平安後宮の薄紅姫 物語愛でる女房と晴明の孫 (富士見L文庫)
- KADOKAWA (2020年4月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784040735771
作品紹介・あらすじ
怪異や難事件の最後の駆け込み寺・薄紅の姫。彼女に依頼が成立するのは、物語にまつわる品が差し出されたときだけ。薄紅は重度の物語中毒で、特に『源氏物語』には目がないというのだ。
――この異名が広がったのは、晴明の孫である若き陰陽師・奉親のせい。訪ねて来た彼に早く帰ってほしい一心で、物語知識を駆使し怪異の謎を解いたのが悪かった。薄紅を使えると判断した奉親は、言葉巧みにたびたび彼女をモノで釣っては謎解きにかり出すことに。
「また相談ですか? 私は読書に集中したいのでございます!」
感想・レビュー・書評
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「更級日記」の菅原孝標の娘薄紅姫と安倍晴明の孫の奉親が都や宮廷で起きる事件を解決するというもの。陰陽師の奉が関わっていても、呪術的な要素は全くなく、源氏物語と事件との類似によって推理していくというもの。なんかインパクトに乏しいんだよなあ。事件自体に魅力がないし、会話もワンパターンかな。
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面白かった!!平安の貴族社会に潜むミソジのヲタ女子(源氏物語/紫式部推し)が、その拗れ具合を持って、謎をとくという、ミステリ?なのか?そういう話。菅原道真の来孫あたりで、源氏物語推し、となると菅原孝標女がモデルなんかねぇ。平安の貴族女性の生態なども、細かく入っており、さらに現代のヲタネタ的な『金田一少年の事件簿』みたいな感じで、作者の推し愛を感じるような気がする。従者の髭黒の右大将ならぬ義盛が、すんごい良い味。晴明の孫、奉親(確かに一説には安倍晴明に息子が2名いたというのもある、奉親は孫ではなく息子という説も?あったか??)。ともかく、微妙にちゃんとある説を混入させつつ、リアリティがあるようでいて、全くリアルから外れていくのもまた、いとをかし。作中で語られる薄紅の二次製作も読んでみたい。
これは続きも読もうと思います。 -
奉親は安倍晴明の孫ということで、「平安あかしあやかし陰陽師」と少し繋がってるのがおお~って思ったが、最初はなかなか話に入り込めなかった。
今のところ奉親は薄紅への話の振り役と言った感じで、謎解きのお膳立てをしている為か一歩引いて薄紅を見て(楽しんで?)いる。
薄紅の物語への愛と知識はすごいが、全体的ストーリーとしてはあっさりした感じがした。 -
能ある変人とその才を見出す腹黒さん。大好きなやつです。
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晴明の孫である必要は今のところ希薄。
姫の立ち位置の設定もかなり不安定。 -
いつになったら話が転がり出すのかなと思いながら少々もどかしく読んだ。
本筋から脱線して同じようなやりとりが何度も繰り返されたり解説のト書きが多めだったり、文章のテンポがちょっと合わなかった。残念。