六人の嘘つきな大学生 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041134016

作品紹介・あらすじ

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■■各種ミステリランキングで話題沸騰中■■

『このミステリーがすごい! 2022年版』(宝島社)国内編 8位
週刊文春ミステリーベスト 10(週刊文春 2021年 12月 9日号)国内部門 6位
「ミステリが読みたい! 2022年版」(ハヤカワミステリマガジン 2022年 1月号)国内篇 8位
『2022本格ミステリ・ベスト10』(原書房)国内ランキング 4位


成長著しいIT企業「スピラリンクス」が初めて行う新卒採用。最終選考に残った六人の就活生に与えられた課題は、一カ月後までにチームを作り上げ、ディスカッションをするというものだった。全員で内定を得るため、波多野祥吾は五人の学生と交流を深めていくが、本番直前に課題の変更が通達される。それは、「六人の中から一人の内定者を決める」こと。仲間だったはずの六人は、ひとつの席を奪い合うライバルになった。内定を賭けた議論が進む中、六通の封筒が発見される。個人名が書かれた封筒を空けると「●●は人殺し」だという告発文が入っていた。彼ら六人の嘘と罪とは。そして「犯人」の目的とは――。

怒濤の伏線回収に驚嘆の声続出! 青春ミステリの傑作が、ついに文庫化!

感想・レビュー・書評

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  • 自分にとって2作品目の朝倉さんの作品。
    前回読んだ「俺ではない炎上」が面白かった為、期待に胸を膨らませていた作品。

    物語の舞台は大学生の就職活動、スピアリンクスという会社の最終選考のグループディスカッション。
    最終選考時点で6人が残り、その6人でのディスカッションの末、誰が一人の内定枠に相応しいかを選ぶという物語。
    その最中に何者かが各々への悪事の内通書を密かに有し暴露し足の引っ張りあいが始まり、混乱の最終選考となる。

    物語は緊張感に包まれており面白いのだが、その6人の大学生達の浅い劣等感や薄い競争心が自分には響かなかった。経験上、自分が就活や大学生活をしたことがないからかもしれない。
    想像力も乏しく、そういう意味で臨場感が感じられずに読み終わってしまった。

    大学生にとって就職活動って誰にとっても正当な道なのか?とも感じた。
    自分は18才から働きだした焼鳥屋で当時の社長に自分で生きていく力をつけてもらい、32才で独立し今に至る。自分では今の所最良の人生だと思っている。その育てて頂いた社長には亡くなった今も頭が上がらない。

    そもそも大学に進学する人にとって大学とは当然学びの場でもあるが、大半の人に於いては自分がこの先何を職として、何を志し、何者として生きていくかを見極める期間のような気がしている。
    今や「資格の保有」は当然の行為なのだろうが、本来は就活の為にスキルや自分の長所を磨き「資格」という自分の武器を手にいれる物ではないと感じる。
    就職しその武器やスキルをフルに活用する為に得る物のはずだ。

    ましてや自分を売り込む作業。
    厳しい事を言えば幾ら面接で長所を並べた所で、自分でお金を稼ぎ、自らの足で生きていく営みを経験したことの無い大学生に「仕事」について何か話せる事があるのだろうか?

    この作品を読んでいて全く違う方面へ考えがいってしまった。
    もう何年もすれば50才になる自分は老害と言われてしまうだろうが「仕事」とは「仕える事」と教わってきた。
    それがあっているとも違うとも人各々考え方があるだろう。だが本来の「仕事」という言葉の持つ意味合いはそこにある気がしている。

    この作品は今現在の10代、20代や就活をしてきた人には響く作品だろう。
    自分はそういう意味ではその土俵にも立っていない圧倒的マイノリティーではあるが、だからといってレールを外れた道を歩んできた等とも全く思っていない。
    どの道も棘、どの道も容易くないと改めて感じさせられた。

  • SNS等で面白いと話題だったので、楽しみにしていました!浅倉秋成さんの作品は初めてでしたが、読みやすい文章と先が気になるのとでスラスラ読めました。
    二転三転…まんまと転がされめっちゃ面白かった!のですが、個人的には犯人の動機が少しだけん〜?なのと、最後にもっとガツン!と何かがあるのか?ドキドキ…ん?そういう事か…な感じで読み終わってしまいました。期待値が上がりすぎてしまったのかも?
    浅倉秋成さんの他の作品も開拓していきたいです!

