民俗学研究室の愁いある調査 その男、怪異喰らいにつき (富士見L文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.95
  • (4)
  • (10)
  • (5)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 108
感想 : 9
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040731940

作品紹介・あらすじ

民俗学のフィールドワーク中に“呪われて”しまった大学院生・名鳥歩。彼の周囲では不可思議な研究室荒しや、動物の亡骸が散らばる事件が続く。
 身に危険が迫った名鳥に、教授が紹介したのは“怪異喰らい”と呼ばれる謎の美青年・朽木田千影だった。
 常に不機嫌そうな朽木田と脳天気な名鳥のふたりは、福井のある農村の風習を手がかりに“呪い”の秘密に迫っていくのだが……。
 謎が明らかになる一方、「怪異喰らい」となった千影の哀しい過去を知ってしまった名鳥は――?

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 民俗学研究室ということで、死者の埋葬の仕方や蛇との婚姻など土地性のある儀式や世界観に踏み込んでいたので、物語上の怪異の存在も自然と受け止めることができました。
    また、ミステリアスかつ浮世離れした朽木田の存在もこの作品の魅力の一つですが、どこかお人好しな名鳥と少しずつ打ち解けていく過程も好きで、本当に軽やかに読破することができました。
    久しぶりに好きな小説に出会えて嬉しいかぎりです。

  • 底抜けに明るくてお人好しの名鳥くんの軽快な語り口のおかげで、暗かったり重かったり怖かったりする話もびっくりするほどテンポよく読めて楽しめました。
    実際は何度も命狙われてますし、人も亡くなりますから、決して明るい話ではない筈なのですが、読後感は爽やかですらある。
    千影くんとの掛け合いも楽しい楽しい。
    民俗学的要素(異種婚など)も味わえつつ、夏らしい怖さも十分感じられつつ、それでいて漫画のようにするっと読めちゃう。
    これは凄い個性で素晴らしい作風、持ち味だなと思います。
    この軽妙さ、癖になります。
    どうやら、呪われることが特技でもある名鳥くんの受難は続きそうなので、是非是非続編をお願いしたい。
    タコパも見たいぞ!

  • 民俗学を研究しているちょっと軽めの院生が、「呪われている」!?と書くと軽めの話っぽいですが、かなり深刻な事態。そこをまー態度が軽い主人公がいなしていく感じでした。神尾アルミさんはデビュー作から読んでいたので、復活嬉しいです。小野不由美さんほど重くもないけど、ちょっとそんな雰囲気もある真摯なところが好きです。おすすめ。

  • 葬送儀礼を研究する民俗学部院生の名鳥
    フィールドワーク中不穏なモノを背負ったようで命の危険を感じ助けを求めたのが、怪異を喰らうという朽木田
    神の怒りに触れた哀しい一族物語

    かなり本確的な蛇神民話をベースにした怪異、異類婚姻譚
    子々孫々、蛇神の娘と婚姻を繰り返さなくてはならない一族が、現代でその約束を放棄した為、死穢に染まった蛇神に祟られ死んでゆく
    大団円などない神と人との交わりが、恐ろしく、哀しく、痛ましい物語でした

    名鳥の朽木田への執着は過剰かな

  • 面白かった。
    完全なるハッピーエンドになっていないところが何とも切なくていい。

  • これはおもしろかったー。イラストもキレイだし。主人公くんがちょっと表紙とイメージ違ったけど。あとフォークも違うけど。

  • 面白かった。

全9件中 1 - 9件を表示

著者プロフィール

一迅社文庫アイリスより『迷走×プラネット』を刊行しデビュー。際立った人物造形と、登場人物の関係性の変化を繊細に描写する語り口の魅力で活躍している作家。2019年、第1回富士見ノベル大賞の奨励賞受賞作を改稿・改題した『民俗学研究室の愁いある調査』(KADOKAWA)を刊行。そのほか著作に『ようこそ紅葉坂萬年堂』(小学館)など多数。

「2022年 『千年鬼譚 緋色の鬼神と転生の乙女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

神尾あるみの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×