露壜村事件 生き神少女とザンサツの夜 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (554ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041006603

作品紹介・あらすじ

「この地で面白いものを発見した。黒彦君と一緒にすぐ来なさい」-犬神果菜のもとに、兄・清秀から謎の一文が添えられた年賀状が届いた。"高校生探偵"白鷹黒彦は、果菜を連れ、文面に書かれていた奇妙な名前の村に向かうことに。露壜村。現世から隔絶された山村で、ふたりが最初に目にしたのは、異常に長い不気味な葬列と、まとわりつくような老婆の視線。それは、怨念に満ちた惨劇の幕開けだった!?シリーズ最大の事件簿。

感想・レビュー・書評

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  • 岡山県、家系図、村の有力者の死から始まる連続殺人、etc…
    まさに、横溝正史の世界ですね。

  • 「お兄ちゃん」に呼び出されて露壜村に来た二人。旧家の老婆に「生き神様じゃ」と言われてしまって、しばらく滞在することになってしまう。ライトノベルらしい登場人物たちが、謎に挑むシリーズ第三弾。
    第二弾は面白かったので、期待していました第三弾。期待通り面白かった。ミステリというよりは、昭和のライトノベルに近いかなー。ハテナちゃんが無邪気なんだけど、ある設定のおかげで、それが嫌味でなくて、いい効果を出していると思います。ライトノベルミステリ好きならどうぞ。ただし、二巻から面白くなります。

  • 友人の兄に呼ばれて訪れた、奇妙な名前の村。
    そこで起きる、惨劇。

    旧家に遺産相続に、雪に閉ざされてしまっている村という
    ミステリー王道がぎゅぎゅっと詰まった設定でした。
    と思ったら!? な展開になってしまいましたが。

    上に立っているからこそ、気が付かなかったのか
    そうするのが普通だったのか、と聞かれたら後者かと。
    人の平和と自分の平和は違うもの。
    平等に幸福があるのなら、どこからかもらわねば
    多く摂取できないもの。
    まざまざとそれを見せられた気分です。

    しかし最長老たる彼女は、あれを渡して
    どうするつもりだったのか。
    途中どころでなく参加した兄が、飲んでしまえば…とか
    思っていたのでしょうか?

  • こういう結末は「なし」なんだろうなと思っていた種類の結末の小説が読めて、嬉しい気分に。
    ハテナとクロちゃんの関係性もちょうどいい速度で進行しているのが心地いい。
    犬神さんの「空気読まないけど、空気に溶け込む」ところがツボでしょうがないです。
    早く次が読みたいな。

  • このシリーズをミステリーなどと思ったらいけない。
    あくまでミステリー的なライトノベルなのだから。
    完全にキャラ読みをしている身としては、ミステリーに分類することも迷ったほどで・・・。
    シリーズ第3作目となく「露壜村事件」は、ほとんど犬神清秀の出番はない。
    「えっ?いまごろ?」と突っ込みたくなるくらい後半に、申し訳程度に顔を出す程度だ。
    それでもしっかりと謎を解いてしまうあたりは、イヤになるくらい小説的なのだけれど。
    いつも通りに今回も果菜のかわいさが炸裂している。
    白々しい計算もなく接してくる果菜に対して、中途半端に男らしい黒彦がなかなか笑える。
    それにしても帯に書かれている「ミステリへの挑戦状」という文面。
    煽り文句としてはいいのだろうけれど、「帯にある言葉を信じちゃいけない」を経験できるという・・・微妙な面白さを感じた。
    書店で帯買いをしてはいけない!!とつくづく思う今日このごろ。
    果菜が好きすぎてシリーズ全巻を買い続けている自分が言うのも説得力がないけれど。
    とにかく、読みやすさだけは抜群だった。
    短時間で読破できるのは間違いない。

  • 黒彦がリア充過ぎ
    とんでもない結末だったけど割りと楽しめた

  • シリーズ第3作。閉ざされた山村で事件…だがそのオチは想像もしなかったなー。他の方が書かれてるように普通のミステリーと思って読んではいけないのだが…;博士とハテナの問題も。

  • 『呪いというものはあり得ない現象ではない。それはただ、現代の科学や常識では解明されていない法則のひとつに過ぎないんだよ。

    地震、雷、火事、大嵐。疫病、奇病、難病、死病。かつて神の怒りや悪魔の呪いと恐れられていた現象も、今ではすっかり解明されてしまった。

    でもこれで全てではない。より複雑な法則性を、持った現象は、未だ呪いとして残されたままなんだよ。』

    良かった。物語世界を一気に破壊する最高の完成度!

