火喰鳥を、喰う

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 542
感想 : 86
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041108543

作品紹介・あらすじ

選考委員、激賞!令和初の大賞受賞作!
「恐怖と謎がしっかりと絡んでいる。ミステリ&ホラー大賞にふさわしい」――有栖川有栖氏
「謎への引きこみ方が見事。読了後は心地よい酩酊感に襲われました」――辻村深月氏

信州で暮らす久喜雄司に起きた二つの出来事。ひとつは久喜家代々の墓石が、何者かによって破壊されたこと。もうひとつは、死者の日記が届いたことだった。久喜家に届けられた日記は、太平洋戦争末期に戦死した雄司の大伯父・久喜貞市の遺品で、そこには異様なほどの生への執着が記されていた。そして日記が届いた日を境に、久喜家の周辺では不可解な出来事が起こり始める。貞市と共に従軍し戦後復員した藤村の家の消失、日記を発見した新聞記者の狂乱、雄司の祖父・保の失踪。さらに日記には、誰も書いた覚えのない文章が出現していた。「ヒクイドリヲクウ ビミナリ」雄司は妻の夕里子とともに超常現象に造詣のある北斗総一郎に頼ることにするが……。 ミステリ&ホラーが見事に融合した新鋭、衝撃のデビュー作。

感想・レビュー・書評

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  • 戦争中に死んだ貞市の日記が見つかり、その日記が見つかる前に墓の貞市の名前が刻まれていた部分が削られていた。
    そこから物語は始まる。
    貞市の「生きたい」という思いが日記に「籠る」その力により、貞市が死んだ現実と生きている現実がぶつかり合いどの現実が本当になるのか?

    最後は貞市が生きている現実で娘のチャコがいるほうが現実になっていたが、そのチャコが悪夢を見るというので相談していた相手が北村総一郎であった。妻の夕里子を手に入れる為に貞市の日記の思いを利用し、もう一つの雄司がいた現実を夢に変えた。

    最後に現実と夢が逆転し貞市が生きているほうが現実となってしまった。
    誰の視点かにより現実と夢が入れ替わる為結局強い方が勝ってしまうのかと思いました。

  • 主人公雄司は南方で戦死した大伯父久喜貞市の日記を手にする。読み進めると死者の日記に籠る執念が生と死を裏返し現実の世界を侵食する。死者の生存に不都合な人間が次々消えていく狂気の世界。

  • ジワジワとくる怖さはあったけど、集中して読めてないせいかいまいちよくわからなかった。

  • ある日起きた二つの異変。ひとつは墓が何者かによって傷つけられた事。もうひとつは七十年以上前の死者の日記が届けられた事…

    現実か夢かわからなくなる。このお話の背景はお盆過ぎの八月でリアルに蒸し暑い感覚が感じられました。ジャパニーズホラーは怖い。

  • この表紙、このタイトル!!読まない訳にはいかないっ!!

    界隈で騒がれてる「ミステリーかホラーか問題」はそういう人達に任せるとして、この作品「引きの強さ」がもはや籠りなのではないかとね。
    終盤に掛けての後片付けみたいなのはちょっと不満には思うけど、全体的に疑心暗鬼な状態を主人公とともに追体験出来るので読んでてエンターテイメントを感じた。

  • 「あまり怖くない」「ホラーみがない」といったレビューを複数見かけたが、何がどうしてこうなったのかがいっさい書かれないので、個人的にはとても怖かった。
    ミステリ的には解決するのだが、そちらは小ネタでメインはホラー。その意味での、たとえば「○○の因縁だったのです!」的な解決がないのだ。
    それが悪いとは思わない。こういう話もあっていいし、「理不尽な怖さ」というのはすぐれて現代的とも言える。
    「展開が遅い」という評が結構あって、受賞時の審査員のそれは改稿前だからだろうが、刊行後のバージョンをそう評しているのは、もしかしたらホラー畑の人たちなのかも。刑事たちがコツコツ捜査していく系の小説を読みつけている向きには、特段気になるほどではないと思う。

    2021/12/28読了

  • ホラー&ミステリーという事だが…ミステリー…??というのが正直な感想。今作の謎がミステリー用の謎というなら殆どのホラーはミステリーになってしまう気も。
    ホラーとしては大伯父の日記から始まる怪現象、悪夢、スプラッター、人怖要素と色々詰まっていて良い(物凄く怖いとまではいかなかったが…)
    「ヒクイドリ ヲ クウ ビミナリ」の文言とヒクイドリの姿の描写の不気味さも良い

    しかし文章で「保」(※祖父の名前)「祖父の保」等主人公目線なのにその呼び方?と思う呼称があったり、妻の特殊能力(霊感とはまた別の描写)と舞台上に唐突とも言える現れ方をする霊能者の北斗、北斗はどうやって〇〇に干渉した?などが気になったり。良くも悪くも「映画の脚本っぽいな」とも思う。

    そして「ヒクイドリ ヲ クウ ヤムナク」で思ったが、大伯父の日記にあった「ヒクイドリ」は結局〇〇の喩えではなかったのか…?というモヤッと感も。その想像も含めて後味悪く仕上げたのだろうか

  • 大好きなゾワっとする感じがありました。
    この本から、そのゾワっと感を求めてホラーや、ミステリーを読んでいますが、なかなか出会えていません。

  • ホラーの怖さは然程でもなかったけど
    世にも奇妙な的な怖さがあった。
    私の存在するこの世界は、オモテなのか裏なのか。
    そう考えると、寒気がしてくる。

    途中出てくる少女が最後まで誰なのか分からなかったので、放置か?と思ってたところ最後にきっちり回収でゾワっとした。

    太平洋戦争の話や南方のラバウルの現地の話など大好きなので、あっという間に読了。
    読みやすくて面白かった。

    表紙の火喰い鳥の絵があまりにもおどろおどろしいので空想上の鳥なのかと思ったら、福岡市動物園にいるそう❗️きっと見てるはずだけど全く記憶なし。この本を読んだ後に見たら、ただの南国の鳥以上の興味が持てて楽しいかも。

  • カテゴリをミステリーにするかホラーにするか迷ったが、怪異がここで終わったと考えていいものかどうかという点でホラーに入れることにした。70年もの時を経て遺族のもとへ戻ってきた戦地からの日記が平穏だった日常を粉々に打ち砕くものであろうとは、よもや思わなかっただろう。互いの存在をかけて、まさに命がけの戦いを繰り広げたわけだが、執念というべきかエゴというべきか、個人としての願いがこうもたやすく世界を変えてしまうのかと思うと恐ろしい。そして彼女にとっては、はたしてどちらが幸せな道だったのか……。

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著者プロフィール

1974年生まれ。長野県出身。「火喰鳥」で、2020年、第40回横溝正史ミステリ&ホラー大賞・大賞を受賞。同作を改題した『火喰鳥を、喰う』でデビュー。

「2022年 『火喰鳥を、喰う』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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