僕だけがいない街 Another Record (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.20
  • (3)
  • (1)
  • (2)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 49
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041072240

作品紹介・あらすじ

サスペンス・コミックの金字塔から生まれた衝撃のスピンオフ小説!

連続児童誘拐殺人事件の真犯人の「手記」。それが読み解かれる時、“真実”が明かされる――。
藤沼悟(サトル)の壮絶な追跡の果てに、ついに連続児童誘拐殺人事件の真犯人は逮捕された。犯人は一審で死刑判決を下されるが、発見された犯人の「手記」に頻出する“スパイス”なる謎の存在への呼び掛けから、精神鑑定によって、一転して無罪判決になってしまう。
検察は即日上告するが、犯人はなぜか無罪を勝ち取った弁護士を罷免し、若き弁護士・小林賢也(ケンヤ)が国選弁護人として指名された。
彼はサトルの親友であり、自身も事件の当事者の一人だった。
ケンヤは戸惑いを覚えながらも、手記を通じて犯人の不可解な内面を探り、己の“正義”をも突き詰めていこうとする。
そして、ついに訪れる最高裁での審理。そこで明かされた、ある“真意”とは……!? 

文庫化にあたり、原作者の漫画家・三部けいと一肇の対談記事を特別収録。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 原作がとてもよく練られているからこそ、映画もアニメもこのスピンオフの小説も面白いのだろう。原作からキャラに違和感なく、違う角度からストーリーを俯瞰できてよかった。

  • 犯人を中心に据えたスピンオフ。というかある意味では公式二次創作とも言えるもの。ああなるほどこういう風に持っていくのね……と納得。

  • 真犯人逮捕の“その後”とは…
    一審で死刑判決が出たが、
    二審では犯人の手記が発見されその内容により
    被告の責任能力が認められず一転、無罪判決!
    検察は即日上告。
    犯人は弁護士を解任。
    悟の親友でもあり当時一緒に戦った小林賢也が国選弁護人に…。

    取り敢えず犯人の考えは理解した…
    人によって正義は色々、
    賢いがゆえに自分の考えが正しいと勘違いしたまま大人になったんだね。

    "ただ――そこに私だけいなかった"そっか…そうゆう意味にもなるね。

    犯人だけじゃなく賢也も真実をおぼろげながら感じとる。

    うん、深い。悟は頑張ったよ。

  • 犯人視点のスピンオフ。『手記』をたよりに犯人の過去と思想を辿りながら、弁護士となったケンヤがその謎に迫る。ラストがきれいで、原作での戦いがようやくここにたどり着いたんだという思いがして良かったです。

  • 原作が好きすぎるだけに、本作の存在が蛇足にならないか不安でした。しかし、読んでいる途中からどんどん引き込まれ、読了後は大満足な印象。

    超常能力を持った主人公に対し、一般人の視点で事件を見るということがとても新鮮。つい最近、久々に漫画「ヒカルの碁」を読み直したのですが、前知識なく塔矢アキラ視点でこの物語を読んだらどう思うのか気になったばかりだったので、それが故に個人的にかなり興味を持って読むことができたことが、満足な読了感に大きく影響していると思います。

    1点だけ、「スパイス」に関する解釈が、原作漫画を読んで思っていたこととちょっと違っていたことが気になりました。自分の解釈は、順風満帆すぎると面白くない人生で、適度に自分を邪魔して刺激を与えてくれる存在(ゲームの敵キャラみたいな存在)と思ってたので、そこが違っていたことにモヤッとした感を抱きましたが、これは些細な問題。

    今回はあの事件の核心にも関わるヘビーな内容でしたが、事件とは全然関係ない日常的な話でも良いので、あの物語の登場人物たちのその後をスピンオフで読んでみたいですね。ニーズないかもですが。

  • タイトルの意味を変えてきたなー。
    そして、犯人目線が不愉快でたまらない。
    どう言ったって、その身勝手な最低な犯罪に共感するところなんてかけらもありえない。
    悟と仲間が必死で悪と戦うからこそ、この物語は面白かったのだと痛感。

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

小説家。「ニトロプラス」所属。著作に『幽式』、『フェノメノ』シリーズ、『少女キネマ 或は暴想王と屋根裏姫の物語』、『黙視論』、『謎の館へようこそ 白』(共著)などがある。

「2018年 『僕だけがいない街 Another Record』 で使われていた紹介文から引用しています。」

一肇の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×