  • 2023.9.28 読了 ☆9.7/10.0


    他者の言動のひとつをピックアップして、その表面だけを見てジャッジすることなんてできない。一部分だけで判断することほど傲慢なことはない


    本書で描かれる本質的なテーマだと感じます。


    私たちは日々、いろんな人のいろんな場面に遭遇するたびに、じっくり検証することなく「どう評価するか」「その人を否定するか」「その人を信頼するか」を決めているのではないでしょうか。
    だけど人間は、「全てが善良で正しい人」と「全てが極悪で間違っている人」に振り分けられるわけではないと思います。


    それを見事に、就活という場面を使って、六人の間で繰り広げられていく会話劇の中であっという間に状況が変化するスピード感、さりげない言動に潜む伏線、見事なまでに緻密に構成された展開で、読者を物語の世界に引き込んでくれます。


    以下は、感じたことと印象に残った言葉の引用

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    ・人間関係においての色眼鏡、先入観、邪推、脚色

    “おそらく完全にいい人も、完全に悪い人もこの世にはいない。
    犬を拾ったからいい人
    信号無視をしたから悪い人
    募金箱にお金を入れたからいい人
    ゴミを道端に捨てたから悪い人
    被災地復興ボランティアに参加したから絶対に聖人
    健常者なのに優先席に遠慮なく腰掛けていたから極悪人
    一面だけを見て人を判断することほど、愚かなことはきっとないのだ。就活中だから本当の自分が炙り出されてしまうのではなく、就活中だから混乱してみんな訳のわからないことをしてしまう。
    一面は、月の裏側の、ほんの一部に過ぎないのだ”

    月は地球に対して常に表側だけを見せているそうで、裏側を地球から見ることは叶わないらしい。
    月の裏側は表側に比べて起伏が大きく、クレーターの多さが目立つらしい。言ってしまえば、ちょっと不細工なんだそうだ。

    人間に対しても同じことが言える。
    見えているのは、その人のほんの一部分。
    それだけでその人の印象というのは大きく左右されてしまうのが怖いところで、人間の性なのかもしれない。


    ・就活のジレンマ

    “人を見極められる訳ないのに、しっかりと人を見極められますみたいな傲慢な態度をとり続けてさ”

    “相手の本質を見抜くなんてね、絶対に、百パーセント、不可能です。できると思うことそれ自体が傲慢なんですよ。面接なんて長く経って一時間かそこらです。そんな短時間で、相手の何が分かるっていうんですか。

    『将来的に何をやらせるのか決まっていないけど、向こう数十年にわたって活躍してくれそうな、なんとなく、いい人っぽい雰囲気の人を選ぶ』
    日本国民全員で作り上げた、全員が被害者で、全員が加害者になる馬鹿げた儀式です。完璧なんて目指せる訳ないんです。どうです?あなたにだって心当たりがあるでしょ?駄目な先輩、駄目な後輩。どうしてこんな奴がこの会社にいるんだろう。そう思ってしまう人の一人や二人。そういう人も見事に入社試験をくぐり抜けてしまうんです。理由は悲しいほどに簡単です。
    確実にいい人を選ぶということが、まったくもって不可能であるから”

  • 浅倉さん2冊目。初読に選んだ『教室が〜』が全然自分に合わずだったので、買おうか迷いました。
    こちの方が面白かったー!
    とにかくロジカル、ロジカル、ロジカルだなあ。
    最近まとめた時間が取れなくて、何回かに分けて読んでしまった自分を後悔^^;
    話や話者がすぐ変わるテンポなので、一気読みする方が良いですね。
    あなたは絶対騙される!みたいな帯に対抗して、騙されないぞ!とずっーーと思いながら読んだけど、騙されるどころか、全然誰が嘘なのか、なんなのかの見立てもできないままラストまでw
    絶対自分で気付けてない伏線あると思い、またまたネットでネタバレ検索!伏線たくさんを理解できた事で、この本の構成の素晴らしさを再認識した私は、やっぱり読解力がないのかもw
    かもというか、ないのですねー。

