やまのめの六人

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 466
感想 : 55
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041115503

作品紹介・あらすじ

山道で横転した乗用車から生還した灰原、山吹、緋村、紺野、紫垣の五人。近くの屋敷に逃げ込むが、そこは不気味な老婆が支配する恐ろしい館だった。さらに彼ら五人のなかに「偽物」が紛れ込んでいるとわかり……

感想・レビュー・書評

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  • 台風15号が関東・甲信越を中心に襲った日、その車は潰れて山奥で足止めされました。
    乗っていた者のうち、白石が圧し潰されて死亡。

    その車に乗っていたのは強盗たちでした。内通者の手引きにより宝石店で八十カラットのダイヤモンドを奪い逃走中でした。

    するとそこにあった民家から金崎一郎と二郎という兄弟と母親らしき老女が出てきて、家に招き入れてくれてコーヒーを出してくれました。
    すると皆、昏睡状態に陥りました。
    コーヒーには睡眠薬が入っていたのです。

    彼らは目を覚ますと自分たちは車に乗り込んだときは確かに五人だったのに、一人増えて六人になっていることに気が付き誰かがこの土地の「やまのめ」に化かされているのだと言い出します。
    「われわれの中にやまのめがいる」。

    そして金崎家はまるで山姥一家でした。何十人という遭難者を捕らえて金品を奪い殺していたのです。
    彼らは捕らえられて、その後はどんどん死体が増えていきます。
    奪ったダイヤも消えました。
    五人だったのが六人になったのはなぜか…?
    本当に「やまのめ」はいるのか…?


    ぞくぞくする、とても気持ちの悪い話でした。
    でもとらえ方によってはコミカルでもあります。
    死んだのは全員悪人でしたから。

    • くるたんさん
      まことさん♪
      たしかに全員悪人!
      そこをやまのめに絡めて、誰が⁇と読ませる展開でしたね。
      老婆も何気にパワフルでびっくりしました。


      これ...
      まことさん♪
      たしかに全員悪人!
      そこをやまのめに絡めて、誰が⁇と読ませる展開でしたね。
      老婆も何気にパワフルでびっくりしました。


      これ、表紙も気持ち悪いですよね。
      2022/03/28
    • まことさん
      くるたんさん♪
      表紙も気持ち悪かったです。
      最後は面白かったですよね。
      まさか、ああいう展開で終わるとは、思いもしませんでした。
      で...
      くるたんさん♪
      表紙も気持ち悪かったです。
      最後は面白かったですよね。
      まさか、ああいう展開で終わるとは、思いもしませんでした。
      でも、六人目の真相は、予想外でした。
      何か論理的なものを期待していたので。
      2022/03/28
  • 仕事を終えた仲間たちと車で逃走中に土砂崩れに巻き込まれる…

    ここから奇妙な物語は、始まる。

    車に同乗してた者たちが、突然現れた兄弟に屋敷へと導かれ…
    そこには、母だと名乗る不気味な老婆もいて彼らに拘束されてしまう。

    そこから脱出しようとするそれぞれの行動と思惑。
    仲間たちは、5人なのか、6人なのか…。

    やまのめが、人間に化けて紛れ込んだのだという説。
    やまのめとは、水の面で自分の目だと思い、それぞれが常軌を逸した行動をとる。

    果たして、ほんとうのやまのめとは。
    やまのめの逸話とザバラという果実。
    最期までこのザバラのみが誰かの手の中にある怖さにホラー感が増す。

  • やまのめとは?の一冊。

    嵐の夜、事故った、わけありの男たちがたどり着いたのは薄気味悪い老婆一家が住む山荘。
    シチュエーションバッチリ、ゾクゾクの展開。

    そして男たちは5人のはずなのになぜか6人に。
    その増えた1人は誰なのか、それは人に紛れ込むという怪異、やまのめなのか…とホラー度が一気に増して面白い。

    炙りだされていく醜い心。
    それを映し出すかのような幾つもの目。

    常に誰かを見つめているような恐怖感がゾワリで良かった。
    そしてバッチリ決まったかのようなラスト。

    ホラーはやっぱりこうこなくちゃね。
    サクサクと読めた嵐の惨劇。

    • まことさん
      くるたんさん。おはようございます♪

      くるたんさんのレビューで知って登録したのですが、これはきました!
      怖いというか、なんとも気持ちの...
      くるたんさん。おはようございます♪

