横田空域 日米合同委員会でつくられた空の壁 (角川新書)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040822327

作品紹介・あらすじ

羽田や成田を使用する民間機は、常に急上昇や迂回を強いられている。米軍のための巨大な空域を避けるためだ。主権国家の空を外国に制限されるのはなぜなのか。密室で決められる知られざる法体系を明らかにする。

感想・レビュー・書評

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  • 【首都圏の空を覆う見えない壁】
    横田空域とは、米軍横田基地が管制権をもつ空域であり、首都圏を中心として1都8県にわたる「米軍によって占領された空」である。この見えない巨大な空の壁によって、羽田空港のすべての離着陸は危険で非効率的なルートを強いられており、羽田増便のための新ルートは山手線沿線部を低空飛行させられている。
    米軍による日本の空の「占領」は横田空域だけではない。1995年頃から群馬県における米軍戦闘機の低空飛行訓練が激化しているが、低空飛行訓練は群馬県内にとどまらない。「USAミリタリーチャンネル」で堂々と公開されているF16戦闘機の「超低空飛行」の映像(2018年)をYouTubeでぜひ見てほしい。あわせて「沖縄・低空飛行訓練」も検索してほしい。
    大事なのは、横田空域管制権と低空飛行訓練が、「日米地位協定」で保障されたものではなく、あくまで日米合同委員会の密約によるものだという点だ。(本土に沖縄の米軍基地を引き取る福岡の会/門倉)

  • 東2法経図・6F指定:395A/Y86y/Ishii

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著者プロフィール

よしだ・としひろ
1957年、大分県臼杵市生まれ。
ジャーナリスト。
ビルマ(ミャンマー)北部のカチン人など少数民族の自治権を求める闘い
と生活、文化を長期取材した記録『森の回廊』(NHK出版)で大宅壮一
ノンフィクション賞受賞。近年は、戦争の出来る国に変わる恐れのある
日本の現状や、日米安保・密約などをテーマに取材。
著書に、
『森の回廊  ビルマ辺境民族解放区の1300日』
(日本放送出版協会、1995年:NHKライブラリー 上・下 、2001年)、
『宇宙樹の森  北ビルマの自然と人間その生と死』
(現代書館、1997年)、
『北ビルマ、いのちの根をたずねて』
(めこん、2000年)、
『生命の森の人びと  アジア・北ビルマの山里にて
  理論社ライブラリー 異文化に出会う本』
(理論社、2001年)、
『夫婦が死と向きあうとき』
(文藝春秋、2002年:文春文庫、2005年)
『生と死をめぐる旅へ』
(現代書館、2003年)、
『民間人も「戦地」へ  テロ対策特別措置法の現実
 岩波ブックレット』
(岩波書店、2003年)、
『ルポ戦争協力拒否 岩波新書』
(岩波書店、2005年)、
『反空爆の思想  NHKブックス』
(日本放送出版協会、2006年)、
『密約  日米地位協定と米兵犯罪』
(毎日新聞社、2010年)、
『人を"資源"と呼んでいいのか 「人的資源」の発想の危うさ』
(現代書館、2010年)、
『密約の闇をあばく 日米地位協定と米兵犯罪
  国連・憲法問題研究会報告 第49集』
(国連・憲法問題研究会、2011年)、
『赤紙と徴兵 105歳最後の兵事係の証言から』
(彩流社、2011年)、
『沖縄 日本で最も戦場に近い場所』
(毎日新聞社、2012年)、
『ダイドー・ブガ 北ビルマ・カチン州の天地人原景』
(彩流社、2012年)、
『検証・法治国家崩壊  砂川裁判と日米密約交渉
 「戦後再発見」双書3』
(新原昭治、末浪靖司との共著、創元社、2014年)、
『「日米合同委員会」の研究  謎の権力構造の正体に迫る
 「戦後再発見」双書5』
(創元社、2016年)、
『横田空域  日米合同委員会でつくられた空の壁  角川新書』
(KADOKAWA、2019年)、
『日米戦争同盟  従米構造の真実と「日米合同委員会」』
(河出書房新社、2019年)他がある。

「2020年 『日米安保と砂川判決の黒い霧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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