    面接や就活もそうかもですが、日頃の日常からも、他人の見えてる部分は極一部であり、簡単にあの人こうだあーだと評価したり、決めつけたりしてはいけない、してないつもりだけど、そんな瞬間にこの本を思い出す事にしようと思えた作品読後感。

    最初、中盤、ラストで、6人それぞれへの印象がこんなにも変化する構成は珍しいのではないか、
    浅倉さんすごいですね。
    検索したら、1988年生まれ??ロッテファンのようですね。


    高校野球、県大会の決勝戦の時期。
    甲子園始まると、またこれ読書とテレビ観戦どち優先するか休日迷ってしまうなぁ
    てか、日本の気候どうなってんだか、暑すぎてもう干からびる。熱中症気をつけましょう!

    • 土瓶さん
      暑いですね。溶けそうです。
      溶けました(~_~;)
      暑いですね。溶けそうです。
      溶けました(~_~;)
      2023/07/26
    • なんなんさん
      体温と同じ気温とか、溶けてしまいます(-。-;
      仕事行きたくないー猛暑休暇の祝日にして欲しい。
      体温と同じ気温とか、溶けてしまいます(-。-;
      仕事行きたくないー猛暑休暇の祝日にして欲しい。
      2023/07/27
  • 本作は単行本でも既に読んでおりますが、最近フォロワーさんとの会話で話題にあがったこともあって、この度文庫で再読いたしました。この本は私にとって読書にハマるきっかけとなった1冊でございますので、今回はいつもより長めの感想となりますがご了承ください。

    本作は就活を題材にしたミステリーで、あるIT企業の最終面接に残った6人で心理戦が繰り広げられます。その6人には当初チームとなり、グループディスカッション(GD)に挑むという課題が課せられておりました。そして1ヶ月の準備期間中を経て、急遽人事担当者から選考法の変更の連絡が入る。それは、この「6人の中で誰がこの会社に相応しいかを話し合って決める」というもの。選考当日、6人は絆を確認し合い穏便にことを進めようとするが、部屋に残された封筒に気づく。なんとその封筒には6人の過去の告発文が入っていてという展開。

    まず私がこの作品の中で最も好きな部分は、なんと言っても、就活を題材にしたということです。私自身も就活を経験した身であるので、あの就活の独特な空気感は確かに異常で心理戦の舞台としてはもってこいだなと。もちろん、本作みたいなことをリアルでやると今なら総バッシングくらいそうですが笑

    とにかく就活って、企業側も就活生側も「嘘の仮面」を被ってやり取りしてるように感じるんですよね。特にGDとかだと人と協力しなきゃいけないけど、人を出し抜かなきゃいけないという環境で、本心隠して笑顔でやり取りしたり、無駄に肯定したり、役割主義に徹しようとしたり。就活当時の私もそこに何となく気持ち悪さ感じてました。本作では、その気持ち悪さを見事にエンタメとして昇華してるので、読んでてとてもスカッとしました。

    まぁ、たとえ1ヶ月とはいえ、絆を培ったメンバーに対しての悪意ある告発文の誘惑を振り切って、人を信じれるかどうかを登場人物たちにやらせるのは酷だけど、エンタメとしてはやっぱり面白いんですよね。そして、主人公がどういう行動を取っていくかというところに隠されたメッセージは私のお気に入りポイントです!

    本作を読むと、とことん人を見る目って難しいなと感じさせられます…

    • ネモJさん
      かなさん、こんばんは!

      かなさんの時の就活ってそうだったんですね…
      僕の時も多少はグループワークあったのですが、僕自身が苦手だったこともあ...
      かなさん、こんばんは!

