真夜中乙女戦争 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041119013

作品紹介・あらすじ

2022年 映画化決定!!

東京は、あと一分で終わる。愛していると言えないうちに―。

愛って、なんだ。永遠って、なんだ。眠れない夜は、どうすればいい。
この退屈は、虚しさは、どうすればいい。
どうせ他人になるのに、どうして私たちはどうでもいい話をしたがるのだろう。

どうせ死んでしまうのに、どうして今こうして生きているんだろう。
死ぬまでに本当にやりたかったことって、一体なんだったのだろう。

いま、青春小説史上、恋愛小説史上、犯罪小説史上、
最高に過激で孤独、そして正しく、美しい夜更かしが始まる。

感想・レビュー・書評

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  • 2023.11.10 読了 ☆3.4/10.0


    うーん、、、自分には合わなかった。
    でも所々に散りばめられた主義主張や言葉は刺さるものがあったので惜しいところ…


    Fさんの本は『20代で得た知見』がすごく良くて今でも読み返すくらい大切な本です。


    だからこそ期待が大きかったのかもしれない。。。

    ストーリーもよく分からないし何がしたいのかもよく分からない。

    やっぱり分かりやすい言葉、物語が好きなんだろうなぁと、読んだことのないジャンルのこの本を読んで感じた。
    刺さる人には刺さる話だと思います。一概にダメな本とは言い切れない。自分の読解力の問題もあるし最終的には好みだと思う。



    〜〜〜〜〜〜〜〜心に響いた言葉〜〜〜〜〜〜〜〜



    "たとえば友情は離れてからが本番だし、恋愛は好きとか嫌いとか超えてからが本番で、危ない恋愛は誰にも言えなくなってからが本番だとすれば、おそらく結婚は愛してるけどもう好きじゃなくなってからが本番だろうし、ソーシャルメディアはうんざりしてからが本番、仕事は何のためにやってるか分からなくなってからが本番、だなんて言い続けていると、心が死んでしまうから、適宜サボることも大事だということ。
    そして何より、死にたくなってからが人生は本番なのだということ"



    "百かゼロか、黒か白か、みたいな考えはいつか自分も滅ぼしてしまうよ。大体、答えが二択しかない問題は問題設定自体が正しくない。この世に意味はあるようでない、ないようである、そんなどっちつかずのものはたくさんある。深海魚の写真集でも見てみなさい。神様の気まぐれとしか思えない造形の魚がたくさんいるから。あの一匹一匹には意味があったりなかったりする。そんなものは全部ら黒でも白でもない灰色のままで良いと思うんだよ。意味のないものが人類の素晴らしい発明だって気づくのに、君はまだまだ時間が必要だと思う"



    "君が他人の幸福を受け入れられなくて苛々するのは、今の自分の不幸を見つめなくて済むからだよ。他人の粗探しをして他人のことを心の中で叩きまくっていたら、自分のうまく行ってない人生は一旦なかったことにできるから気持ちいいんだよね。まず君はさ、不幸の根源を突き詰めた方が良いんじゃない?それか何かわからないけど、自分が満たされない理由から、人は避けて通れないと思うよ"

  • 中二病と哲学と純愛のトライアングルの中をフラフラ、フラフラしているような作品。
    正直、共感できるところはほとんどなかったが「理解」はできる気がする。排他的で自意識過剰、これは行き過ぎるとこんなふうになるんだろうなと。こどもから大人への転換が上手くできなかった不器用な自分を偽れなかった人間の話なのだろう。

  • ストーリーというよりは今を生きる若者の独白を楽しむものであった。現代が抱える闇を感じ取れる。厨二病的な主人公の陶酔に身を委ねられるかで好き嫌いが大きく分かれる作品じゃないかと思う。個人的には
    雑学の溢れた内容は楽しめたのだが、登場人物に感情移入するのが難しく、皆、お知り合いになりたくないような人達だらけ。
    全体的にカオスであるが、様々な逸話やカルチャーなどワクワク要素は満載だ。

