スパイ教室09 《我楽多》のアネット (ファンタジア文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040747668

作品紹介・あらすじ

激闘の後、『灯』に与えられた十四日間の休暇。ひと時の休息を楽しむ少女たちに、クラウスは「最終日前日まで全員集合してはならない」という指令を下す。それは、『灯』の新たなる試練のはじまりでもあった……。

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった。前作の大激闘の後の2週間の休暇(休みか?)、モニカも無事に帰って全員離島でバカンスなんだが、クラウスは全員集合は3回だけ(初日と最終日の前日と移動日)という指令を出して、宿も2手に別れる。これはなんかの予行練習かもしくはテストだろうかと思いながら読み出した。案の定、全員あれやこれやと面白くすごすんだが、なんといっても装丁ピックアップのアネット(推し)が良い。全員、じわじわ成長しているのがうまく描かれていて、スパイものなのでネタバレできないんだが、モニカとリリィも大変よろしい。次作が非常に楽しみ。

  • 束の間の休暇で海のある村がロケーション。少女たちの可憐な水着姿のイラストが素敵。

    まあ、何も起こらない訳がなく、連続不審死事件とか海賊船出没事件とかまあまあバタバタする。
    海賊船の方に関してはあまりにもリリィ、ジビア、モニカがおバカすぎておいおい…と思ったものの、可愛いから許せる。クールなモニカが段々毒されて来ているのが悲しいような嬉しいような…。

    最後はやっぱりアネットが持ってったなぁ。今のところ一番怖い子だし、もしかしたら将来的にクラウスと戦う展開も有り得るんじゃないかと予測(たぶん当たらない)。
    悪者は成敗される、それで良いんだけど、成敗した側が完全に善人とは言えないあたりがスパイ教室だなと思う。

    いよいよ次巻からサードシーズンで、エルナがなんか頼りがいありそうな感じになってて楽しみ。暁闇計画もまだまだ明らかにされていないし、早く記憶のある内に次巻が読みたい。

  • テンション高いモニカがかわいーい!
    サードシーズンに入る前の助走的一冊。

    アネットは仲間を愛し、愛され、チームに確かに必要な才能ではあるけれど、彼女に力を与えられてしまった人にとってはただ災害であるのではないかなー。

  • 新しい話が楽しみやな

  • 前巻でセカンドシーズンが終わり、次のシーズンに入る序章という感じの巻でした。
    島での休暇ということでワキャワキャした始まりでしたが、トラブルまみれは相変わらずで、期待通りの無茶苦茶な展開。スパイ教室の初期のようなワクワクしながら読めました。ただ、タイトルのアネットの活躍がイマイチかな。
    次巻以降は真面目な展開になりそうなので、かつ、少女たちがスパイとしてどんどん成長していくので、馬鹿騒ぎの話はこれで最後なのかな!?

  • ライラット王国 マルニョース島
    大海賊ジャッカルの呪いとラフタニア

  • 呪いの正体がまさかの 笑

    圧政に対してのクーデターを起こしたいという気持ちは分かるが、かといって島民を兵器の実験台にするのは酷すぎると思った。ラフタニアが可哀想すぎる。

  • 待ちに待っていたスパイ教室9巻目。表紙はアネット。前巻までの過酷な任務を終えたスパイチーム灯のメンバーは離島へバカンスへ来ていた。島での様子が3つの視点で語られる群像劇は見事で、非常に面白かった。個人的にはバカ三人のノリが最高でした。笑いだけじゃなく、スパイ教室らしいシリアスなストーリーも並行して進行していて、読んでいて飽きを感じさせない。さすがです。

  • これまでと表紙の雰囲気を一新した上で始まるのはまさかのバカンス。でも暗躍を生業とする『灯』が穏やかな休暇を過ごせる訳がなくて
    クラウスの指示により全員での集いに制限が生まれた今回のエピソード。そういった特殊な状況に加え、章立てされたお話になっている事で多面性を見せる内容になったね


    まずは恋の物語が描かれる『島民編』
    昔出会った女の子が突然許嫁を名乗るなんてラブコメみたいな展開だけど、世界最強のスパイであるクラウスには無縁の展開
    普通の島民として生きてきたラフタニアがクラウスの隣に立つなんて無理な話。もし出来る存在が居るとするならそれは同じくスパイであるグレーテしか思い浮かばないわけで

    クラウスに真の恋心を伴って猛アタックを仕掛けるラフタニアが居るからこそ、グレーテの恋心も燃え上がり、クラウスへの再アタックを行わせる
    それが恋愛を遠い存在としてきたクラウスの隠れた心を詳らかにするなんてね

    グレーテの恋が叶うとか無理な話と思ってきたけど、あながちそうとも言い切れないかもしれないと考えを改めるきっかけになる話だったよ


    ミステリー要素と怪奇要素が渋滞を起こす『海軍編』
    島で頻発する惨殺事件の謎を解く為に奔走するティアが出会う島の怪奇。そして明かされる意外な犯人
    読んでいる最中は、一見すると無関係な事象が次第に繋がりを見せる展開は面白いと思えるものの、全体を見るとやはり謎が謎を呼ぶ展開

    一応の犯人は示されるものの、後から思えばこの章は謎の提示が行われたエピソードだったと言えるのかもしれない

    むしろ注目すべきはサラとティアの宣言かな
    サラの夢は以前に明かされていた。でも作中で言及されたようにそれはティアの夢と対立してしまうのか
    以前は一人ひとりが目標を明確にできればスパイとして成長した証と思えていたけど、それぞれが夢を持つならそれが仲間と衝突してしまう事態もありえるわけで
    その点を思い知らされる描写だったかな


    一転してコメディ調になる『海賊編』
    どう受け取ろうともゲラゲラ笑うしかない内容なのだけど、それが前2つの章へのアンサーになっているのだから堪らない

    一応、面白いと言えるのは財宝探しに尽力していたリリィ達はあくまでも財宝を見つける事が目的であり、それをどうにかしたかったという野望が無かった点かな
    だから童心溢れる感じに海賊船に乗り込み、更には海軍基地へのお茶目な侵入もした

    いや、それにしたって金策の為にティアの服を売るジビア達は酷いと思うけれど(笑)


    取り留めの無いお話の連なりに思えた今回のエピソードを結ぶのがクラウスの思惑と裏で糸を引いていたアネットの存在となりますか

    タイムリミットが存在する世界的な危機。あまりに謎の多すぎる《暁闇計画》に迫る為にバラバラになる『灯』……
    『灯』ってスパイモノにしては珍しいくらいに和気藹々とした少女集団だったのだけど、本格的な闇を前にして遂にお仕舞の時期に来てしまったという事か……

    それはアネットにも言えることだったのかもしれない
    自分だけが楽しい凶行が出来ればそれで良いという感性ではモニカに勝てなかった。救えない生命があった
    だからアネットは一度自分の遣り方をお仕舞にして、新たな遣り方を手にする必要があったという事か

    個人的にはアネットはこれまでにない邪悪さに至ろうとしているように思える部分もあるのだけれど、今回のようにリリィ達スパイ仲間がアネットをよく判らないけれど頼りになる仲間に押し留めてくれる限り彼女は本当の意味で間違わないと思えたよ


    新たな武器を手にして新たな時代に突入しようとする『灯』
    ひとまずはライラット王国での革命となりますか。流石にエルナとアネットの二人だけでは荷が重いように思えるけれど……

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著者プロフィール

第32回ファンタジア大賞《大賞》受賞作「スパイ教室」でデビュー。

「2023年 『スパイ教室10 《高天原》のサラ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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