      かなさんの時の就活ってそうだったんですね…
      僕の時も多少はグループワークあったのですが、僕自身が苦手だったこともあって2回受けて断念したんですよね笑

      かなさんは今も研修などでグループワークされてるのですね…
      僕はもうグループワークとは疎遠になっちゃったのですが、グループワークの時に何か心掛けていることとかありますか?
      2023/10/02
    • かなさん
      ネモJさん、おはようございます(^^)
      グループワークが得意な人になりたいんだけれど、
      ちょっとね、私無理なんです…。
      どうしてもしな...
      ネモJさん、おはようございます(^^)
      グループワークが得意な人になりたいんだけれど、
      ちょっとね、私無理なんです…。
      どうしてもしなきゃらない時は
      もうドキドキしちゃって…
      何かを心掛ける余裕はありません(;'∀')
      ひたすら、早く終われぇ~と、
      時間が過ぎてくれるのを待つばかりで、
      ごめんなさいね、
      まったく、参考にならないお返事になってしまいましたね…。
      2023/10/02
    • ネモJさん
      かなさん、こんばんは〜

      いえいえ、リモートワークとかコロナ禍の影響も考えると、グループワークの難易度も高くなってると思いますので、お気にな...
      かなさん、こんばんは〜

      いえいえ、リモートワークとかコロナ禍の影響も考えると、グループワークの難易度も高くなってると思いますので、お気になさらずです!(^_^;)

      あくまで私がGDの経験が乏しかったので、みなさまはどのような体験をしたのかとか色々聞けたら良いな程度の質問でしたので…^_^
      2023/10/02
  • さすが、本屋大賞ノミネート作品。自分の想像を「超越」した面白さだった。
    自分も3年前まで就職活動をしてたため当時のことを思い出し、少し懐かしさを感じました。
    2011年のスピラリンクス最終選考時のエピソードと最後に残ったものが選考に落ちたものに対してインタビューを行う現代編とに別れ交錯していく。
    まずスピラリンクスに受かったのは主人公の波多野ではなく嶌。インタビューをしていたのも同じく嶌であった。そして2011年の主人公である波多野は亡くなっていたのがショックだった。そして告発文書により明かさせる彼らの隠したい過去は衝撃でインタビューでも、反省していていないのかなというスタンスに見えたのが腹が立ったが友人達の告白によりまさかの真実が明らかになるところがとても面白かったです。読み終わるとこの6人のことが好きになるというのがこの作品の醍醐味であり面白さだと思いました。
    「人を見る」と言う事は少なからず自分の中にある偏見を自覚する必要があり間違えることも多い、それにより人生を狂わせてしまう危険性もある。そのことを自覚し人を評価していくことが重要なのだと思った。

    この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
    波多野祥吾:梶原岳人
    嶌衣織:種崎敦美
    九賀蒼太:上村裕翔
    袴田亮:武内駿輔
    矢代つばさ:中島由貴
    森久保公彦:古川慎
    鴻上達章:江原正士
    波多野芳恵:古賀葵
    荒木祐平:畠中祐
    里中多江:櫻川めぐ
    清水孝明:小林裕介

  • ずーっと読みたくて、文庫になるのを待っていた本!!
    一気に読めました!

    飽きさせない、テンポ良く進む、読後感良し。
    波多野くん、亡くなったの悲しすぎる…
    嶌さん、絶対に裏があるタイプ!とか思って読んでてごめんなさい。
    それぞれのインタビューのとき、四人のことを「うわ、こいつらないわー」と思っちゃった私を許してください。
    そんな裏がある人達じゃなくて良かった。
    印象が下がっていく展開が多い中、上がっていくというつくりはすごく良かった。
    ガッカリすることなく読み終われて良かった。

    • マメムさん
      あじょ子さん、お返事ありがとうございます。

      浅倉秋成さんのデビュー作のノワールレヴナントも長編ですが面白いので良かったら是非♪
      あじょ子さん、お返事ありがとうございます。

      浅倉秋成さんのデビュー作のノワールレヴナントも長編ですが面白いので良かったら是非♪
      2023/06/19
    • あじょ子さん
      マメムさん

