天涯の楽土 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 226
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041091210

作品紹介・あらすじ

古代日本、九州に似た島。平和な郷で暮らしていた隼人は、郷の急襲で少年奴隷となる。家族と引き離され、見知らぬ郷で出会ったのは、鬼のように強い剣奴の少年・鷹士。運命の2人の、壮大な旅が幕を開ける!

感想・レビュー・書評

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  • 今月末に続編が出るということで、楽しみで再読。
    きっと紀元前4世紀くらい?の大陸の影響を良くも悪くも強く受けつつある、今の九州北部から始まるお話。
    キャラクターが立っていてすごく読みやすい。
    かといって軽いわけではなく個人的にとても好きなバランス。例えば、高貴の人が身にまとう色鮮やかな服装が一般の人に与える心理状況なんかも伝わってきたり、、背景はしっかりしつつも、少年少女の冒険の旅。ハラハラドキドキ楽しい。

    時代が変わりゆく中で、彼らの今後が楽しみ!
    隼人はきっとこのままで(心も体もでかくなりそう)鷹士が今後もナチュラルに敵を作っていきそうで心配だ。高照も饒速もまた出てきて欲しいな。饒速本州行くのかな、、

  • いきなりの敵襲で家族も故郷も失った隼人たち。
    そこから始まる冒険物語にワクワクしました。
    神話を元にした物語だから、古事記大好きな私には楽しく読むことが出来ました。
    続編が今から楽しみ。

  • 旅する少年少女の成長ストーリーです。面白かったです!

  • 今の九州が舞台。場所をイメージしながら読めるのは良かったけど、主人公の隼人を応援する気になれなかった…

  • 感情を表に出さない鷹士の、願いが切なくて悲しい…そんな鷹士を強引にでも繋ぎ止める存在、主人公の隼人がそばにいて良かった。

    襲撃した側、された側の敵同士だったふたりが隼人と同郷の神子・史人やサザキとともに連れ去られた薬女&比女を救い出すため、一緒に旅する過程はわりと好き。少年たちのいざこざ?がリアリティある。
    あと、途中で登場する高照がいいキャラしてて好き。巫女なのに気が強くて、普通の女の子のような雰囲気なのに、ひとたび巫女としての立場になるとキリッとして一歩引いた客観的な意見を述べるそのギャップがかっこいい。

    史人の変化(成長?)はすごくよくわかったけれど、肝心の主人公の成長がイマイチ描かれなかったところが少し残念。隼人より鷹士派だな…
    和製古代ファンタジーという、なかなか新しいだろうジャンルに着眼して話を考えた点は面白いと思った。

  • 人は突然強くなったりはしない。

    主人公は何も出来ないのは当然で、物語が進んでパワーアップアイテムを手に入れて強くなるような事がないので良かった。
    それにしても主人公が心の成長が全く見られないのが残念。次巻に期待。

  • 古代九州、今よりもずっと神々の存在が近かった頃。
    養い親と兄妹に囲まれて幸せに暮らしていた少年・隼人の日常は、突然攻め込まれたことによって破られる。
    家族と引き離され奴隷にした攻め手の中には同じ年頃の少年・鷹士がいた。
    生まれも育った環境も違うふたりは浮いた存在であるという点では一致する。
    だから分かり合えたのだろうか。
    鷹士が選んだ最期とその望みが切ない。
    だからこそ未来を見ることができたのは嬉しいし、彼らのこれからも楽しみだ。

    神宝を探す旅で各地の特徴や民の特性が分かるのも面白かった。
    もっといろいろな人々の様子も見てみたい。
    史人と高照におりた母神の宣託は何だったのだろう。想像はつくが。
    神の導きがあったとしても、彼らの未来は確定してはいないのだ。

  •  古代九州=久慈島を舞台に少年たちが様々な困難に立ち向かい、成長していく話。 
     旅人だった養父に拾われ、豊邦の阿古の里で育った隼人とその隼人の住む里を襲った津櫛邦の剣奴•鷹士。初めは自分の平穏な暮らしを奪った鷹士に反発する隼人だったが、雑奴となり、折に触れ自身を助けてくれる鷹士に次第に心を開き、成人した鷹士の雑奴となる。いろいろあって火邦の大郷や隈邦の大郷、高来津の郷へ共に旅することになり、お互いの出生の秘密を知る。まだ王の居ない、けど日留座による緩やかな支配の世から戦いによって国を束ね、治めようとする長脛日子の野心を隼人と鷹士は阻止出来るのか、ハラハラしながら読んだ。寡黙だけど、イザという時頼りになる鷹士、天真爛漫な隼人の今後が気になる、続編が楽しみ。

  •  ん~、なんかどうも……主人公の隼人が、いちいち要らないことやるし言うし、泣くし喚くし事態を引っ搔き回すしで、かと言って見直せるような目覚ましい活躍をすることもなく、読んでいてモヤモヤしたのが、のめり込めなかった最大の要因でしょうか; 他の登場人物も、どうにも自分本位な言動が多くて、誰も好きになれないまま終わってしまった感……。
     世界や用語などの設定説明のシーンが多かったり、随所で都合の良い道具や術が登場したり、なんだかなぁ……。この時代を舞台にした作品はあまり見かけない気がするので、そういう点では興味深く、ストーリー自体をいまいち楽しめなくて残念でした;

  • 好きな作家さんなのだが、自分には馴染みの薄い弥生時代の事なので、地名やら世界観やらが把握するのに手こずる。取り敢えず続編も詠む。

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著者プロフィール

1966年島根県生まれ。神田外語学院卒業。プログラマー、介護職などを経て、現在ニュージーランド在住。2013年、第4回野性時代フロンティア文学賞を受賞し、受賞作を改稿、改題した『天涯の楽土』でデビュー。著作に「座敷わらしとシェアハウス」「金椛国春秋」「親王殿下のパティシエール」シリーズ、『狩猟家族』『蒼天の王土』『マッサゲタイの戦女王』『霊獣記 獲麟の書(上・下)』がある。

「2023年 『蒼天の王土』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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