俺の妹がこんなに可愛いわけがない あやせif (1) (角川コミックス・エース)

  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (180ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041108277

作品紹介・あらすじ

高校3年の6月。俺はあやせから、相談を受ける。「お兄さん、桐乃のことでご相談があります!」あやせは妹の親友で、俺のことを嫌っている……そのはずだったが…!? 『俺の妹』シリーズ新垣あやせルート!

感想・レビュー・書評

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  • いったん完結した「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」シリーズが、「if」を冠しているとは言えナンバリングのある正当なシリーズ続編として再開されることを知り、喜んでいたら追い打ちを食らいました。再開されたシリーズがさらにコミカライズされるというのです。ありがたやありがたや、と拝むようにして手に取ったのでした。

    ところで、この本、巻数の振り方が「あやせif (1)」となっているので、ヒロインごとに作画担当が代わったり、もしかしてコミカライズの可否を判断したりするのでしょうか…。
    と思っていたら、作画担当も掲載誌も違う「黒猫if」のコミカライズの連載が始まりました。ラノベのコミカライズは、原作の人気がある程度確定してからコミカライズが決定され、加えて月刊誌連載のため掲載ペースはさらにゆっくりで、結果原作の完結後数年先まで連載されているパターンが多く、原作と盛り上がりを共有できないという弱みがあります。それに対し、エピソードごとに作画と掲載誌を別にして、並行して連載するというこのやり方はなかなか斬新な解決策ではないかと思います。

    さて、コミカライズで気になるのが作画が誰か。

    「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」シリーズでは、いけださくらさんが作画を担当して通常のコミカライズが4巻、その後、スピンアウトとして今回の企画を先取りしたかのように黒猫エンドが描かれた「俺の後輩がこんなに可愛いわけがない」が6巻、刊行されています。

    そのいけださくらさん作画のコミック版「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」1巻の発売当時に引っかかったのが絵柄でした。
    1巻のいけださくらさんの絵柄に対する当時の自分の感想は、あるかなしかで言えばなし、会う合わないで言えば絶対に合わない、といった感じでした。
    同じような感想を持った人がとても多かったのでしょうか、2巻の後書きで「キリのいいところで「支切り直し」(原文ママ)をした」との記述があって、その頃から絵柄が大幅に変わりました。本編のコミカライズには間に合わなかったようですが、新たな絵柄がこなれてきたと思しき「俺の後輩がこんなに可愛いわけがない」のほうは絵柄に対する拒絶反応がなかったのか、6巻までかけてきっちり京介と黒猫のハッピーエンドを描き切ってくれました。

    そんな体験を下敷きに絵柄を見ると、渡会けいじさんの絵は今風の安定した絵柄で、崩すときも動きのあるポーズも、見せ場となるヒロインの表情も文句のつけようがありません。
    表紙カバーイラストのあやせを見るだけでも同意してもらえると思いますが、amazonの商品ページの「出版社より」にあるイラストを見れば絵柄の素晴らしさは同意してもらえるだろうと思います。

    渡会けいじさんは10年以上実績を積み上げてきた方のようで安定ぶりも納得します。自分は過去作品を調べてみて「鴨川ホルモー」の原作を購入するという斜め上の暴挙に出てしまいました。

    ストーリーはラノベ版を忠実になぞっていて、この巻はラブタッチ事件、誤解が解けて京介の部屋で一緒にエロゲ、秋葉原デートで沙織と遭遇、夏コミデートで加奈子・黒猫と遭遇、帰路に告白の5話。
    どのページにも「ラブリーマイエンジェルあやせたん」が躍動していますし、包丁を握って突進してくるシーンや京介に見事な後ろ回し蹴りを決めているシーンなどのご褒美もたっぷり。

    このクオリティで2人が交際を始めてから、ゴールインするまでの2巻以降も描き切ってもらえれば、と思います。
    今のところ、自分の中では、内容の薄さが気になった原作よりはるかに高評価です。


    巻末には、原作者伏見つかさが書き下ろした掌編「あやせ、楽しい趣味を見つける」が掲載されています。
    あやせが趣味としてキックボクシングをはじめ京介が戦慄するというまあ他愛もないお話ですが、さすが原作者だけあってあやせifの読者が期待しているものがよくわかっていらっしゃいます。
    大サービスだとは思いますが、文庫に収録されない短編や掌編がたくさんある状況って結構困りますよね。

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著者プロフィール

電撃文庫『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』『エロマンガ先生』著者。

「2022年 『エロマンガ先生(13) エロマンガフェスティバル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

伏見つかさの作品

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