      ごめんなさい、お返事遅くなりました!
      ノワールレヴナントも気になってたんですよ!
      本屋さんで見つけたら買ってみます!
      他にもオ...
      マメムさん

      ごめんなさい、お返事遅くなりました!
      ノワールレヴナントも気になってたんですよ!
      本屋さんで見つけたら買ってみます!
      他にもオススメあったら教えてください♪
      2023/06/22
    • マメムさん
      あじょ子さん、お返事ありがとうございます。

      ノワールレヴナントの感想を拝見した後で、次のオススメを考えますね♪楽しみに待ってます^_^
      あじょ子さん、お返事ありがとうございます。

      ノワールレヴナントの感想を拝見した後で、次のオススメを考えますね♪楽しみに待ってます^_^
      2023/06/22
  • 新進IT企業の最終選考に臨む6人の就活生のお話。
    就活という特異な状況に、「6人の中から一人の内定者を決める」というトリッキーなグループディスカッションのお題、そこにぶっ込まれてきたその場にあるべき筈もない各人宛の封筒。
    二転三転四転…、何転しただろうか、描かれる内容がその度に物語を揺らし、主人公と同様に呆然と読み進まされた。
    後半の解決編も流れは変わらずグイグイと読まされ、怒涛の伏線回収に、最後はちょっととってつけたようにも思えたが、まあよく練られているなと感心した。


    以下、蛇足なひとり言。
    犯人は誰?といった話に加えて、何故あんなことを?ということについて、解説によれば、作者の言葉として「自分が就職活動した時に一番違和感があったのは、『あななたちちゃんと選べますか』ということでした」とあり、採用側に対する思いがあるものと受け止めた。
    これまで数えきれないほどの応募書類を読みまた直接お会いして○×をつけてきた立場からすると、なかなか重たいものを突き付けられたような気もしつつ、作中の元人事部長氏ほど開き直る気はないが、短い時間の中でその人を見極めることが出来るかと言えば極めて難しいことは自覚する。
    とは言え、私からすれば元人事部長氏はテクニックに走り過ぎで、会社としての理念とそれに対する社員の理解・共有・共感があることを大前提に、人が人を評価する難しさを自覚した上で面接する人がそれぞれの判断基準を持って面接を行いそれを重ねていけば、その会社に相応しい人材を集めることは出来るものと思う。(「誰や、あんなの採用したのは」と言われることは、あるけどな)
    面接で「ご縁があった場合」というフレーズをよく使うが、まさに採用は縁のもので、九賀くんは優秀な人材が落とされたことに憤っていたが、優秀な人材イコールその会社に相応しい人材とは限らないところはあると思う。

  • 面白かった…!!
    でも個人的には少し読みにくさがあったかなあ。
    読み終わるのに少し時間がかかった。

    2転3転してく展開や、伏線回収。素晴らしかった!
    人にオススメしたい1冊!

  • 文庫化されるまで内容に触れずに来れてよかった……!一気に読み切りました。
    就職活動のしんどさ、やるせなさは本当によく分かります。(私は就職氷河期世代なので特に……)
    不採用通知を受け取った時の無力感、自己を全否定されたような感覚。
    就活やってる当時は本当に必死なんですよ。
    今もそうなんでしょうか?きっとそうなんでしょうね。

    お話に出てくる彼らも、救いようのない極悪人では決してなく、見方によってこうも変わるものかと、非常に考えさせられるストーリー展開でした。
    まあ、もう少しだけ深く話をしさえすれば、ここまで拗れることもなかったのでは?と思ったりはしましたけどね。

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著者プロフィール

1989年生まれ、小説家。関東在住。第十三回講談社BOX新人賞Powersを『ノワール・レヴナント』で受賞しデビュー。『教室が、ひとりになるまで』で推理作家協会賞の長編部門と本格ミステリ大賞の候補作に選出。その他の著書に『フラッガーの方程式』『失恋覚悟のラウンドアバウト』『六人の嘘つきな大学生』など。

「2023年 『六人の嘘つきな大学生』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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