- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041087572
作品紹介・あらすじ
〈地獄代行業〉の皓と助手・青児のもとへ、宿敵である荊から果たし状が届く。地獄の王座争いに終止符を打つため、2人は決闘の舞台となる寝台列車〈青い幻燈号〉へ。豪華な車内で待っていたのは、6人の乗客たち。発車後すぐに、ひとりが密室で姿を消し、ひとり、またひとりと殺されて――乗客にまぎれた処刑人は誰か? 探偵役・皓vs.黒幕・荊、一夜限りの推理勝負が始まる! 美少年探偵とペット扱い助手の事件簿、第4弾。
感想・レビュー・書評
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<地獄代行業>の皓と助手の青児のもとへ、荊から果たし状が届く。
決闘の舞台となる寝台列車、<青い幻燈号>で待ち受けていたのは、6人の乗客たち。ひとり、またひとりと殺されていく乗客たち。乗客にまぎれた処刑人はいったい誰なのか?
地獄代行業を営む皓少年と、助手の青児の「地獄くらやみ花もなき」シリーズの4冊目です。
今回の舞台は豪華な寝台列車。そこで起こる連続殺人事件。
ミステリ的な舞台の中、犯罪者が妖怪の姿に見えるという青児の設定がうまく調和していて、ファンタジー側からも推理をすすめられるのが楽しいです。
そして、『そして誰もいなくなった』か『オリエント急行の殺人』か……と思わせて、別の文学作品に着地するのが美しくも寂しく儚い。
作品としてはまだ続きが出ているのですが、物語としては一区切り。
シリーズの最初から読み進めてくると、全てから逃げ続けていた青児の成長と、皓の弱さと優しさにじわっと来ます。
この先も2人のバディがまだ見られると思うと嬉しいですね。
ちなみに、コミカライズ版もとっても良いのでお勧めです!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「では地獄に堕ちていただきましょう」
職も居場所もない、途方に暮れる青年"遠野青児"が迷い込んだ洋館で出会ったのは、人間離れした怖いほどの美貌をもつ着物の少年"西條皓。
青児は、「罪を犯した人間の姿が妖怪に見える」ことに悩んでいた。この体質を買われた青児は、皓に半ば強制的に助手(ペット)して雇われる。
謎の美少年、皓の職は、罪人を暴き地獄へ堕とす、「地獄代行業」であった。
‥
夜行列車を舞台に皓の父親の命と地獄代行業の王座をかけて因縁の相手との対決。
もちかけられた要件は、乗客を死に追いやる執行人がいる中で、夜行列車の乗客を2名生き残らせること。
罪人が妖怪に見える青児の目に映ったのは、乗客全員の妖怪の姿だった。
‥
これまで屋敷で地獄代行業をするしかなかった皓が自分自身と向き合い、青児も信じて待つ。今回の対決を経て自らの今後の生き方について見つめなおすところが印象的だった。
「なので、青児さんの百年を僕にくれませんか?」
2人の関係性も前進。続きが楽しみすぎるし、コミカライズも絶対素敵に違いない。
2024年2月12日 -
最終巻は何だか限りなく人間臭い心がちりばめられていた。結局、心持ちって凄く大事。どうやって生きていくかは自分次第だって言われた気がする。
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ここで地獄代行編は完結なのね。オリエント急行×そして誰もいなくなった的連続殺人、ミステリとしてもたのしい展開。最後のプロポーズもとても良かった。続いてくれて嬉しい。