ひまわり公民館よろず相談所 (角川文庫)

  • KADOKAWA (2023年8月24日発売)
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本 ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784041134726

作品紹介・あらすじ

夫の転勤で向日葵町に引っ越してきた八山友里は、慣れない育児に四苦八苦していた。泣き止まない息子・蒼を抱いて迷い込んだ町の公民館で、凄腕の元保育士“寝かしつけのお園”と出会う。この町では、クセのある特技を持つ老人たちが集まって、よろず相談所を開いていた。サイキック後藤、犬校長の竹田、ちくわ笛の三好……?どんなに小さな特技でも、きっと誰かの役に立てる。公民館を舞台にした、癒やしとぬくもりの物語。

感想・レビュー・書評

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  •  柊サナカさんの作品で、他にも読んでみようと手にしたのがこの作品です。まぁまぁ面白く、あまり重くない作品なので、息抜き的に読めたかなと思います。

     主人公は、ひまわり町に越してきたばかりの28歳友里、生後5ヶ月の息子蒼くんが泣き止まず日々の育児に疲弊していた。偶然立ち寄ったのが「ひまわり公民館よろず相談所」…保育士歴50年、寝かしつけのお園が魔法のように蒼くんを泣き止ませ寝かせてくれる…。落としの源さんをはじめ、様々な技術と特技を持った高齢者が相談員として所属し、悩める依頼者からの相談に応じている場所があった…。友里自身も救われるだけでなく、力になりたいと相談員とともに奮闘していく…。

     泣けるというよりは、元気になる感じでした。友里の伯父さんで田中五郎さんという超個性的な人がいて、それもまた面白かったですね!高齢者が自らの力や特技を活かせる場所があることは、とってもいいことですよね!あまり現実的ではない内容もあったけれど、こういう場所が地域に増えていくといいなって思います。

  • 公民館のよろず相談所。
    さまざまな特技を登録した老齢の相談員が住民たちのトラブルに対応する。
    保育士歴50年の寝かしつけのお園、犬の躾のプロ犬校長竹田、元マジシャンのサイキック後藤など、相談員は個性豊か!

    ここに偶然ワンオペ育児でボロボロになった友里がたどり着く。
    相談員に助けてもらうと思いきや、相談員と一緒になってトラブル解決に巻き込まれていく。

    こういうところに溶け込める友里が羨ましい!
    私はその場限りになってしまうだろうけど、名前を覚えてもらい、自分から輪に入っていき、受け入れてもらえるのは素晴らしい才能。
    少し年上の人とお話するのは楽しくていいよね。

  • 夫の転勤で向日葵町に引っ越してきた八山友里。夫は出張がちな為、ワンオペ育児に心身ともに疲弊していた。泣き止まない息子の蒼を抱いて迷い込んだ公民館で、色々な特技を持つ老人達の「よろず相談所」に助けられて…

    曲者揃いのよろず相談所に持ち込まれる相談事を、ひょんな事から一緒に手助けをする友里。特技と言っても良いの?って言う小さな事でも、他人にとってはありがたかったりするのが人助けになっているのが温かいコミニティーだと思います。
    特に「寝かしつけのお園」と言う凄腕元保育士のお園さんが心強い味方で、羨ましかったです。

    読了後はほんわか温かい気持ちになれました。

  • 4/24〜.
    ほっこりするエピソード
    もし続編がでることがあったら読みたい

  • 作中で出てくる寝かしつけのお園さんが言う
    「自分の当り前は、人の当り前じゃないわ。
    どんな特技でも、立派に人のためになるのよ。
    素晴らしいことよ」って言葉、ほんとに
    当たり前だけどすごく心に残りました。
    その当り前が他人にとってこれほど役に立つ
    ってことが作品の中で描かれていて、
    あぁ~自分でも人の役に立つことが
    あるかもしれないと少し勇気をくれる作品
    でした。なかなか個性の強いクセ有特技をもつ
    面々が繰り広げられる話は全体的にうまく
    行き過ぎてちょっと強引な展開もあったけど
    最終的には大団円で楽しく読めました。
    作中にふわっと出てくる主人公友里のおじさん
    である田中五郎の今後や旦那さんなんかも
    出てきていなかったのでもう少し続きが
    読みたかったかも。色んな事件が起こるけど
    全体的にほのぼのとした作品でした。

  • お悩みがよろず相談所で次々に解決されていく短編形式のお話で読みやすく、面白かったです。
    お悩みの内容が結構ヘビーでしたが…
    こんな相談所あったら、私もちょこちょこ行っちゃうだろうなぁd(˙꒳​˙* )

  • とてもほっこりする良い話でした。
    色々事件が起こりますが、よろず相談所の人達がいろんな知恵を使って解決していく様子は爽快でした。

  • ちょっと不思議な小さな特技を持つ人達が力を合わせて人助けをする、なんだか優しい物語。自分がたいした事ないと思っているような事でも、それが人の役に立ったりして、助け合えるのが素敵。相談員達の個性溢れるニックネームも魅力的。

  • あなたのお悩み、公民館のヒーローたち(全員お年寄り)が解決します。

    夫の転勤で向日葵町に引っ越してきた八山友里は、慣れない育児に四苦八苦していた。泣き止まない息子・蒼を抱いて迷い込んだ町の公民館で、凄腕の元保育士“寝かしつけのお園”と出会う。この町では、クセのある特技を持つ老人たちが集まって、よろず相談所を開いていた。サイキック後藤、犬校長の竹田、ちくわ笛の三好……?どんなに小さな特技でも、きっと誰かの役に立てる。公民館を舞台にした、癒やしとぬくもりの物語。


    育児で悩むお母さんは多いと思うし、夫の仕事が激みでワンオペになってしまうこともある。すでに出来上がっているコミュニティに入っていくのも勇気がいるし、だけど誰かを頼りたい。そんな友里が出会ったのは、よろず相談所のご老人たち。しかし、この老人たちはいわゆる「老害」とか「自分たち、昔ながらにやり方の押し付け」ではなく、困っている人たちに寄り添ってくれる。


    ワンオペ育児に疲れていた友里は、相談員と一緒にいろんな悩み事を解決していく。少し遅い時間帯のモーニングコールの依頼者、悪徳占い師に洗脳されている母親を助けたい子ども、一発逆転の玉の輿婚のために家族顔合わせに代理人を立てる婚活女子、誘拐されたインフルエンサーの犬と問題児の少女。様々な悩みや謎をいろんな特技を持っている相談員たちが解決していく。


    すごかったのが、お金持ちの婚約者家族との顔合わせで、対策本部に控えている先鋭部隊。帯留の話や絵画について、全て対策本部からの助言で乗り切って、せっかくの高級フレンチの味も覚えていない始末。でも、最後の婚約者家族の嘲りはなぁ。本当にお金持ちで心に余裕がある人は、多分だけどあんなことを言わない気がする。心に思っていても口に出したらお里が知れるというか…彼女がちゃんとした人と出会えてよかった。


    結構、読みやすかったし面白かった。まだまだ気になる相談員たちの正体。ちくわ笛の三好の話も気になるしな。続編あったりしないかなぁ。


    2024/04/29 読了



  • 軽く読める。自分も老後、人の役に立つ一芸を身につけないといけないなぁと思う。

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著者プロフィール

小説家

「2022年 『お銀ちゃんの明治舶来たべもの帖』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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