バイロケーション スプリット (角川ホラー文庫)
- KADOKAWA/角川書店 (2013年12月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041011461
作品紹介・あらすじ
料理人で殺し屋の佐和は、幼い頃から出現していた自身のバイロケーションと、共存の道を見出していた。だがある日、バイロケが勝手に殺しの依頼を受けて姿を消した。それが、新たな恐怖の始まりだった――。
感想・レビュー・書評
-
前作の『バイロケーション』は主にバイロケーションという「現象」に焦点を当てていたのに対して、続編の本作はバイロケーションの人格を重視した物語になっている。記憶の上書きや自律的成長などはどことなく物悲しく悍ましい。その設定は巧みで色々と応用が効くものだと思った。ただ、前作に比べて主人公が殺し屋という設定のせいか、ホラー要素はやや薄く、悲劇性もそこまでではなかった。あくまでこれ単体というよりは前作の続編としての楽しみ方のほうが合っているとは思う。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
二度目ましての作家さん。
前作バイロケーションの続編なんだけど、前回とは主人公が違う。
ザックリ言うと、料理人で殺し屋の佐和が主人公で
バイロケーションともよい関係を築いていたはずなのに
そこに考え方の違いが出て来てハプニング発生
更に、新たな現象が起こって・・・という感じ。
前作ほどの驚きはなかったけれど、面白かったです。
カバーイラストが残念。ホラーですってば。
ホラー読まない人は絶対に手に取らないと思ったら勿体ないです。 -
2017.10.5読了
-
名作ホラー「バイロケーション」の続編。
バイロケーションと共存しているはず殺し屋が,ある日突然・・・。
前作同様に凝った設定ではあるが,主人公がヤレヤレ系というか,劣化版の伊坂某っぽい現実離れキャラで,全体的に安っぽく感じた。 -
バイロケーションが面白かった分…やや消化不良かな〜( •́⍛•̀ )
-
次作があるのか?と思わせるスッキリしない終わり方。
読み終わって、モヤっとしました。 -
日本ホラー小説大賞を受賞した『バイロケーション』の
続編に当たる作品だが、前作に比べると
作り込みが甘いと感じてしまう。
前作では、画家、刑事、医者、秘書といった
一般的な職業の範疇に入る人がバイロケーションに
悩まされるという内容だったが、
今回は料理人の顔をかぶった殺し屋という設定になっており
リアリティに欠ける人物像になったことで
ギリギリのところで保たれていた設定が
荒唐無稽の方に寄ってしまったのが痛かった。
また、オリジナル⇔バイロケーションという関係に加えて、
本作ではスプリット=分裂という概念が出てきたことで
複雑さが増しており、殺し屋設定と相まって
設定に溺れてしまったように思う。 -
バイロケーションの続編。前編で感じていた飯塚に対する違和感が解消されて、納得。飯塚やっぱり腹黒い。
ラストはホラーでした。 -
「バイロケーション」続編。前作との繋がりはそれほどでもないけれど、順番通りに読むことをお薦めします。
前作と比べれば、バイロケーションとうまく共存できているかのような主人公。しかし徐々にずれてぶれていく彼女の存在意義。「バイロケーション」の法則をいかして繰り広げられる展開は、ミステリ的でもあります。
そして今回起こる、タイトルにもある通りの「分裂(スプリット)」バイロケーションが存在する理由ともなる、。恐ろしくも悲しいこの現象。実は誰の心にもあるものなのかもしれないなあ……。 -
前作の直接的な続きではなく、映画の設定で前作の後に起きた別の人物の話。
バイロケーションの設定が変わっていて、バイロケと略したり、現れ方が変わってたり、持続時間があったりする。
前作のネタバレもあるので、単体で読むことはオススメできない。