前世探偵カフェ・フロリアンの華麗な推理

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041103616

作品紹介・あらすじ

うらぶれた小路の突きあたりに、妖しげな明かりを放つバーが一軒-。オネエ系ママが人生の因縁に悩む人々を救う!横溝賞作家の新ユーモア・ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 繁華街の大通りから一本裏に入った、小路のおくにひっそりとあるお店。
    扉の取手はグロテスクな人物の胸像、色褪せた赤い扉のペンキは剥げかけていて。
    そんなカフェ・フロリアンは一歩店内に入ると豪奢なシャンデリアにケチャダンスの音楽が流れる不思議なお店だった。
    ママのショウは長身のドレスを纏った男性で、いくつもの前世の記憶があるという。

    5年前に行方がわからなくなった祖父を待つ母娘の前に現れた5歳児の男の子
    25年前に山間の農家で起きた事件とその被害者の記憶のある彼女
    幕末の暗殺事件に巻き込まれた青年の記憶がある地井、事件の真相とは
    クレーム処理係の仕事、帰宅すれば妻に料理から洗濯までさせられる日々の寺見。何度も夢に見る勇壮な戦国の武人は自分なのか
    間もなく90歳を迎える祖母が言い出したお願いとは

    前世というだけで、これだけいろいろな物語があるのかー!
    過去の未解決事件、幕末の暗殺事件。
    そして前世が伝えようとしている、今の幸せ。
    ショウママの手助けが絶妙。
    これから前を向いていこー!という気持ちになる。
    ただなぜママがオネエの必要があるのかは謎。続編あるのかな?

  • ほんわかとしみじみとぞわぞわがバランスよくてとても読みやすくて面白かった。これは続編期待!
    ショウさんのチャーミングでいて頼れる感じ好き。マナさんの事ももう少し詳しく知りたい。

  • ある地方都市の裏通りの突きあたりに、知る人ぞ知るカフェ・フロリアンがある。
    絢爛豪華な内装、ちょっと時代遅れのBGM、女装のママ。
    前世の因縁と現世の謎を解き明かすゴージャスな前世探偵が誕生!
    (アマゾンより引用)

  • いくつもの前世の記憶を持つゲイバーのママとその店にやってくる前世絡みの悩みを持つ人々による少し不思議なミステリー。どの話も「前世が見える」という設定をうまく活かしていて面白かった。文章も読みやすくさくさく読めました。この作品のラストが「また逢う日まで」なのが、内容的にもなんかいいなあと思いました。

  •  カフェ・フロリアンのママ(男)は、自分の前世が見えるという。
     そんなママのところに、前世絡みの悩みを持った人々が訪れては、相談をする。
     自分の前世は見えるけれど、人の前世まで見えるわけではなくて、でも話を聞いて、推理をしたり問題を解決したりするお話。

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     私自身が、歴史とか興味ないので、戦国時代とか明治のころとか、古い時代のはちょっとよく分かんなかった…。
     そんなに昔じゃない時代のは、まぁおもしろかった。
     1話目と2話目が好き。

     タイトルに『探偵』とか『推理』て入ってるし、帯にも『ユーモア・ミステリ』てあったから、ジャンルを『ミステリ』にしたけど、正直、ミステリではなかったかな。

     あと、主人公であるママがオネエという設定なんだから、もうちょっとその設定を活かせばいいのに、と思う。

  • 前世が見えるショウママ(オネエ)が切り盛りするゲイバー・カフェフロリアンには、前世絡みで悩む人々が相談に訪れる。
    ショウちゃんは自分の前世の記憶があるだけで、他人のは見えないんだけど、調査力と推理で何とかしてくれちゃう。
    装丁と設定からラノベっぽいのかなーと思ったのですが、そこは大村さん、結構ネタは重くてイイカンジ。
    続き出ないのかなー♪

  • 探偵だのミステリだの書いてありますが、別にジャンルミステリではないですね。

    自分の前世が見えるというカフェ・フロリアンの店主ショウさんが、同様に前世が見えてしまった人の話を聞いて問題解決の手伝いをするという話。
    キャラクターや文体も合って面白いし読みやすい。

    ただ、短編集なのでどうにも合わない話はあります。「虐げられた男は逆襲する」この話だけは違和感がとんでもない。この話さえなければなあと思う程度には合わない。

  • 最近 前世とかそういうのをよく読んでいる。何か呼ばれているんだろうか。

  • (収録作品)キサブロー、帰る/ロスト・ヴィレッジ/僕が殺された日/虐げられた男は逆襲する/また逢う日まで

  •  カフェ・フロリアンのマスター・ショウは前世の記憶があるという。
     そんなショウのもとに、前世の記憶に悩まされる人々が相談にやって来て……。

      
    「調査の結果、前世の記憶だと思われていたものは勘違いであった。
     やはり前世なんてものはなかったのだ!!」

      
    ……といった、『特命リサーチ200X』のような展開だったらどうしよう、と思ってましたが、前世の記憶が本当だった、としないと説明がつかないような展開で一安心。いやー前世って、ほんとにあるんですね。不思議でいい話や。

      
    【キサブロー、帰る】
     おじいちゃんのキサブローの記憶を持ってやって来たアサバテルト君(5才)がかわいい。
     とぼけたようなユーモア風味ながら泣かせる感動作。

      
    【ロスト・ヴィレッジ】
     25年前、山中の集落で起きた連続殺人事件の記憶。
     前世の記憶の断片が一つ一つつながって真相が明らかになっていく展開。ミステリーの醍醐味ですな。
     前世の記憶が幻のように現実化しているシーンも不思議。


    【僕が殺された日】
     文明開化期の藩閥政治やら政商やら自由民権運動やらのごたごた。
     生きるのが嫌になるような重苦しい事件を扱っている。
     思えば、この頃の日本と今の日本は非常に似ている。

      
    【虐げられた男は逆襲する】
     非常に教訓的な話。
     結末は一件落着のハッピーエンド。

      
    【また逢う日まで】
     いい話。ミステリーというより、藤子・F・不二雄 先生言うところの「すこし・不思議」なファンタジー小説みたい。

      
     そういえば私は前世の記憶はないなあ。
     今世にどう影響しているんだろうか。
     幼い頃より、前世や霊感やそれに類する経験は全くないけど、熱心な前世及び超常現象肯定派である私なのであった。
      http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20140619/p1

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著者プロフィール

1965年岩手県生まれ。中央大学文学部卒。2007年『首挽村の殺人』で第27回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、作家デビュー。他の著作に『死墓島の殺人』『共謀』『存在しなかった男』『奇妙な遺産 村主准教授のミステリアスな講座』などがある。

「2016年 『梟首の遺宝 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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