    ただし、館ものとしては変化球だった。
    やっぱ館ものは綾辻行人、周木律くらいのクオリティが欲しいなぁ。

  • 閉鎖的な村の旧家で起こる殺人事件。当主の死、居合わせる相続人たち、奇妙な信仰、生き神様。雰囲気はたまらないですね。
    こんなのありかという真相ですが、意外性と斬新さは抜群。そして真相を受け入れさせる世界観と雰囲気がこのシリーズではしっかり描かれているのですよね。面白いです。
    がんばっている黒彦くんの空回りがもどかしい。ハテナのお姉さんまた登場してほしいです。

  • 隔絶された村に黒彦とハテナが行くことになって殺人事件に巻き込まれる!

    今回、兄が人間らしい感じが出ている

  • 3作目。これもミステリーの定番と言える、閉鎖的な山村を舞台とした殺人劇。雪に閉ざされているという点で、これもまたクローズドサークルです。
    このオチは言ってみれば1巻に似てるかなぁ。普通に考えていくと犯人がいなくなっちゃう。ちょっと釈然としないものは残るね。

  • 館ミステリー、学園ミステリーときて今作は村ミステリー。

    明らかに、お手本となる名作を片手に設定を持ってきて
    その世界観にシリーズキャラを放り込んでみるという
    作り方をしている点については、まあアリだということにしても
    今作は面白ければ何でもあり的な雑さがちょっと目立っていた。

    特に後半の超展開は正直ついていけず、
    興ざめな感じが否めなかった。

    ノックスの十戒がなぜ存在しているのか
    なぜミステリーにおいて、一定のお約束が
    作者と読者の間で共有されるべきかについて、
    こういう作品を産まないために
    あるのだなということを思い知らされた。

  • 読み進めて行く度に、もしかしたらこの人が犯人かな?と想像するけど、結局最後までわからずに結末を迎えて、その犯人もあまりに衝撃的でした。黒彦と同じ台詞をあなたも言うはず。

  •  雪のために週2回くるバスでしか出入りすることができない山奥の村で、黒彦達が招かれた大きな屋敷で連続殺人事件が起こります。
     主人公黒彦が殺人事件を解決しようとするのですが、前巻、前々巻と読んでいるので、正解しないんだろうなとか思いながら読んでいました。せっかく主人公が新しい事実に気付いても、どうせ意味ないんだろうな、と思ってしまいました。
     話自体は結構ボリュームがあって、無関係の村での厄介事に首を突っ込むべきか黒彦が悩むところや、後半の緊迫した場面などが面白かったです。

  • このシリーズでは一番おもしろかった。
    毎度主人公にわざわざ間違った推理をさせるところがどうしてもなじめない。

  • 最高です
    ハテナ復活!
    こんなん・・・あり?
    絶対楽しい!
    けど、怒り出すな!

  • 第三弾目!
    文字遊びに笑いました( ´ ▽ ` )
    とにかくハテナが可愛い(// ▽ )

  • 黒彦と犬神兄妹のシリーズ3作目。

    携帯電話も圏外な陸の孤島。
    年賀状一枚で呼び寄せられた見知らぬ土地。
    公共交通機関は月曜日と木曜日にやってくる週2便のバスのみ。
    部屋から荷物一式無くなって、客人と言われても・・・。
    これって実質軟禁状態ですよね。
    それだけで充分警戒に値すると思うんですけど。
    様子を窺ううちに流されちゃったね、黒彦君。

