」(イギリスをはじめ各国の家庭がユダヤ人の子どもを受け入れた活動)でイギリスへ避難することになった。
列車の発車寸前、どさくさにまぎれて若い母親からかごを渡される。中には赤ちゃんが! アンナはイギリスに着くまで、その子の面倒をみる。無事に田舎の農場についたアンナ。ドイツにいる両親を心配しながら、英語を学び、里親のもとで新しい生活になじもうと努力する。
ある日、農場の姉弟といっしょに、納屋でけがをした兵士をみつける。イギリス兵だと名乗ったが、アンナは、男がドイツ語をつぶやいたのに気づく。男はドイツのスパイだったのだ。イギリス兵だと信じるふりをして水や食べ物を運んでいると、手紙の投函をたのまれる。
アンナはそれをイギリス軍の大佐に知らせ、男を見はる。こっそり男のあとをつけるアンナだが、みつかってピンチに!——

話をきいたダニエルは、アンナおばあちゃんの誕生日に贈るサプライズプレゼントを思いつく。
ナチによるユダヤ人迫害や、1万人もの子どもたちを救ったキンダートランスポートの活動などの史実をふまえ、緊張感いっぱいに描かれたフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • Anna at War | Book reviews | RGfE
    https://readinggroups.org/books/20904008

    Interview: Helen Peters, author of Anna at War, chats to Bex! - Fun Kids - the UK's children's radio station
    https://www.funkidslive.com/on-air/interview-helen-peters-author-of-anna-at-war-chats-to-bex/

    Helen Peters | Children's Author
    https://www.helenpetersbooks.com/

    Yoko Tanji | Flickr
    https://www.flickr.com/photos/sicca/

    山田佳世子(@kayoko.y0909) • Instagram写真と動画
    https://www.instagram.com/kayoko.y0909/

    アンナの戦争 | 偕成社 | 児童書出版社
    https://www.kaiseisha.co.jp/books/9784037268008

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      ベスト 『アンナの戦争』 | 教文館ナルニア国
      https://onl.sc/TgG8Xm2
      ベスト 『アンナの戦争』 | 教文館ナルニア国
      https://onl.sc/TgG8Xm2
      2023/10/11
  • キンダートランスポートについては、以前読んだ児童書の登場人物を通して少しだけ知っていた。
    本書では主人公のアンナが、キンダートランスポートによってドイツからイギリスへ渡り、
    慣れない環境の中里親家族のもとで成長していく。

    ドイツからイギリスへの列車の旅も決して安全なものではなかった。
    親と別れ大きな不安を抱えながらも子ども同士年上の子が年下の子の面倒を見て支えあう姿に、戦争というものの残忍さを感じずにはいられない。

    アンナは同級生の偏見や里親家族の姉弟とのぎくしゃくする関係など、辛いことも両親との約束を思い出し乗り越えていく。
    村にナチスが潜伏していることを発見し、ドイツにいた頃のトラウマに苦しみながらも大きな役割を果たす。

    戦争は、いつでも弱い立場の者が犠牲になる。
    平和であれば経験する必要もなかった苦しみや憎しみに襲われる。

    授業で味見読書をする機会があれば、ぜひリストに加えてほしい一冊だ。
    夏休み前には戦争に関する本を薦めるようにしている。
    2023

  • #アンナの戦争
    #ヘレンピーターズ
    #尾崎愛子
    #偕成社
    #児童書
    #読了
    #キンダートランスポート
    今年1番の児童書に出合ったかも。第二次世界大戦中、ユダヤ人の子供たちはナチの迫害から逃れるため、イギリスへ。そこで里親に保護されるのだ。12歳のアンナはその一人。絶望も希望もあったんだ。必読書!

  • イギリスに住むダニエルは、学校の課題で第二次世界大戦のことを知っている人から話を聞くことになり、ドイツからの難民だったという祖母のアンナの体験を聞く。ユダヤ人の祖母アンナは、キンダートランスポートという救援活動でイギリスにやってくる。そして、イギリスのスパイ組織MI5と関係があったという。
    イギリスの田舎町の里親のもとで、同じ年のモリーや弟のフランクとも仲良くなり、安心した暮らしをしていたが…

    ドラマチックな人生ながら、アンナの両親との別れなど厳しいものだった。ドラマチック過ぎると言われれば、そうかもしれないが、良かったと思う。

  • キンダートランスポートってなんだろう?と疑問に思いながら手に取り、帯の「なにが起きても、パパの明るく勇敢な娘でいるんだよ」の言葉にひかれて購入した。

    我が子を助けるためにキンダートランスポートを利用し、子どもだけをドイツからイギリスに移住させること。親元を離れ、異国の地で見ず知らずの里親たちと暮らすこと。どちらの立場で考えてみても想像を絶するつらさだ。でも、それすら叶わなかった子どもや大人がたくさんたくさんいた。そのことを忘れてはならないし、決して他人事ではなく誰にでも起こりうることだという認識をもっていなければと思った。

    また、物語としてもたいへんおもしろく、ドキドキワクワクしながら読むことができた。子どもたちにはもちろん、大人にもぜひ読んでもらいたい。

  • 第二次世界大戦中の史実をもとに作られた物語。ナチスによるユダヤ人迫害からイギリスへ逃れた少女が、スパイを発見し、戦争の時代を生き抜いていく。
    この本はフィクションだけれど、実際に起きた戦争や迫害、難民問題をベースにしています。主人公のアンナが感じた恐怖や寂しさ、辛さがとてもリアルに描かれていて、特に前半は読んでいて辛かった…。こういうことが本当に起きたんだな、こんな想いをした子どもたちが大勢いたんだ、と当時のことを思って胸が苦しくなりました。そして今なお戦争が続くウクライナのことも想い、自分がいかに幸せ者かを実感します。
    でもアンナがスパイを見つけるという完全フィクションの部分では、彼女の逞しさや聡明さに触れ、スリルある物語の展開に引き込まれました!ハラハラドキドキしながら楽しく読めました。

  • 「敵も味方も同じ人間。家族を思う気持ちはみな同じ。戦争は残酷なものだ。」というメッセージがYA文学のお約束なのに、匿っていたドイツ兵が本当に残虐ナチスだったとは悪い意味で衝撃。

  • 詳細は、あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノートをご覧ください。
    http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1980.html

    心温まり勇気をもらえる素敵な本です。

    最近の「ロシアのウクライナ侵攻」など、世界はちっとも良くなりません・・・。
     巻末の文章にも考えさせられます。

  • 史実を元にしたフィクション。ドキドキハラハラの展開。面白い作品だった。

  • 小学生新聞の書評欄で子が気になったもの。内容は難しくないけど、活字に親しんでなければちょっとしんどい分量。裏を返せば大人でも読み応えのある物語。世界大戦開戦直前のドイツから始まり、辛くもイギリスに避難出来た少女が主人公。でもその避難先では、敵国出身ってことによるすったもんだがあって、という風で進んでいくんだけど、同じ敷地内で負傷ドイツ兵と偶然遭遇したあたりから、グッとスリリングな展開に。フィクションならではのこのあたりの展開を楽しみました。

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著者プロフィール

作者。英国サセックス州の古い農家に生まれる。子ども時代は物語を読み、納屋で芝居をして遊んだ。
現在は中学校で英文学と演劇を教えながら、作家として活動している。代表作に『子ぶたのトリュフ』『子ガモのボタン』などがある。

「2023年 『アンナの戦争』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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