      くるたんさんのレビューで知って登録したのですが、これはきました!
      怖いというか、なんとも気持ちの悪い話でした。
      可愛いうさぎの絵本を読まれていたかと思えば、こんな本も読まれるのですよね。
      五人しかいないのになぜ六人になったのかが、すごく知りたくて読みました。
      2022/03/28
    • くるたんさん
      まことさん♪おはようございます♪

      興味を持って読んでいただいてありがとう♡

      たしかに気持ち悪い!視点が変わっていくのも惑わされましたね。...
      まことさん♪おはようございます♪

      興味を持って読んでいただいてありがとう♡

      たしかに気持ち悪い!視点が変わっていくのも惑わされましたね。

      最後もゾッときました!
      2022/03/28
  • 何か裏がある6人組が事故で立ち往生し、親切に近くの家に迎えられたと思ったら、その一家に捕えられる羽目になった。そして死体が次々に増えていく。

    人に紛れ込む山の化け物【やまのめ】とは一体何なのか。
    迷いなく人を殺せる異常者が目の前にいる恐怖と、なぜか自分達の仲間が増えていることへの疑い合い。

    謎が謎を呼んでますます面白くなる。
    誰が犯人なのか気になりながら、6人の一人一人の話で進むので、徐々に真実が分かってくるのが快感になる。
    最後の終わり方もなかなかいい味を出している。
    二度読み必須な作品。

  • ❇︎
    やまのめの六人/原浩

    『火喰鳥を、喰う』原浩さん作で、
    二度目に手に取った小説。

    ホラーか伝承か、それとも殺戮が繰り返される
    ミステリーか。

    二転三転するストーリーに、民俗学をホラー的な
    要素として組み込んだ小説というのでしょうか。

    人は己自身の醜い欲求に飲み込まれ、
    怯えて追い詰められていく。

  • ちょっと気持ち悪い話。ホラーに分類されるのかな。ただただ殺し合っているシーンが多くてうんざり。結局「やまのめ」が何なのかよくわからずじまい。消化不良気味だ。


  • 一日でイッキに読み切りました。

    土砂崩れで車が大破し、民家に身を寄せることになった6人。

    しかし、次第にとある違和感を感じていた。
    その違和感とは
    「メンバーが1人多いこと」。

    地元には『やまのめ』という人間に紛れる怪異の言い伝えがあった。

    なぜ・いつのまに一人増えたのか。
    本当に『やまのめ』は存在するのか。

    怒涛の展開とほどよいホラー感でとても読みやすかったです。

  • やまめは鏡に映った自分であり、誰もが人を疑い始めるとやまめは何もせずとも人は疑心暗鬼になり裏切っていく様が描かれていた。

    最後も財産を一人占め出来そうなところでやまめに阻まれてしまった。

    とても面白かった。

  • 「一人多い」というホラー。
    章ごとに視点が切り替わるのだが、だからといって語り手のことを掘り下げているわけではないので、結局似たり寄ったりの悪党としか見えない。館の3人の狂気っぷりもいくぶんわざとらしく、結局だれにも共感できず、だんだん減っていくことへの恐怖も感じず終盤へ。
    最後で、そういうことだよねと思わせて、のホラー。

  • 大雨で土砂崩れに巻き込まれて、近くに住んでいる住人に助けられるが…
    大雨、森の中の一軒家、老婆、親切だけど怪しい住人、謎の伝承…
    そして仲間は5人のはずなのになぜか1人多い…??

    ミステリー好きにはとてもたまらない設定
    飽きさせない展開でどんどん読み進められる。

    やまのめはいたのかいなかったのか、、
    結局、正体は人の醜い心を反映する自分自身の問題のような感じだったけど、金崎の章を読んで、やっぱりやまのめはいるんじゃないかと思った。

    レスキュー隊の人たちも実はドス黒い何かを抱えていたとか…?

    はっきりと答えは明かさない、こういうモヤモヤした終わり方が物語をさらに面白くさせてくれていた。

    映像化したら面白そう!

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著者プロフィール

1974年生まれ。長野県出身。「火喰鳥」で、2020年、第40回横溝正史ミステリ&ホラー大賞・大賞を受賞。同作を改題した『火喰鳥を、喰う』でデビュー。

「2022年 『火喰鳥を、喰う』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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