    村の高台に君臨するお屋敷が今回の舞台です。
    黒彦君と犬神(妹)が村にやって来た日、
    その一族当主のお葬式が執り行われていました。
    そして次の日から一人また一人と惨殺されていきます。
    最初っから怪しげな一族で、
    探偵役(?)の黒彦君も雰囲気に飲まれちゃって、
    ほとんど推理を放棄しています。
    シリーズお約束ですので、犬神(兄)が、
    その「世界最高の知性」で美味しいとこ取りは前回通り。
    最後に予想もしない人物も登場します。
    その人の名前がまたなんとも。

    今回は作者のネーミングセンスにツッコミどころ満載でした。

  • 何かしら予想を裏切られるところは、今回も健在。今後も話が続くはず。楽しみ。

  • 好きだわー、このシリーズ。
    果菜がピンチで「終わってまう!?」と心配したが、杞憂。
    新しい姉妹も登場し、まだ続いてくれる予感。楽しみ。

  • ■シリーズ3作目にして、やっとミステリーっぽい感じがした。まあ、けっこう強引ですが。前2作は結構とんでも設定で、びっくりしたからな。でも、それは、今回は物語の核である香具土深良の建造物が関わってないからだと思うと、そもそも設定に無理があったんじゃないかと思ったり。
    ■相変わらず、黒彦くんは頑張ってるのに空回り、ハテナちゃんは大けが。まあ、それがこのシリーズなんだろう。

  • 面白かった。けど若干SF成分増えてきた?
    犬神さんの天才ゆえのズレた磊落さが相変わらず心地よい。

  • 村ミステリってこういうもの!って思ってしまうから、コロッとやられてしまった。そうくるか!って素直に思ってだまされたのは久々な気がするー。

  • 果菜を一生懸命守ろうとするクロちゃんとクロちゃんのことが大好きな果菜の二人がとっても可愛い。いつまでも見守っていてあげたくなります。神楽ちゃんのねじれ具合がまた何とも可愛らしかった。シリーズ3巻読み進めてきてふと、思った。実はクロちゃんも博士が作ったロボットだったりして!?なんてことを。。。でもそうだったとしても、そうでなくても、もう驚かないぞ!!

  • この作者…やりおる…!←←←

    正直、主要キャラに関しては閉口する部分も多々あるのですが(これはもう私の好みの問題なんだろうな、っていうのは前作で結論出しましたが)、今作に仕掛けられたトリックにはそのマイナス面を補ってあまりある衝撃を受けました。謎解き開始の直前までは、「村ミステリにしては謎がしょぼい…何その乱暴な展開…」とガッカリしかけたのですが、ところがどっこい(古)。してやられました( ^ω^ )←嬉しい

    これは確かに、既存の村ミステリへの挑戦といって過言ではありません。この設定は斬新! というネタに、最後の最後で二連続でビックリさせられます。
    あまり書くとネタバレになるので避けますが、色々なところに村ミステリの古典作品へのオマージュと見受けられる点が見られるのも、ニヤッとできて楽しいです( ^ω^ )←←嬉しい
    このライトな作風と本格ミステリに対する挑発的なトリック、という絶妙なバランスが、意外なラストを演出するのに成功しているのは間違いありません。



    【露壜村(ロビンソン)】という奇妙な名前の村に来るよう指示する年賀状が、兄・犬神博士からハテナのもとに届けられた。
    黒彦とハテナはそれに従い村を訪れるが、世間と隔絶された村でまたしても連続殺人に巻き込まれる事態に。村の有力者である綾樫家の人間が1人、また1人と残虐な方法で殺されて行く中、黒彦は推理を始めるが…。

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著者プロフィール

1977年、奈良県生まれ。大阪国際大学経営情報学部卒。2002年「やがて世界は詩に至る」で出版デビュー。「THE CHAT」「THE QUIZ」などで異色ホラーミステリー作家として注目を浴びる。著書は他に「時間島」「タイムカプセル」「庵谷高校の死神 閉ざされた校舎と見知らぬクラスメイト」(ここまですべてアルファポリス)、「天空高事件」「幻双城事件」(角川文庫)、「へたれ探偵 観察日記」シリーズ(幻冬舎文庫)などがある。

「2017年 『君が何度死んでも』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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