- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784037280208
作品紹介・あらすじ
郊外の古い教会へ引っ越してきたモリーとマイケル、そして再婚した父親の連れ子ヘザーの3人きょうだいの物語。ヘザーはあらたに家族となったふたりのきょうだいをまったく受けいれず、それどころか、まるで2人がヘザーをいじめているかのように振るまう。そんなヘザーにお手あげのモリーだが、あるときヘザーが教会の墓地で恍惚状態でだれかと話しているのを目撃する。以来モリーは、ヘザーが墓地にいるなにものかに異常に執着していることに気づき、疎んじられながらもそれを突き止めようと危険な状況に足を踏み入れていく。ヘザーが秘めていたものとは......。【編集者より】::::::::::::::::::::::::::::::::読むたびにラストで涙がにじむ、すぐれたお話です。家族、トラウマ、愛、成長など、多くのテーマを含んでいる物語ではありますが、決してそれを「現代的テーマ」として前面に出すことはせず、あくまで「話がおもしろい」ゴースト・ストーリーとして書かれています。テーマより、ストーリー・テリングが優先されているのです。またせまい人間関係のみで進行していくにもかかわらず、各人物の造形がしっかりとしていることで、話に奥深さを感じさせることに成功しています。各人物の性格、バックグラウンドに奥行きがある。だから全体にも作為的でない、自然な話になっています。アメリカ人作者メアリー・ダウニング・ハーンの初期の傑作で、彼女はその後、ホラーを中心に30作以上の作品を書いています。:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
感想・レビュー・書評
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児童書なのに、表紙も題名も内容も怖い‼️
『Wait Till Helen Comes.』を『いまにヘレンがくる』と訳す訳者のセンスもすごいです。原文でも読んでみたい作品です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
母親の再婚によって義妹になったヘザーの面倒をみさせられ、ド田舎に強制引っ越しさせられる、モリーとマイケル兄妹がとにかく不憫でならない。
色々とワケありで、とにかくヘザーの性格が激悪で、それはまぁ物語の展開上必要というか(笑)、こういうことなんだろうと想像が付くので仕方ないんだけど、親が毒親なのがほんとうに許せない。
なに最後ハッピーエンド面してんだよ、あんた達がやったことほとんど虐待だからな!って言いたいけど、まぁ30年以上前の物語にカッカしてもしょうがないか(笑)
起承転結がしっかりしていて、きちんとおさまるところにおさまる、良くできた古典的名作だと思います。 -
1986年にアメリカで出版された本。「貸出禁止の本をすくえ!」では禁止された最初の11冊に入っている。
モリー(12歳)とマイケル(10歳)は絵描きの母と暮らしていたが、母はデイブと再婚、連れ子のヘザー(7歳)がいる。ヘザーは3歳の時に火事で母を亡くしている。モリーたちはヘザーと仲良くなろうと努力したが、ヘザーは全く受け入れず、父のデイブにはモリーたちのことを嘘ついて悪く言う。そんな時クリエイティブな仕事をしている両親は古い教会を購入して引っ越すことになった。モリーは教会のそばにある墓地が怖い。その地でヘザーは幽霊のヘレンに夢中になっていくのだが、家族にはその危うさが伝わらなくて...。
児童書なのに、しっかりホラーでした。面白くて一気読みしてしまった。ヘザーが嘘をついているのを大人(特にデイブ)が信じてくれず、周りに民家もない古い教会の閉そく感がなんとも恐怖をあおってきます。幽霊のことは唯一の味方である弟も信じてくれない。なのにヘレンは迫ってくる。ドキドキします。
表紙も不気味な感じがよく出ていて、それもポイント高めです。高学年の漢字にはルビあり。4年生くらいから。 -
久々、本当に久々の読書。
何かを学びたいとか、そういう高尚なものじゃなくて、楽しむための読書。よかった。
私はやっぱりファンタジーが好き。
子ども向けのホラーかと思って読み進めたが、素敵なヒューマンドラマたった。
ただただ嫌なやつだと思っていた義理の妹ヘザーは、辛い過去を1人で抱えて生きていた。
人一倍怖がりなモリーは、恐怖心を振り払って大嫌いなヘザーを命懸けで助け出した。
家族であることに、血が繋がっているかそうでないかは、もしかしたらそこまで重要なことではないのかもしれない。血のつながりに関係なく、相手を想って話を聞いたり、相手の必要としていることを理解して行動したりすることが本当に大切。その逆も然りで、血がつながっているから何をしてもいいというのは本当に放漫な考え方だ。一番近くにいるからこそ、愛を持って接していきたい。
相手を信じて打ち明ける勇気。そして打ち明けられた時に相手を包み込める器の大きさ、愛情。それらをみんなが持つことができたら、痛ましい事件の大部分が起こらずに済むのではと、割と本気で思う私でした。 -
ちゃんとした幽霊話。
親がね……そこを許せるかどうかで評価が変わってくるかなあ。
わたしの印象は、原書を読んだときのままでした。
https://booklog.jp/users/mira19/archives/1/B00164UXNI -
おもしろく読めた。
嫌な子どもだったヘザーも、人に言えない悩みがあって、そうなってしまったのだとわかってよかった。
一点気になったのは、両親のいい加減さ。自分たちの都合で田舎に引っ越しをして、義理の妹の面倒を任せるなんて、どうなの?と思った。
読後感はよかった。 -
モリーとマイケルの姉弟は、母親の再婚でヘザーという妹ができた。ヘザーは父親をとられたと考え、モリー達をかたくなに受け入れない。
元教会だった家に引越して、ヘザーは墓地に入り浸るようになった。モリーはヘザーが幽霊に取り憑かれていると考えたが、誰も信じてくれなかった。