- 本 ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041115503
作品紹介・あらすじ
嵐の夜、「ある仕事」を終えた男たちを乗せて一台の乗用車が疾走していた。峠に差し掛かった時、土砂崩れに巻き込まれて車は横転。仲間の一人は命を落とし、なんとか生還した五人は、雨をしのごうと付近の屋敷に逃げ込む。しかしそこは不気味な老婆が支配する恐ろしい館だった。拘束された五人は館からの脱出を試みるが、いつのまにか仲間の中に「化け物」が紛れ込んでいるとわかり……。怪異の正体を見抜き、恐怖の館から脱出せよ!横溝正史ミステリ&ホラー大賞受賞作家が放つ、新たなる恐怖と謎。
感想・レビュー・書評
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台風15号が関東・甲信越を中心に襲った日、その車は潰れて山奥で足止めされました。
乗っていた者のうち、白石が圧し潰されて死亡。
その車に乗っていたのは強盗たちでした。内通者の手引きにより宝石店で八十カラットのダイヤモンドを奪い逃走中でした。
するとそこにあった民家から金崎一郎と二郎という兄弟と母親らしき老女が出てきて、家に招き入れてくれてコーヒーを出してくれました。
すると皆、昏睡状態に陥りました。
コーヒーには睡眠薬が入っていたのです。
彼らは目を覚ますと自分たちは車に乗り込んだときは確かに五人だったのに、一人増えて六人になっていることに気が付き誰かがこの土地の「やまのめ」に化かされているのだと言い出します。
「われわれの中にやまのめがいる」。
そして金崎家はまるで山姥一家でした。何十人という遭難者を捕らえて金品を奪い殺していたのです。
彼らは捕らえられて、その後はどんどん死体が増えていきます。
奪ったダイヤも消えました。
五人だったのが六人になったのはなぜか…?
本当に「やまのめ」はいるのか…?
ぞくぞくする、とても気持ちの悪い話でした。
でもとらえ方によってはコミカルでもあります。
死んだのは全員悪人でしたから。 -
仕事を終えた仲間たちと車で逃走中に土砂崩れに巻き込まれる…
ここから奇妙な物語は、始まる。
車に同乗してた者たちが、突然現れた兄弟に屋敷へと導かれ…
そこには、母だと名乗る不気味な老婆もいて彼らに拘束されてしまう。
そこから脱出しようとするそれぞれの行動と思惑。
仲間たちは、5人なのか、6人なのか…。
やまのめが、人間に化けて紛れ込んだのだという説。
やまのめとは、水の面で自分の目だと思い、それぞれが常軌を逸した行動をとる。
果たして、ほんとうのやまのめとは。
やまのめの逸話とザバラという果実。
最期までこのザバラのみが誰かの手の中にある怖さにホラー感が増す。 -
やまのめとは?の一冊。
嵐の夜、事故った、わけありの男たちがたどり着いたのは薄気味悪い老婆一家が住む山荘。
シチュエーションバッチリ、ゾクゾクの展開。
そして男たちは5人のはずなのになぜか6人に。
その増えた1人は誰なのか、それは人に紛れ込むという怪異、やまのめなのか…とホラー度が一気に増して面白い。
炙りだされていく醜い心。
それを映し出すかのような幾つもの目。
常に誰かを見つめているような恐怖感がゾワリで良かった。
そしてバッチリ決まったかのようなラスト。
ホラーはやっぱりこうこなくちゃね。
サクサクと読めた嵐の惨劇。-
くるたんさん。おはようございます♪
くるたんさんのレビューで知って登録したのですが、これはきました!
怖いというか、なんとも気持ちの...くるたんさん。おはようございます♪
くるたんさんのレビューで知って登録したのですが、これはきました!
怖いというか、なんとも気持ちの悪い話でした。
可愛いうさぎの絵本を読まれていたかと思えば、こんな本も読まれるのですよね。
五人しかいないのになぜ六人になったのかが、すごく知りたくて読みました。2022/03/28 -
まことさん♪おはようございます♪
興味を持って読んでいただいてありがとう♡
たしかに気持ち悪い!視点が変わっていくのも惑わされましたね。...まことさん♪おはようございます♪
興味を持って読んでいただいてありがとう♡
たしかに気持ち悪い!視点が変わっていくのも惑わされましたね。
最後もゾッときました!2022/03/28
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何か裏がある6人組が事故で立ち往生し、親切に近くの家に迎えられたと思ったら、その一家に捕えられる羽目になった。そして死体が次々に増えていく。
人に紛れ込む山の化け物【やまのめ】とは一体何なのか。
迷いなく人を殺せる異常者が目の前にいる恐怖と、なぜか自分達の仲間が増えていることへの疑い合い。
謎が謎を呼んでますます面白くなる。
誰が犯人なのか気になりながら、6人の一人一人の話で進むので、徐々に真実が分かってくるのが快感になる。
最後の終わり方もなかなかいい味を出している。
二度読み必須な作品。 -
❇︎
やまのめの六人/原浩
『火喰鳥を、喰う』原浩さん作で、
二度目に手に取った小説。
ホラーか伝承か、それとも殺戮が繰り返される
ミステリーか。
二転三転するストーリーに、民俗学をホラー的な
要素として組み込んだ小説というのでしょうか。
人は己自身の醜い欲求に飲み込まれ、
怯えて追い詰められていく。 -
ちょっと気持ち悪い話。ホラーに分類されるのかな。ただただ殺し合っているシーンが多くてうんざり。結局「やまのめ」が何なのかよくわからずじまい。消化不良気味だ。
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一日でイッキに読み切りました。
土砂崩れで車が大破し、民家に身を寄せることになった6人。
しかし、次第にとある違和感を感じていた。
その違和感とは
「メンバーが1人多いこと」。
地元には『やまのめ』という人間に紛れる怪異の言い伝えがあった。
なぜ・いつのまに一人増えたのか。
本当に『やまのめ』は存在するのか。
怒涛の展開とほどよいホラー感でとても読みやすかったです。 -
やまめは鏡に映った自分であり、誰もが人を疑い始めるとやまめは何もせずとも人は疑心暗鬼になり裏切っていく様が描かれていた。
最後も財産を一人占め出来そうなところでやまめに阻まれてしまった。
とても面白かった。
著者プロフィール
原浩の作品






たしかに全員悪人!
そこをやまのめに絡めて、誰が⁇と読ませる展開でしたね。
老婆も何気にパワフルでびっくりしました。
これ...
たしかに全員悪人!
そこをやまのめに絡めて、誰が⁇と読ませる展開でしたね。
老婆も何気にパワフルでびっくりしました。
これ、表紙も気持ち悪いですよね。
表紙も気持ち悪かったです。
最後は面白かったですよね。
まさか、ああいう展開で終わるとは、思いもしませんでした。
で...
表紙も気持ち悪かったです。
最後は面白かったですよね。
まさか、ああいう展開で終わるとは、思いもしませんでした。
でも、六人目の真相は、予想外でした。
何か論理的なものを期待していたので。