ヤングアダルト パパ (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041007365

感想・レビュー・書評

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  • 中学2年の夏休み、生後5ヶ月の赤ちゃん・優作の預け先をさがす静男。

    面白い小説。でも誰にとって面白いのだろう?ということをよく考えなくてはいけない作品。主人公と同年齢だからといって、この面白さが中学生に伝わるだろうか? 主人公の赤ちゃんへの真っ直ぐな愛情や、友だちの真剣さにはうたれるけれど、単にセンセーショナルなストーリーという受け取り方も可能かもしれない。悩む。

    むしろ育児(赤ちゃん)真っ只中な大人? あるいはその時期を通過して中学生の子を持つ親? 自己中心的な大人たちよ、もっとしっかりしなくては!という著者による叱咤激励とも読める。

  • 「笑う招き猫」の著者,山本幸久さんの作品.生後5ヶ月の優作を置いて母親は失踪.父親として子を守る為,必死で奔走する少年静男の物語.
    最初は,夢のある微笑ましい育児物語かと思ってたら,ちょっとヘビーな内容にビックリ.昔「14歳の母」ってドラマがあったけど,あれの父親版って感じ.息の詰まりそうな切ない物語だが,最後まで一気読みでした.文庫書き下ろしの「かぶになれ」がちょっと救い.ガンバレ静男!!

  • 中学生が突然父親、それもシングルファーザーになったら…、という設定なのだが、どうにも後味が悪い。一応ハッピーエンドなんだけど、なんて後味の悪いハッピーエンド。

    主人公の境遇があまりにも孤独すぎて。いや、悲惨な境遇の主人公ならもっとえげつない設定の小説はなんぼでもあるんだが…。両親や彼女…こういう連中が世の中をダメにしてるんだろうな、と思えるくらいに俺のキラいなタイプ。

    このキラいなタイプが悪役で出てこない(山本小説の特徴なんだが)のが、なんとも不愉快で、結局最後まで入りきれなかった。好みの問題だとは思うが残念。

  • いつもあったかくて面白い、痛快でほのぼのする。のが山本幸久の作品と思っていた。
    ので、読み進むほどに、え?どういうこと?
    本当に裏なく静男が中学生の父なの?
    そんなアダルトな小説?と、ドキドキして、仕方なかった。

    その、本当に裏なく父であるのとが、なんだかとっても重い現実だな、と、リアルに静男の影を感じたりして、今までの山本幸久作品とは違って、爽やかな気分には一向にならない。

    だけど、決して不幸ではなく。
    良い友達や大人に恵まれて、なんとか生きて行くのですが。

    2014.08.13

  • 花音の気持ちがわからないのでもやっと。2度あることは3度あるのかな。中学生の成長物語なのかもしれないけどあまり気持ちのいい話ではなかった。

  • 中学生という若さで子供の父親となった静男。
    母親は生後5ヶ月の子供を置いて出て行ってしまった。

    静男の両親は離婚しており、一緒に暮らしている父親も滅多に家には帰ってこない。

    現実的に考えたら、中学生の男の子が一人で子供を育てるのはムリがありますよね。
    実際の子育ても、やはり周りの人たちの支えがあって成り立つモノだと思います。

    物語の中の静男も最終的には沢山の人たちの協力のもと、子育てをしていくわけですが…。

    母親が出て行った理由が最後までわからずモヤモヤです。
    お腹を痛めて産んだ我が子を置いて出て行く理由。。
    余程の事があったのだと私は思いたい。

  • 14歳でトーサンになった静雄。
    逃げ出したカーサン花音。
    もっとハッピーな話かと思ったら、家族を欲しつつ、我が子を育てる少年=静雄の話で、まわりの友達や両親にはリアリティがあったけど肝心の静雄と花音の気持ちがよくわからなかった。

  • 山本さんと言えば「お仕事小説」。そういう意味では異端作です。
    主人公は中学2年の少年・静男。地方回りの舞台監督で家に居付かない父親、父親の浮気に嫌気がさして家を飛び出し再婚した母親。一人で生活を営む静男お前に現れたのが、父親の知り合いで売れない歌手の花音。二人は愛し合い、子供が生まれる。しかし、花音には母親としての自覚は全く無く、やがて失踪してしまう。残された静男と息子の優作は。。。
    静男の年若い父親としての奮闘ぶりは「お仕事小説」に繋がるものがあるのですが、いつもとずいぶん違います。
    静男を助ける幼馴染の岸本やその彼女の真壁さん、無認可託児所の晴子先生や楠さんなど、気持ちの良い登場人物も多いのですが、一方で父母や花音などの大人は自己中心的で、どうしようもなく。その描き方が薄く現実感が乏しいのが気になります。
    結果的に何が描きたかったのか良く判らぬ中途半端ママに読了しました。

  • 一時間ほどで読了。若干の育児あるあるの他は、どいつもこいつも中途半端な感じがして納得できないまま。
    起承転結の「承結」で物語が唐突に始まり、そして終わる。
    赤ちゃんの描写はリアルで可愛らしさが目に浮かぶようだったけど、泣き声はもう少し無かったのかと思う。

著者プロフィール

山本幸久
一九六六年、東京都生まれ。中央大学文学部卒業。編集プロダクション勤務などを経て、二〇〇三年『笑う招き猫』で第十六回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。ユーモア溢れる筆致と、魅力的な登場人物が読者の共感を呼び、幅広い世代から支持されている。主な著作に『ある日、アヒルバス』『店長がいっぱい』『大江戸あにまる』『花屋さんが言うことには』『人形姫』などがある。

「2023年 『あたしとママのファイトな日常』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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