あと千回の晩飯 山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.32
  • (3)
  • (7)
  • (18)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 136
感想 : 15
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041000564

作品紹介・あらすじ

風太郎独特の死生観、老いへの提言をユーモアたっぷりに述べ綴った表題作ほか、「風山房日記」「風来坊随筆」「あの世の辻から」を収録。卓見に満ちた晩年の傑作エッセイ集。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  山田風太郎 著「あと千回の晩飯」を読みました。

     著者独特の死生観、老いへの提言をユーモアたっぷりに綴ったエッセイ集。

     自分の余命を感じながら老いを生きていく人生観は、まだ想像がつきません。

     おそらく、人生の折り返し地点を過ぎてしまったと思われる自分ですが、人生のゴールをどのような心境で走り終えられるのか、考えずにはいられませんでした。

     著者のようなユーモアや皮肉を込めた辛辣な切り口で人生や世界を割り切ることができたら、老いの世界も悪くはないのではないかなと感じました。

     自分はあと何回晩飯を食べられるのでしょうか。

     家族と共においしく食べられる幸せをしっかり味わっていきたいと思いました。

  • 二度目の読了。
    自分自身が、この本を書いた時の山田風太郎の年令に近づいてきて、風太郎の感性にますます近くなってきているのを痛感する。

  • 72歳となった自身の老いの自覚から、そこはかとなく始めた連載日記。余生が3年として約千回の晩御飯となることから、このタイトルに。
    中でも人間の尊厳について考察する内容が過激。「痴呆になった老人は無意味な人生を送らざるを得ない、その老醜を避けて自殺しようにもその決断力と行動力さえなくなっている。では、醜い老人を減らすために・・」夏目漱石の「吾輩は猫である」を参考に風太郎先生独自の「老人大氾濫予防法」が現代版楢山節考で怖い!
    また、こんな珍説皮肉も。「人間の1日のウンチ排泄量は平均150g。80年で約5トン。人間の最大の事業は一生に5トンの肥料を生産したことではあるまいか」
    1994年から朝日新聞に連載開始した日記ですが、途中で白内障からの失明宣告、糖尿病、パーキンソン病と様々な病気が見つかり「あと千日」という見積もりが甘かったと反省、しかし結果的には2001年まで生きるので逆の意味で外れてよかった。
    最後の風太郎先生の人物番付(敗戦後の復興立役者、亡国責任者、昭和の美女、日本の英雄)が意外性があり面白い。

  • こんなふうに年を取りたいと思わせる、
    糖尿病になっても酒や煙草をやめなかった作家の、
    死生観や老いることについてのエッセイ。

    さすが「人間臨終図巻」みたいな本を書くだけある人だ。

  • 3.4/112
    内容(「BOOK」データベースより)
    『風太郎独特の死生観、老いへの提言をユーモアたっぷりに述べ綴った表題作ほか、「風山房日記」「風来坊随筆」「あの世の辻から」を収録。卓見に満ちた晩年の傑作エッセイ集。』


    冒頭
    『いろいろな徴候から、晩飯を食うのもあと千回くらいなものだろうと思う。』

    『あと千回の晩飯』(山田風太郎ベストコレクション)
    著者:山田風太郎
    出版社 ‏: ‎KADOKAWA
    文庫 ‏: ‎336ページ

  • マイブームという言葉は、もう死語になってしまったけれど、
    最近、山田風太郎ブームが続いています。

    冬になると、日照時間が短いせいなのか、気温のせいか、気分が落ちる日が多くなります。
    こういう状態だと、何もしたくないんですが、氏の著作は、なぜか読めてしまいます。

    氏の「忍法帖シリーズ」は、忍者モノの金字塔で、海外でも多く読まれています。

    私たちが忍者といったらアレだなと思い浮かべる原形を考えた人です。
    エッセイも、抜群に面白い。調子が凄く良い時の後、必ずやってくる不調、
    何故か氏の文章は、読みたくなります

  • 食事日記とやらを僕もつけよう

  • 彼の他の作品は、まだ自分には難しい。しかし、この本はとても面白くすぐに読んでしまった。

  • 20代の若造がこんなん読んでるとか、我ながら生意気にも程があると思うのですが、いやだって面白いんだもんなぁ。
    とにかくタイトルがずるい。

    これにしろ、「人間臨終図鑑」にしろ、山田風太郎翁の死生観には感服しきり。こんなジジイになりたい。

  • 単行本で既読。

全15件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1922年兵庫県生まれ。47年「達磨峠の事件」で作家デビュー。49年「眼中の悪魔」「虚像淫楽」で探偵作家クラブ賞、97年に第45回菊池寛賞、2001年に第四回日本ミステリー文学大賞を受賞。2001年没。

「2011年 『誰にも出来る殺人/棺の中の悦楽 山田風太郎ベストコレクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山田風太郎の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
三島由紀夫
伊藤 計劃
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×