マガイの子 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 68
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041074398

作品紹介・あらすじ

「ナバリ・イズミ神話大系」とも呼ぶべき独自の、魅力的な宇宙観。その新たな切り口から噴出する、新たな謎〈ミステリー〉と恐怖〈ホラー〉に戦慄せよ。
   ――綾辻行人


僕の姉は「取り替えられた」魔物なのか? 「マガイ」のおぞましい真実とは

 「山に棲む『紛(まがい)』という魔性の獣が里の子供を攫って喰らい、己の子とすりかえる」「『紛』の子は見かけは人間だが、長ずるに従って徐々に獣の本性を表し、里に災いをもたらす」
 現代社会では迷信扱いされる民話だが、鞍臥の人たちは今でも、心のどこかで信じている。なぜなら、あたしがその「マガイの子」だからだ――。

 いまは東京で美大生をしている坂見風哩は、8年前に「お山」で従兄が惨殺された現場に立ち会っていた。従兄の死体は獣に食われたようだったが、風哩には事件時の記憶がない。腫物のように扱われる田舎を出たものの、不穏な出来事が周りで続いている。セクハラ教授とのトラブルで訪れた風変わりなスクールカウンセラーとの話で、夢に見る「マガイ」のことをついしゃべってしまい……。
 一方、まだ鞍臥に住んでいる高校生の弟・怜治は、8年前に姉を助けてくれた円藤老人が、砂原という謎の研究者と最近共にいるのが気になっている。砂原ら「聖泉協会」の人間は「お山」の「磨崖仏」を調べているというのだが……。

感想・レビュー・書評

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  • 民間伝承、神隠し、怪物、異界……ホラー好きが思わず反応してしまいそうな設定だが、後半に至るに連れて目に見えて胡散臭さが倍増してくる。名梁はキングやクーンツといったモダンホラーを好んで読んだ事からそういったジャンルからの影響だろう。この影響が物語を無駄に大きくしてしまって恐怖を削ぎとってしまった印象が強く残る。悪くない作品だけに惜しい。

  • すごい独特な世界観!
    面白かったしラストまで気になって読み進めてしまったけど、、結局どういうこと??な箇所が多かったのが残念 
    弟のレイジはどこに行ったんだ?主人公はマガイの子じゃなくて、でもマガイを、だしてたのは誰なんや?

  • 記録

  • 山に棲む獣『紛』が里の子を己の子とすり替える。現代では迷信扱いの民話を鞍臥の人は今でも心のどこかで信じている。なぜならあたしがその「マガイの子」だから―。東京で美大に通う風哩は、「お山」で従兄が惨殺された事件の記憶がない。セクハラ教授問題で訪れた変なカウンセラーと話すうち、夢に見る「マガイ」の事を喋ってしまう。高校生の弟・怜治がまだ住む地元では「お山」の磨崖仏を調査する謎の研究者が暗躍し始め…。

  • 僕の姉は「取り替えられた」魔者なのか? 「マガイ」のおぞましい真実とは 従兄が惨殺された8年前の事件の記憶がない風哩。今は東京で美大に通うが、セクハラ教授問題で訪れた変なスクールカウンセラーに「マガイ」の夢のことをつい喋ってしまう。(e-honより)

  • 面白かったけど、たしかに作者独自の神話体系があるような感じ。ここを起点にまた別の物語も展開しそうな。ただ現代社会の問題に起因している感じはあるし、昔と今、時代は変わっても人間に潜む残酷さはそうそう変わらないとも感じさせられる作品だった。

  • 解説の民間伝承,神隠し,怪物,異界,恒川光太郎,小野不由美というキーワードに惹かれて購入→やっと読了.面白かった.漫画化にしても面白いだろうなと思う.

  • その村では、こつ然と現れたそのこどもを「マガイ」と呼び、「マガイ」に怪物の影がつきまとうと言われていた……。「マガイの子」と言われて育った東京の美術大生が、奇妙な事態にまきこまれていく。ヒロインと弟の関係が楽しかった。思いもよらぬ展開。今後が楽しみです。

  • 表紙イラストを理由に購入。

    文法面で気になるのが「〇〇だか××だか」とするべきところが「〇〇だか××」となっている箇所が多いこと。作者の癖かな。

    結局死んでいたのは主人公ではなかったということだけど、それでは何故主人公も異世界の夢を見ていたのか? という点についてよくわからなかったですね。

    主人公の強気な性格は良い感じでしたが、ちょっと独特の世界観にはついて行けなかったかな。

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著者プロフィール

(なばり・いずみ) 1970年、東京都生まれ。明治大学卒業。現在、会社員。本作『二階の王』で第22回日本ホラー小説大賞〈優秀賞〉を受賞し、デビュー。ほかの著書に『マガイの子』『噴煙姉妹』がある。

「2023年 『七人怪談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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