グランクレスト・リプレイ ファルドリア戦狼記 (3) 狼たちの栄光 (ドラゴンブック)

著者 :
  • KADOKAWA/富士見書房
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本棚登録 : 28
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040703916

感想・レビュー・書評

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  • 最終巻に相応しい手に汗握る熱い展開。PCの不退転の決意。まさかの脱落。その意志を汲んだGMのシナリオメイク……と、ページを繰る手を止められない展開の最中にぶっこまれるトンチキ。これはすごい。
    一気に読んでしまいたかったのだけどトンチキが過ぎてクールダウンを挟まなければ続きが読めなくなったシーンが2箇所ほどありました。これはすごい。

    TRPGでこれから触れるシステムのリプレイなので1巻からルールブックを参照しつつ読んでいたのだけれど、毎回レベルアップの内訳や使用スキル、効果の詳細などを割合省略せずに描かれていたので、レベル1のPCたちが成長するとここまで強くなるんだな、という具体的なイメージがつかめて良かった。
    これからシステムに触れる人に力強くお勧めしたいリプレイ。

  • なんて臨場感溢れる英雄譚…! TRPGだからこそと言うべきか、それともTRPGなのにここまで…!

    国を治めるというロールプレイがこんなにもかっこいい。そして面白い。
    理想の国の姿を皆で考える。考えた姿を実現するために頑張る。
    たかが「ごっこ遊び」なんだけど、皆が納得できる答えを、かっこいいと思える一言を探す事に全力を注ぐ姿はやはり熱いのですよ。

    そしてとにかく、出てくるキャラクターが皆、魅力的過ぎるんですよ。
    PC達はもちろん、NPCも敵味方全てが愛おしい。
    誰もがしっかり「自分」を持って行動してるのが分かるんですよね。キャラがぼやけてない。だからPC達との掛け合いが面白いし、PC・NPC互いに生かしあえる。

    特にローランとフラムはいいキャラになりました。確かにダメな子属性はポイント高いw だからこそ、シスとの交流が非常に生きてくるというか印象深いわけですが。
    最終話への伏線にもなりましたしね。…定番の展開ではありますが、だからこそ胸を打ちます。

    アフラヴァーンのダークヒーローっぷりもまた絶妙でねぇ。2巻でのPC達との衝突を経て、復讐鬼としての自分を貫きつつもレグナム達に協力するという上手い落とし所を見つけ、今巻でもその渋い魅力を全力発揮。
    因縁の敵キャラと壮絶な死闘を繰り広げます。…そのくせ、アウトサイダーからの視点でPC達を評し、認めている姿が人間くさくてたまりません。

    名参謀を見事に演じたアン。
    プレイヤーの知識や判断というより「そういうキャラ」を演じるロールが上手く、軍略の妙が楽しめました。
    何気にヴァーンとのやり取りも悪くなく、実際に何か思うところがあったのかなぁと…色々思わせてくれます。

    で。
    今回大活躍のシス。これはもう、本当にかっこよかった。熱かった。
    ヒロインとしても騎士の忠義としても、最高の見せ場だったと思います。
    同時にシグナムとのやり取りがもう…本当に爆発しろというか!w

    シグナムも若き王として気高く理想的な生き方をして見せたな、と。
    特にラスボス・バイバルスが単なる悪役ではなく、彼なりの信念・覇道を見せ付けてくれたおかげで、それへのアンチテーゼとしてレグナムの理想が際立つ結果になりました。
    どちらの理想が正しいのか。それは一義的に判断できないけれど、譲れない思いを吼えるってのは、やはり熱くていいものなのです。

    これでシリーズが終わってしまうのはとても残念。
    ですが、グランクレストの魅力を伝える良い仕事をしてくれたと思います。
    これ以上の次回作ってのは、かなり難しいだろうな、と思うほどに。



    …アロンソ・キハーノ出さなければ、全編シリアスですんだのにねぇ…w

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