- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041056134
作品紹介・あらすじ
「お客さんに届くのは『首なし死体』ってわけ」。安全な食料の確保のため、“食用クローン人間”が育てられている日本。クローン施設で働く和志は、育てた人間の首を切り落として発送する業務に就いていた。ある日、首なしで出荷したはずのクローン人間の商品ケースから、生首が発見される事件が起きて――。異形の世界で展開される、ロジカルな推理劇の行方は!? 横溝賞史上最大の“問題作”、禁断の文庫化!
文庫特別書き下ろし掌編に加え、道尾秀介の解説も収録。
感想・レビュー・書評
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これはもう一度しっかり読み直したいなぁ。
道尾さんの茶目っ気バリバリの解説が1番面白かったでございやす。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1頁目から私の胃に降り注ぐ、鮮烈なまでに鮮血な描写。それは読み進めるたびに重力を増す。ただ、初期の日本ロック好きの私としては登場人物にニヤリ。
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'23年11月5日、読了。Kindle unlimitedで。白井智之さんの小説、二作目。
やられました!これは、酷い小説です!今年読んだ(または聴いた)小説中、一番のグロい設定。
そもそもタイトルからして、「???」でした。何度中止しようと思ったか…でも、のめり込んでしまいました。
人間が、クローン人間を食べる世界、という、あり得ないグロい設定…ですが、ちゃんとミステリー小説でした。まんまと騙された!
本作がデビュー作、って…僕は正直、狂ってる(失礼!)って思ってしまいますが…白井智之さん、凄い作家さんですね~。次は何に行こうかな…。 -
安定のグロ設定で、きちんと推理ミステリー。
コロナウイルスによって家畜の肉が食せなくなり、子供達への栄養管理の為、クローン人間の肉を食す世界。
という、変わり種設定を巧みにトリックに盛り込んだ上、基本のミステリー要素も満載。
「東京結合人間」もそうでしたが、白井智之の作品を読んでいると、江戸川乱歩のミステリを読んでいる時のようなもやもや感があります。
なんだか「奇妙」な感覚。
ハマりました。 -
クローン人間の食肉工場が舞台という中々の設定に怯みながら頁をめくると、最初から丁寧なグロ描写!けどしっかりミステリー!
ここまでエログロに振り切れてるとかえってポップさを感じてしまうのは私だけだろうか
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トンデモ設定のエログロミステリだけど、でも最後の推理劇はかなり論理的でどんでん返しで、申し分なし。
まさかのタイムリーな新型コロナウイルスで肉食ができなくなったため、食用の人クローンを育てるプラナリアセンターとか「非自然人の権利に関する法律」だの、なさそうでありそうな世界観も好き。 -
設定と表現は結構キツイものがあります。
中々えぐい世界観です。
しかし、他の作品を読んでみたくなりました。 -
「食用クローン人間工場」っていう前提がまずグロいんだけど、妙に淡々としてて思ったよりは読みやすいというか。
これが常識の世界で生きる人たちの一人称で書かれてるからかな?
実は途中でトリックにはある程度気付いてたんだけど、「やっぱ違うのかな?」って思わせる仕掛けがそこかしこに散りばめられててすごい考えた!
題材は突飛だし真相も最初に思ってたのより捻られてたけど、ちゃんと「この物語の世界でなら起こり得ること」だけで構成されてるフェアなミステリだなって印象ー