怪物メイドの華麗なるお仕事 (5) (角川コミックス・エース)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041126608

作品紹介・あらすじ

アイビーを救うため、魔王城へと乗り込んだスミレたち。猫又VS狼女、アンデッドVS吸血鬼の人外メイド同士の戦いが激化する中、社長に危険が迫る! スミレが魔界に辿り着いた秘密も明かされる、堂々の完結巻!

感想・レビュー・書評

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  • 廃棄処分の憂き目に遭うアイビー、彼女を助ける為にローズは一人で覚悟を必要とする行動に出たのか…。母に顧みられなかった自分、アイビー救出はかつての母へ反抗かのよう
    意外だったのはその計画に社長が関わっていなかった点か。ルーインによる反逆が同時に起こった為に両者はその後の行動を共にしていたのね

    こうして背景が見えてくれば、現魔王による体制に正当性が全く無い事が見えてくる。それは現体制に組み込まれる者達も現状のおかしさに気付けば正しい側に戻れることを意味している
    その一番槍となったのがミュゲだね。かつてのアイビーのように捨てられそうになるミュゲ。境遇が同じだからアイビーはミュゲを助ける事に迷わないし、現体制に完全に心酔しているわけじゃないコニウムもその流れに協力できる

    ただ、その道を進むにはまずミュゲが母親であるソフィーに反抗しなければならない。それは少し前まで母の愛を求めていた幼子には大変な仕事だったろうけど、姉の立ち位置に居るアイビーが母の愛を授けた事で変わった感じなのかな
    ソフィーに対してはっきり拒絶の言葉を発し、アイビーの死を惜しむ言葉を残した。それは親離れが出来た瞬間と言えるのだろうね

    ミュゲに適用されたロジックは狼人間の姿となりスミレを襲うメグにも適用できる
    メグが現体制に付き従うのは居場所を求めてのこと。なら、新しい居場所を提供できるならルーインに従う道理はない
    そのきっかけをスミレが与える流れは良かったね

    リコリスはもう少し単純だったというか、何というか…
    人ではなく王家に仕える。それは敵であれば厄介極まりないけど、状況さえ変えればどうとでもなるタイプ。ある意味迷いを一切抱かずに済むとも言えるけど、それだけに少し拍子抜けする部分はあったかも


    敵対する状況を変える根拠は整った。そして最後に盤面をひっくり返す役柄を与えられたのがスミレですか
    序盤から社長の魔力を辿れたスミレ。それは「センスがある」という理由で片付けられていたけど、ああいった背景が有ったのか……
    魔女から未来を捧げられた子猫がスミレとなって、スミレが魔女の力を介してシンの未来を切り開く。そういった温かい連鎖を感じてしまうね


    家政婦派遣事務所は無くなった。けれど、大好きな人達が一緒に居られる場所が新たに作られた
    一人ぼっちだった黒猫が手にしたものとして最上級の温もりと言えるのだろうね

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