地獄くらやみ花もなき 参 蛇喰らう宿 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 439
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041076583

作品紹介・あらすじ

〈地獄代行人〉の皓と助手の青児は、〈人喰い宿〉と噂される奥飛騨の旅館を訪ねる。宿の関係者が殺害された過去の事件を調べる二人を待ち受けていたのは、女将の亡骸と〈死を招く蛇〉だった……。

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ3作目も、周囲に壊された人たち…って悲しみにくれてしまいました。浅香家もだけれど、一志も悲しい。鈴さんも。。
    浅香家の問題は一虎が全てな気がします。結界張ってまで西條くんを誘き寄せて消す事になってしまったし。一志と鈴さんはもう……
    凛堂荊が本格的に出てきたけど、棘がアレなのは双子の兄に全部いってしまったからかな、と思いました。邪悪さが凄くて、こちらが神野の後継者ですねと納得しました。山本も神野も殺したようです。
    西條くんは魔王になるには優しい、という青児くんの危惧は当たっていると思います。紅子さんの兄への冷淡さに笑いました。「しょせん魚」
    これからは荊と魔王争いするのかな。続きも楽しみです。

  • お、おもしろすぎる。地獄がきっちり地獄であるとこ、関係者のバックボーンが詳細に描かれるところが読み応えある。

  • 導入部が終了して、いよいよ本筋という感じになってきた。情景が目に浮かぶような描写がとても素敵で、ちょっと神秘的で不気味さを醸し出している。

  • 前作の2巻で面白さがグッと落ちた印象だったが、盛り返した。と、いうより作家の個性が出てきた感じがして面白くなった。
    そもそも1巻の時点で「簡易京極堂」(知識も読み口もページ数もライトで読みやすい)という評価で、作品のオリジナリティというよりも既存の妖怪とミステリ要素をいかに上手く繋げて話を作るか(=京極堂テイスト)に期待していた作品だったので、2巻ではオリジナリティの部分が中途半端に現れてきて邪魔に感じていた。ミステリー部分やストーリーが合わなかったのかもしれない。

    本巻では「妖怪を見誤る」という新しいギミックを入れてきたり、青児の成長(葛藤、足掻き)や、地獄落としをされるキャラクターにも同情を誘う複雑な背景を加えて正義に対するジレンマを喚起するなど、これまでとは違う試みがなされ、深みが増したように感じる。
    それでいて、青児や皓の会話は軽妙でフッと肩の力が抜けるような、ホッとするような感覚のままで、過度に重くなりすぎてはおらず、読みやすさは変わらない。
    本巻が2巻と同じ、あるいは劣るような感想ならこれ以降のシリーズの購入をやめようと思っていたが、本巻は充分楽しめたので今後のシリーズも購入しようと思う。

  • だんだんと漫画展開になってきた。
    文章が時折臭くて読んでるとムズムズすることがあるけど、主要人物の心根が「善」なので読み進められる。お話自体は面白いので、小賢しいことは考えずエンタメ小説として引き続き楽しもうと思う。

  • 青児と同じ目を持つ女性とあるから物語がどんな風に拗れるのかハラハラしてたんだけど、想像の斜め上を行っていた。
    まさか皓さんが死にましたとか言われるとは思ってもいなかった。
    棘さんの双子の兄・荊さんが黒幕として出てきたけど、あの棘さんが優しく見えるほど冷酷な方だった。
    棘さんのメンタルが心配。

    今まで謎だった紅子さんの謎も分かってちょっとすっきり。
    でも紫苑さん・・意味深な金魚の描写に荊さんのスパイか?とか思ってごめんなさい。最期の描写が悲しい・・

  • 皓にオカルト雑誌のライター鳥辺野佐織から連絡が来る。奥飛驒の旅館に青児と同じ目を持つ女性がいる、そしてそこでは当時謎の通り魔殺人が起きたと…。皓と青児はその旅館に向かうことにした。
    これまでは何があっても皓がニコニコ笑顔で解決する事案ばかりだったが、今回はそもそも最初からはめられていて大ピンチ。なんのかんの言って心のある弟・棘と違って冷酷魔神な兄の荊。確かに本物の後継者はこっちだなと思わせる追い詰め方だ。一方で棘は気の毒だ。長い時間兄を想い心を痛め、実は子どもや年寄り、動物に優しいということも分かり読者の意識が変わったなに…と思った。
    そして今回の頑張ったで賞の青児。ほんの少し自分で動き始めたその姿はなんだかはじめてのお使いのようだ。毎回皓の言われたことには従っていた青児が初めて拒否したり、違和感に気づいて指摘したり、犠牲者を出さないために奔走したりと成長を見せている。これは皓じゃなくてもよしよししたくなる。今後の成長に期待だ。
    ちなみに今回初めて登場し密かに亡くなった紫苑さん。紅子さんの態度が皓を気遣うあまり酷くも見えた。だが、金魚は500~5000コも卵を産むのだからその内の一匹が死んだ時の気持ちの整理の仕方は人と違うかもしれないと思えた。それに今回紅子さんの素性も明らかになり、おいおい紅子さんのお話は書かれる気がするのであっさりすませたのかも…。

  • なんとも次巻が気になる終わり方です。

  • まぁ、生きているだろうな、とは思っていたが。ただ、紫苑さんの扱いがなんとも悲しい…。というより紅子さんの紫苑さんに対する言葉があまりにもで、もう少し青児を慰めるにしても言い方はなかったのかと。さすがに紫苑さんの復活はないだろうか。

  • #読了 あまりにも棘さんが苦労人すぎて心配になる巻。最初はいけすかねえヤロウだ!と思っていたのにな。荊さんの方が魔王っぽさ確かにある。今後は皓vs荊になるのだろうか。
    皓のピンチにまさか初登場のお兄様が活躍されるとは思わず、けれど確かにずっと匂わされてはいたものね。そしてさらりと明かされる紅子さんの正体。びっくりしたけど、ですよねって感じ。
    地獄代行業の話より、魔王争いの方にシフトしてしまうのだろうか。もう少し地獄代行業読んでいたい気持ちもあるから、

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著者プロフィール

愛知県生まれ。2017年「地獄くらやみ花も無き」で、第3回角川文庫キャラクター小説大賞〈読者賞〉を受賞。同年、「折紙堂の青目鬼 -折り紙あやかし事件帖-」で、第5回富士見ラノベ文芸大賞〈審査員特別賞〉を受賞。

「2023年 『地獄くらやみ花もなき 捌 冥がりの呪花、雨の夜語り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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