  • 「20代で得た知見」を読んでいないので、それを読むと作者であるF氏の考え方が分かり、この「真夜中乙女戦争」も違って見えてくるのかな、と思い出しました。
    私が大学生の頃はなーんにも考えてなかったです。サークルの雰囲気は好きじゃなかったのでちょっと分かります。結局行かなくなりましたけどね。
    あまりにも主人公が可哀想になっちゃいます。もっと違った考え方が出来れば、人生楽しくなるだろうに。まぁ、それが出来ないから生き苦しいのでしょうね。
    最後はどんでん返しを狙ったのが分かりませんが、よく分からずに終わりました。映画化されると聞いてビックリ!テロ行為?がなかなか酷いので、どう映画化されるのか興味深いですね。

  • 真夜中乙女戦争。
    なんという本に出会ってしまったのか
    この本の感想をインスタに載せるのはいささか無粋だと感じたからこちらで。

    生きるって何。人生って何。
    決められた人生なんてくそくらえだ
    そんなふうな思考がわたしの中になかったわけではないけれど
    その黒を遥かに超えるどす黒さで
    物語は進んでいく。
    わたしの中にあった黒なんて可愛いものだ。
    可愛い、という言葉への感じ方も変わった
    なんて書いてあったかちゃんとは覚えてないけれど
    最悪だ、という言葉も

    なんかなんか
    うまく表現できないけれど
    とんでもない本に出会ってしまったことは間違いない
    衝撃と吐き気がするような気持ち悪さとを
    どちらも兼ね備えて
    賛同とも反対とも言えない
    この表現し難い黒い感情
    わたしにはないものだったしもしかしたら知らない方がよかったものかもしれないけれど
    わたしが感じていた破壊衝動や全てどうだっていいという気持ちは
    文学という世界ではなんと普通でありきたりで
    無力なことだろうか。
    言葉の力をまた思い知った
    もっといろんな言葉を聞きたい知りたい読みたい

  • 「携帯を握り締めても思い出はできない」

    手に入れてもずっと大切にできるものだけが大事なものだと聞いたことがある。
    でも人間はそんなに上等にできていない。
    手に入れようとしても手に入れられないものほど愛おしい。

    青春って、青春の中にいる間は、それが青春だと気づけない。

    猫を飼えば、猫を飼いたかった自分を永久に失うように、なにかを手に入れるということは、なにかを失うのと同義だ。

    どうせ死ぬ。
    どうせ傷つく。
    行きたい所には行ってみる。
    気になる所には飛び込んでみる。
    家にいたって思い出はできない。
    バカげていると思っていたことほどやると楽しい。
    風呂は風呂に入るまでが億劫なように、旅は旅に出た後あんまり後悔しないものだ。
    行って無価値だと知ることも勉強だ。
    何かを失うというのは、何かを失うことを得るということでもある。

    学生の本分は勉強です。
    しかし、取り返しのつかない青春をちゃんと取り返しのつかないものにすることも、ただ一度きりの人生において、重要な勉強であり、学生の本文、使命でもあります。

    何ができるから分からないということは、なんでもできるということ。

    美しいとは、おそらく、外見でも内面のことでもない。
    ただ一つの目的に向かって迷うことも臆することもなく、恐るべき速度で飛んでいく、その行動的な狂気のことだ。
    あるいはその予感を孕む、静的な狂気のことだ。

    自己嫌悪は暇人がすることだ。

    わざわざ誰かに会う理由が一つもない時、廊下や階段の踊り場、駅前のコンビニや裏道で、偶然すれ違う可能性に賭けることの何が悪いのだろう。
    ありえない思いをありえない形で救われたいと願うことの何が悪いのだろう。

    最高なことも最悪なこともいきなり襲ってくるから予定を立てても意味はない。
    仮に予定通りの人生があったとして、誰がそれを必要としただろう。

    幸せになりたいと願う人間が、いつまでも幸せになれない理由を知ってるか?
    今の自分は全く幸せではない、と自分で自分を呪い続けるからだ。

    幸せになろうとすればいつまでも幸せになれないのと同じように、普通の人生や普通の恋愛や普通の生活に憧れた時点で、おまえは絶対にそれを手に入れられない。
    断言してもいい。
    そもそも人間は普通に生きられない。
    普通を望むのは、奇跡を望むに等しい。
    仮に、おまえが完璧に普通に生き了せたとする。
    おまえの人生はその普通を手に入れた時点で終わるだろ。
    あとはそれを守るだけだ。
    確かに尊い。
    でもそれって楽しいか。

