孫文‐‐その指導者の資質 (角川oneテーマ21 A 142)

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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041100486

作品紹介・あらすじ

膨大な研究書を分析して明かされる孫文の実像。現役政治家が問う異色の研究書。

感想・レビュー・書評

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  • 今から100年前、清王朝の時代を終わらせる辛亥革命を起こした革命家孫文。

    その孫文がどのような人物かを、彼が発した言葉や言動、思想等から紹介してくれる本。

    自分は世界史の教科書レベルしかなかったので、孫文がどのような人かはまったく知らなかった。

    本書を読んで、孫文という人がなかなか人間くさいひとであることを知ることができた。

    著者も言っていたとおり、こういうリーダーが今日本には必要なのではないかという思いに至る。

  • 面白かった。清朝と中共の狭間。親日的な孫文を知ることで、建設的な視点を持つことができたように思う。又、不勉強だった近代アジア史の一端を学ぶことができたという意味でも有意義な読書だったと思う。

  • ここ最近都知事としていろいろ話題になっている国際政治学者舛添要一氏が、自身が尊敬しているという「孫文」の生涯について記した本です。
    孫文というと中国・台湾ともに建国の父とされ、日本に亡命していた時期があることから日本とも浅からぬ関係がある革命家。しかしその生涯については自分はほとんど知りませんでした。
    この本を読むと、孫文は一般的な「革命家」のイメージとは違うことが分かります。ファナティック・カリスマという言葉は似合わず、飄々とした部分を持ち、また好機を逸することも少なくありませんでした。
    日本と関わりが深いと書きましたが、日本も孫文を(当然)善意だけで支援したのではなく、国益のために利用していた人もいたようで(もちろん孫文もそんな人たちを利用していましたが)、国際政治が甘くないことを教えてもらいました。
    孫文の遺書「革命いまだ成らず」という言葉に、まだやり足りなかった無念さと、革命を成すことは容易ではないことを思いました。

  • 孫文を支えた日本人のうちの一人、梅屋庄吉が長崎県イチオシということで、しっかり読んでみた。
    当時の日本の二面性が印象に残る。一方では、アジアを欧米列強から開放せんと思い孫文をはじめアジアに貢献した人がいて、一方では日本も欧米列強と同様に植民地を広げるべく動いた人がいた。実際の歴史はまさにそういう状態だったのだろう。それを、極端な左右の人は片方の面しか見えない、というのが現状なのではないか。
    古市さんの「誰も戦争を教えられない」と連続して読んだということもあり、歴史は必ずしも1つではないということを強く意識しました。

  • 孫文を中心に,その当時の中国情勢,日中関係の推移などを知ることができ,とても勉強になります.

  • "知難行易"(知るは難く行うは易し)

    "先知先覚は「発明家」、後知後覚は「宣伝家」、不知不覚は「実行家」。"
    この三種の人々が協力して進んでこそ、人類の文明は進歩する
    "あとから努力して築いた高い地位をおしさげ、一律に平等にしたなら、世界に進歩はなくなり、人類は退化する"

    "それぞれの才能に応じた能力が自由に発揮できる社会を目指す"

  • 孫文のことは高校の歴史教科書程度の知識しかなかった。
    当然以前から興味を持っていたから読んだ訳だが、本書を読了してあらためて日本の近代史を知る上でも、孫文は日本人はもっと良く知らなければならない人だと確信した。

    1900年代の前半の日本、中国、朝鮮の近代史の逸話を掘り下げて行くと、三国のそれぞれが自国の輪郭を明確にして自我を確立しようとすればするほど、お互いの対比を必要としそれを通じてかえって相手の存在が際立つという印象を受ける。人々の交流という「つながり」という関係もあり、一方で民族を強調すれば他民族を参照相手とせざるをえない「排反」ともいうべき関係もあるということだ。

    「(孫文は死ぬ直前に日本に立ち寄った際)十一月二十八日、日本への遺言とも言うべき演説を行っている。演題は「大亜細亜主義」である。・・・『日本民族は、すでに一面欧米の覇道文化を取り入れると共に、他面、アジアの王道文化の本質をもっているのであります。今後日本が世界の文化に対し、西洋覇道の犬となるか、あるいは東洋王道の牙城となるか、それは日本国民の慎重に考慮すべき事であります。』そして、『日本と中国が争ってはいけない』と説いた。」

    多くの「日本人」に助けられ、一方で「日本」に再三裏切られ続けた革命家の一生は実に生々しい。本書を読むと欧米とも関係の深い孫文が、常に日本とのつながりの中で生きたことを知ることができる。

  • 孫文の人となりを知りたく、香港旅行の前に、この本を読みました。
    政治的見地から孫文を考察した側面が強いですが、孫文と日本人との密接な関係がざっくりと知ることができてよかったです。ただ、舛添さんの主観文を排除して、もっと孫文の事に触れて欲しいと思いました。

  • 残念ながら、よくわからなかった。実感を以って理解できなかったと思う。

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著者プロフィール

舛添要一(ますぞえ・よういち)

 1948年、福岡県に生まれる。1971年、東京大学法学部政治学科を卒業し、同学科助手。パリ大学現代国際関係史研究所客員研究員、ジュネーブ高等国際政治研究所客員研究員などを歴任。1989年、舛添政治経済研究所を設立。2001年、参議院議員選挙に出馬し、168万票を得て当選。 2005年の自民党「新憲法草案」のとりまとめに際しては中心的な役割を務め、2006年からは参議院自民党の「ナンバー3」政策審議会長を、2007年からは厚生労働大臣をつとめる。2014年、東京都知事に選出される。
 著書には、『母に襁褓をあてるとき―介護闘い日々』(中公文庫)、『内閣総理大臣―その力量と資質の見極め方』(角川oneテーマ21)、『永田町vs.霞が関』『日本新生計画』『日本政府のメルトダウン』『憲法改正のオモテとウラ』(講談社)などがある。

「2014年 『母と子は必ず、わかり合える 遠距離介護5年間の真実』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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