グレイヴディッガー (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041001646

作品紹介・あらすじ

八神俊彦は自分の薄汚れた人生に区切りをつけるため、骨髄ドナーとなり白血病患者を救おうとしていた。しかし移植を目前にして、都内で連続猟奇殺人が発生。事件に巻き込まれ、容疑者として手配された八神は、命がけの逃走を開始する-。八神を追う警察、謎の集団、そして殺戮者・墓掘人。八神は追跡をかわし、患者の命を救うことが出来るのか?稀代のページターナーが放つ、ノンストップ・エンタテインメント。

感想・レビュー・書評

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  • 超高速連続殺人、逃亡、捜索劇。走りまくり逃げまくり、迫りくる追っ手。逃げる主人公はとってもよく追ってをかわす。現実にはこうもうまくいかないが、これが小説ってもんだ。そこに死体は中世魔女狩りの様相もおび、さらに公安の出動とあり、真相は深い闇か? と読む手が止まらない。

    なにしろ午後4時に風呂場に浮かぶ他殺体が見つかり、以後次々と殺人が起こり、決着は翌朝未明なのだ。

    主人公は少年時代から詐欺や窃盗をはたらいてきた、八神。だが八神は骨髄ドナー登録者となり、人生初の「いいこと」をしようとしていた。が数か月前に知り合った男の元を訪れるとその男は風呂場で死体に。しかも八神自身もなにものがに襲われ、そこから逃亡劇が始まる。逃げおおせなければ待っている患者が死んでしまう・・

    一方死体は両手両足を交差して縛り、皮膚には十字の切込みが。これは中世の異端審問の拷問のやり方だということが分かる。果たして殺人の目的は? 

    最後はおおむね胸のすく終わり方。心臓麻痺ってのが闇。

    2002.7.31第1冊 図書館

  • ジェノサイドでこの作者を好きになり、この本を手に取りました。ジェノサイドの時もそうだったのですが、この作者は2つの場面を同時進行させながら描くのがとても上手いと思います(上から目線ではないです) 。場面が切り替わるたびに面白さが深くなっていくし、2つの場面が一つになる瞬間なんかはもうたまらないです。

  • 面白い!!
    事件との繋がりが、半分以降まで不明で飽きない!
    読んでいて疾走感を感じながら読んだ。
    主人公が外国映画の悪の主人公のようで応援したくなってしまいましたー。お勧めです。

  • グレイヴディッガー、それは墓の中から蘇った死者。復讐の為、法で裁かれない罪人を次々と殺していく。八神、それは悪党だけど善人。人生をやり直す為骨髄ドナーとなり白血病患者を救おうと奮闘する。
    謎の集団を追いかけるグレイヴディッガー、謎の集団になぜか追いかけられる八神。復讐劇と逃亡劇が東京都内で所狭しと繰り広げられる。氷と炎のようなふたりが出会った時ドキドキが最高潮に。
    果たして八神は無事に入院先の病院にたどり着き白血病患者を救う事ができるのか。グレイヴディッガーは復讐を成し遂げる事が出来たのか。本当の悪人の結末は…。

    殺害方法が魔女狩りの拷問の手法とあり、それはもう残虐で読みながら怖くて泣きそうになった。そこまでの復讐をする理由をもう少し明白にして欲しかった。
    ラストはグレイヴディッガーの願いが通じたということかな。オカルト的でちょっとどうなんだろうとも思うけど(笑)

  • 高野和明さんの作品が、大好きなことを本書を読んで改めて感じました。『ジェノサイド』『13階段』『幽霊人命救助隊』と3冊読んできましたが、どの作品も印象深く時を忘れて読んだ作品ばかりでした。
    本書もプロローグから私を鷲掴みしてくれました。第三種永久死体という聞き慣れない言葉と共に、死体が紛失するという事件があり、本書の主人公である八神俊彦の物語が始まるのです。そして、題名にもなっているグレイヴディッガーの伝説も物語の牽引する大きな力になっています。本書の最後に解説を村上貴史さんが書いているのですが、このグレイブディッガー伝説は著者のまったくの創作とのことです(Googleで検索しても本書に関するものしか検索されませんでした)。本書を読了後に読むこの解説は、著者の作品を横断的に考察していて読み応えがありました。
    単行本から文庫本になる時に著者は一部を改変をしているとの解説があり、単行本も一度読んでみようかと思いました。
    時を忘れて読み耽る秋の夜長にぴったりの一冊でした。

  • 夫の友人からお借りしました。
    「ジェノサイド」の作家さんなので期待大で読み始めました。

    ジェノサイドは社会派的な作品だと記憶していますが、こちらはエンタメ小説でした。
    数日後に骨髄移植の提供者になるはずだった主人公が、無差別大量殺人事件に巻き込まれ、謎の組織から追われ、警察から追われ、更には正体不明の殺戮者からも追われるお話です。
    逃げ切らなければ彼の骨髄を待つ白血病患者が死んでしまうという、スリルとサスペンス満載の展開にスピード感が加わり、最後まで夢中で読んでしまいました!

    魔女裁判をなぞる残虐な殺害シーンが多いわりに、主人公の憎めない悪者キャラと、最終的には勧善懲悪的な展開のせいか読後感は悪くありません。
    さらに、賛否分かれると思いますが、ラスト、少しだけファンタジー的要素を残したところも私は嫌いじゃなかったです。
    面白かった!
    それにしても、公安警察の闇って小説やドラマでよく取り上げられるけど、どこまでが本当なの??

  • 文章がちょっと難しいけど面白かったし
    犯人も動機もスッキリした結末だった。

  • 先日のジェノサイドに続く高野作品。
    ノンストップエンタメ!と裏表紙にあるが、まさにその通りで読み始めたらやめられない。

  • ジェノサイドで高野和明を知り、13階段でやっぱり面白いと確信しての、グレイヴディッガーです。

    発行順序はバラバラに読んでしまってますが、手に汗握り度でいうとジェノサイド、13階段、本書の順。
    自分の中でのハードルが上がりすぎていた感も過分にありますが。

    相変わらず緩・急・緩・急・急・急・緩ってノリのリズムで飽きさせない運びは最高。
    でもなんだろう。少し物足りない。そして削られた3行とやらが気になって仕方ない。

  • 後半からラストにかけての疾走感がハンパない! 骨髄ドナーとして患者を救うために、八神はグレイヴディッガー、M、警察から逃げきれるのかハラハラして一気読みしたいと思う一冊です(^^)

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      絶対映画向きだと思うのですが、、、今のところは予定無いみたいで残念。。。
      絶対映画向きだと思うのですが、、、今のところは予定無いみたいで残念。。。
      2012/07/31
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著者プロフィール

1964年生まれ。2001年に『13階段』で第47回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。著書に『幽霊人命救助隊』、『夢のカルテ』(阪上仁志との共著)など。2011年、『ジェノサイド』で第2回山田風太郎賞を受賞。自著のドラマ化『6時間後に君は死ぬ』では脚本・監督も務めた。

「2012年 『グレイヴディッガー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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