    おまえはこうあるべきだ、という台詞には、だからどうしたと言ってやれ。
    SNSなんて無料で見れる他人のクソだ。
    他人と比較してもおまえの価値は上がりもしないし下がりもしない。
    おまえは、自分で自分の値段を決めろ。
    最高の復讐とは幸福に生きることだ、とはスペインの諺だ。
    もちろんここは日本だ。
    昼寝が文化の国じゃない。
    残業が文化だ。
    前に進んでも地獄、後ろに進んでも地獄、立ち竦んでも地獄だ。
    どうなったら幸せかは誰も教えてくれない。
    だから何が幸福か、自分で決めないといけないんだよ。

    そもそも、本当にやりたいことって、三億円あってもなくても、誰も応援してくれなくても、時間が全然なくても其れを本気でやりたい人は勝手に始めてる。

    人は長所で好かれ、欠点によって愛される。

    どうでもいい人にモテることは、モテるとは言わないよ。
    不特定多数にモテることはモテるとは言わない。
    自分が好きな人にちゃんと好かれることが、モテるってことなのであって。

    忘れられたこともあるし、まだ忘れられてないこともあって。
    忘れられなくても、でもどうすることもできないものはやっぱり時間が忘れさせてくれるんだよ。
    時間に強制終了させられるの。
    もしずっと怒ってたら、きっと身体が持たない。
    たまに起こり続ける人っているけど、それってきっとすごい辛いことでもある気がする。

    行動したら、失敗するものだ。
    でも行動し続けなければ、何もないままだ。
    この戦略がダメなら、別の戦略に切り替えるまでだ。

    預金も学歴も職歴もフォロワーの数もその他の数字も、目に見えるものなんてのは何も意味はないんだぜ、と黒服は出会ったあの夜、私に言った。
    「目の前の相手に何をしたか、何をしようとしたか、結果、何ができたか。
    それだけがすべてなんだ」と。

    たぶんこの世には、同じものを好きでも、ずっと互いにその事を知らないまま別れてしまう人たちがいるんだよ。

    永遠になれないことは永遠だし、同じになれないことは同じ。

    会いたいのに理由なんているの?

  • 大学生の日常?を書き殴ったような小説。

    最近はこういうのがウケるのかなぁ。
    頑張って半分ぐらい読んだが挫折。
    時間とお金の無駄だった。
    きっと、読む人を選ぶのだろう。

  • 特に好きでは無いけどたくさんの主張が自分の中に残ったように思う。もう五年くらい前に読んでたら今と道を違えていたかもしれない。

  • 恐ろしいくらいに作者が書きたいことを書き殴ってるだけの作品。
    最後まで読んでみたけど「えぇ…(困惑)」という感想に尽きる。思想の押し付けが強いので、嫌いな人は嫌いという感じの作品。

    ただ時折、世間に対してメスを入れるというか、厳しく突き刺すような物言いは割と好きかも。
    「幸せになりたいという人間は自分は幸せではないと呪いをかけている」だとか「はじめましてをいうのが怖くない人はさようならというのも怖くない」とか。

    絶対こういうこと考えてる時点で作者の術中なんだけど、野暮なんだけど黒服は一体何者でどうなったの?

  • Fさんが紡ぐフレーズには独特の魅力がある。
    人生何周目なんだろうと思わせるような、この世の真理を知り尽くし俯瞰で見ている神視点的なものを感じさせるのに、その一つ一つがこれまでの自分の経験や思い出へのフックになり、表現を反芻したり自分の過去と照らし合わせたりしながら読むところばかりだった。
    物語の内容も相まって、孤独に寄り添ってくれるものはやはり芸術や作品だと再認識。

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著者プロフィール

1989年11月生まれ。神戸出身、新宿在住。男。著作に『いつか別れる。でもそれは今日ではない』『真夜中乙女戦争』。

「2021年 『真夜中乙女戦争』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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