十六歳のモーツァルト 天才作曲家・加藤旭が遺したもの

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041112205

作品紹介・あらすじ

作曲家・池辺晋一郎から才能を賞賛された少年は、
幼少時から500曲を作るも、脳腫瘍で世を去った――
栄光学園同級生に影響を与え、病に向き合う人々を
勇気づけた〈永遠の十六年〉をたどる感動のノンフィクション!

「模倣がなく、すべてがオリジナルだ」
「目の前の風景を描くように音を紡いでいる」

幼少期から類いまれな作曲の才能に恵まれた加藤旭は、
音楽家から「モーツァルト以上の才能」と評され、将来を
嘱望される存在だった。しかし、栄光学園(神奈川県)進学後、
脳腫瘍を発症し、全身にがんが転移する悲劇に見舞われる。
宮沢賢治の童話に影響を受けた旭は、失明しながらも
オリジナルCDを世に残そうと、周囲の支えの中で一度
遠ざかった音楽に再び向き合う――。

序章  小さな天才作曲家
第一章 クレヨンの五線譜
第二章 広がる音楽の世界
第三章 発病
第四章 余命宣告
第五章 A ray of light(一筋の希望)
終章   旅立ち

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  • 幼少期から音楽の神童として500曲以上の作品を作曲し今後の成長が期待されるも、原因不明の脳腫瘍によって16歳という若さで夭折した青年、小林旭の生涯を巡るノンフィクション作品。

    その才能は、池辺晋一郎などが絶賛しており、編曲はされているもののクラシック演奏家らによる演奏動画を見るにつけ、非凡なものであったのは間違いがないと感じた。大袈裟ではなく、彼が家族や友人、ピアノやバイオリンを教わった音楽教師らなど、周囲の人間に見せた優しさは無私のものであったのだろう。夭折した彼について語る全ての人の言葉にそれは示されており、胸を打つ。

    「今を生きる」というのは極めて手垢の付いた表現であり、そうした言葉を使うのに躊躇がないわけではない。しかし、そうとしか言えない思いを読了して抱いたのが正直な気持ちである。若き作曲家の魂が安らかに眠らんことを。

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著者プロフィール

1964年滋賀県生まれ。88年毎日新聞社入社。カイロ、ニューヨーク両支局長、欧州総局(ロンドン)長、外信部長、編集編成局次長を経て論説委員。2014年、日本人として初めて英国外国特派員協会賞受賞。『柔の恩人 「女子柔道の母」ラスティ・カノコギが夢見た世界』(小学館)で第18回小学館ノンフィクション大賞、第23回ミズノスポーツライター賞最優秀賞をダブル受賞。著書に『十六歳のモーツァルト 天才作曲家・加藤旭が遺したもの』(KADOKAWA)『踊る菩薩 ストリッパー・一条さゆりとその時代』(講談社)など。

「2023年 『中世ラテン語の辞書を編む 100年かけてやる仕事』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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