スパイ教室 短編集02 私を愛したスパイ先生 (ファンタジア文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040743585

作品紹介・あらすじ

 死亡率九割を超える”不可能任務”に挑む機関―灯―。その前身、かつて戦争を終結させたスパイチームの頂点-焔-のリーダー『紅炉』は、絶望の縁から救い出した幼き少女・ティアに、
自身の死を前に希望と詳細不明の『鍵』を託した。
 時は経ち、ティアは鍵の用途を求め、ついに錠がかけられた箱を発見する。慎重に箱を開けると紅炉の遺言が記されていた。
「クラウスは、アナタを  ている」
 肝心な箇所が空白になった紅炉の遺言を発端にして、勘違いが勘違いを生み、『灯』全体を巻き込む大騒動が勃発してしまう!?
『スパイ教室』シリーズ短編集第2弾!

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった!推しのアネットとエルナが大活躍で大満足。ティアが焔の旧ボス紅炉から託された鍵と、誤解とその顛末。アネットのアルバイトの話、ティアが主人公なはずだが、メインがサラになっているような気がしないでもない恋愛詐欺の話。エルナが教祖様になる話。旧作でカットされてしまったらしいリリィ 活躍の話。短いのがナニではあるが、楽しく読んだ。

  • アネット回はやはり物騒。可愛い外見なのに一番怖いわ(褒めてる)。
    誰もが予測できなかったバイト先での彼女の優秀さはすごかったが、それより真にヤバい奴を見抜き、きっちり落とし前をつけようとしたところは流石。本編のときも思っていたが、つくづく敵に回したくない少女だ。

    サラ回…と見せかけたティア回も楽しかった。サラは磨けば光るよね。アネットやエルナたち問題児もしっかりまとめあげてるし。実は鋭いし。

    そしてリリィはリーダーらしきところをしっかり見せてくれる。やっぱりかっこいいわ。普段アホアホで自分の欲望のままに生きてる感じしかしないんだが、いざとなると仲間のために過度なまでに頑張ってしまう。辛い過去もあるのにそれを感じさせないところがすごい。

    今回も良かったな。エルナ回はギャグだが。

  • 短編集1巻でエピソードが無かった、灯火残りの4少女の短編でした。各キャラとも本編とは異なる一面をみせていて面白かった。謎多きアネットの話が一番好きです。
    短編なので、飽きずにサクサク読めるのも良かったです。

  • ティアに宛てたフェロニカの言葉が感動した。そういう事情があったとは。

  • 【BW】「クラウスは、アナタを愛している」というメモから始まるドタバタ楽しい短編集でした。楽しい中にもシリアスな展開もあって、特に4巻の裏側でリリィがどんな活躍をしていたかを知れたのが、リリィ好きの自分にはとても良かった。あのセリフをリリィに言わせるとは。リリィ、カッコカワイイ。

  • ポンコツリーダーがポンコツやなかった。の。

  • スパイ教室の短編集2つめ。コメディとシリアスの絶妙なバランスがこのシリーズの良いところ。笑えるシーンは声出して笑っちゃうし、シリアスシーンは一転、じっくり読み込んでしまいます。いつか明かされるだろう、クラウス他キャラクターの過去も気になりますね。

  • 今回もとても面白かったです!
    シリアスとコミカルの比率がとてもちょうど良かったです。

    短編集は各登場人物のキャラクター性が深堀りされるので、ファンにとってはたまらない1冊です。

  • 短編集第1巻に引き続き第2巻も頭が痛くなるような導入だ(笑)
    スパイ教室の短編集って基本こういうノリで進むのか。そう思わせられただけにラストの展開には少し驚いてしまったけども


    アネットとティア、エルナがメインとなる短編はライトノベルの短編らしさに溢れたドタバタ劇が展開されているね。
    意外でキュートな姿が披露されるアネット、男を落とす技術の真髄が描かれるティア、不幸が不幸を呼び逆に幸福を振りまくエルナ
    そういったドタバタ激の中でもスパイとしての本業を忘れていない展開もあるのだけど、基本的に短編らしく重い事態は描かれず少女たちが独力で解決できるレベル。だからこそ、本編とは違った形で少女たちの魅力も描かれているね

    そうした中でメインではないけれど、意外な成長を見せたのはサラかな
    恋愛に距離を置く少女たちの中で一際に恋への憧れは有っても遠いままだったサラ。それがティアの指南に拠って大きな変身を遂げた
    これ、確かにティアの実力を示すエピソードとなっているのだけど、同時にサラが今後手にするかもしれない可能性の一つを提示するエピソードにもなっているように思えてしまう
    タリックを魔性の笑みならぬ慈愛に満ちた微笑みで落とすサラにはゾクゾクしてしまうよ……


    そしてリリィの短編はモニカの短編を超えるシリアス度合いだったね。そもそも日常の話ではなく、ミータリオ決戦の出来事という時点で異質だけど
    語られるのはリリィの生い立ちとミータリオ決戦でアネットを逃した後に何が有ったか

    リリィってスパイとしてどう考えても異質で、あの少女たちの中においても少し異質な存在。それはアネットのように壊れてしまっているという意味ではなく、いつでも仲間たちに笑みを齎せるという意味での異質さ。その一方で第5巻のヴィンド戦で見せたように不屈の闘志も持っている。それらがどうにも自分としては整理できなくて、メインの人物でありながらどういう人物か理解しきれていなかったのだけど、この短編を介してリリィの本質の一端が見えたような気がしたよ

    何故か自分一人だけ生き残ってしまった地獄、落ちこぼれであるために蔑まれた8年間。それを支えたのは復讐心。ただ、その復讐が世界を壊すというものではなく、咲き誇ってチヤホヤされたいというのは変わっているけども
    でも、リリィはその信念を掲げて『灯』に入り、リーダーとなった。そしてミータリオでは働き蟻相手に一人で奮闘してみせた

    最後、自分を助けてくれたクラウスに寄り掛かることを良しとせず、クラウスを先に行かせたリリィ。その姿はクラウス以外の誰も知ることがないけれど、『灯』のリーダーとしてとても誇り高い行動であるように思えたよ


    そして短編集を総括する形となった『私たちを愛したスパイ』
    ティアについては何となくそうなのだろうなと身構えていた部分は有ったのだけど、やっぱりそうだったのか……
    それを気取られないようにしていた『紅炉』、真実を隠していたクラウス。どちらも優しさを備えた行動だけど、一方で先人の優しさに守られている状況では一人前とはとても言えない
    だから『紅炉』の遺言はティアへの最後の試練として機能しているわけだね。空白になっている部分を埋められたときこそ、ティアが過去を乗り越えて成長できた証となる
    こんな仕掛けを用意しているなんて『紅炉』は未来をどこまで見通していたんだろうね

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著者プロフィール

第32回ファンタジア大賞《大賞》受賞作「スパイ教室」でデビュー。

「2023年 『スパイ教室10 《高天原》のサラ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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