アリスとテレスのまぼろし工場 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 338
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041137741

作品紹介・あらすじ

製鉄所の爆発事故により出口を失い、時が止まった町で暮らす中学3年生の正宗。変化を禁じられ鬱屈した日々を過ごす中、謎めいた同級生の睦実に導かれ、製鉄所の第五高炉へと足を踏み入れる。そこにいたのは喋ることのできない、野生の狼のような少女――。正宗と2人の少女の出会いは、世界の均衡が崩れるはじまりだった。止められない恋の衝動が行き着く未来とは。
岡田麿里監督がみずから執筆した、劇場アニメの原作小説!

感想・レビュー・書評

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  • 前半と後半で、想像していた情景が全く変わった。

    前半は、私達が生きている、ここ、現実と同じような気がしたけれど、
    後半からだんだんと、景色に白い光が混じっているような、まさに夢の世界、“まぼろし”の世界のように想像できた。

    映画が公開されるということで、先に小説を読んでおきたいな、ということで購入し、読んでみました。

    ラストに向かうにつれてテンポが速く、良くなっていきます。
    「君の名は。」や、「天気の子」など、ファンタジー系が大好きな人には刺さるはずです。正直、私には難しかったです。

    映画で答え合わせをしたい。

  • 2023年9月公開映画の原作。

    時の止まった町。1日は繰り返すが、季節は変わらず、人々は年を取らない。妊婦は妊婦のまま、中学生は中学生のまま…… 変化を禁ずる規則に閉塞感を感じ、若者は変化を望む。

    設定は興味深いのだが、どうしても登場人物に共感できなかった。彼らの性格や考え方に抵抗があるわけではないのだが。
    主題歌が中島みゆきということでちょっと見たい気持ちもあったのだが、いいかな。

  • 映像は見ていません。
    小説だけでは読みとれない部分が多いと思います。
    どうにもハマらなかった作品。

    なんだか全般的に話が浅いと言うか、薄っぺらいというか。
    最初の構想とラストのオチは決まっているけど、その間のストーリーが書き込みきれておらずふわふわしているので、読み終わっても、え?なんで?都合よくない?という釈然としない思いが残りました。

  • 映画を先に見てから、文庫本を読みました。
    映画の情景がしっかり思い出される文章でした。
    正宗と睦実のキスシーンの情景が、まぼろしだから冬の雪の寒さを感じないのではなく、好きという感情、気持ちの昂りからだという表現がとてもおしゃれで好きでした。

  • 劇場アニメのほうは見ていません。
    たまたま書店で見かけての購入です。

    製鉄所が町の主要産業とした町で、製鉄所で爆発事故が起きますが、それから一体どうなったのかが分かりにくいので(意図的にそうしてあるのですが)、序盤は退屈な印象ですが、徐々に、主人公がいる世界の意味が明らかになっていくにつれて面白く読めました。

    ファンタジーの要素があるので、クライマックスのシーンなど、アニメ栄えすると思いました。

  • Amazonの紹介より
    「あの花」の岡田麿里がみずから書き下ろし! 新作劇場アニメの原作小説!
    製鉄所の爆発事故により出口を失い、時が止まった町で暮らす中学3年生の正宗。変化を禁じられ鬱屈した日々を過ごす中、謎めいた同級生の睦実に導かれ、製鉄所の第五高炉へと足を踏み入れる。そこにいたのは喋ることのできない、野生の狼のような少女――。正宗と2人の少女の出会いは、世界の均衡が崩れるはじまりだった。止められない恋の衝動が行き着く未来とは。
    岡田麿里監督がみずから執筆した、劇場アニメの原作小説!



    個人的に「あの花」が好きだったので、今度映画化される岡田さんの作品はどんなだろうと興味深々で読んでみました。

    正直、読んでいる段階では、あまり世界観がわかりませんでした。あらすじを読まずに挑んだのですが、所々「?」が頭に思い浮かぶばかりで、なかなか物語の世界に入りきれませんでした。

    というのも、
    爆発事故が起こったのに、次の場面では何もなかったようになっている⁉︎
    周りの町と寸断され、日付がわからない状況に陥っている⁉︎

    などなど、今の状況が過去なのか、未来なのか、はたまた時代は今どこ?といった普通じゃない状況が次々と登場するので、ずっと「?」の状態でした。
    ただ、後半になると、その状況が何となくわかってくるのですが、その間にも別の疑問も湧いてきて、結果としては感動したのですが、それに至るまでの状況を整理するのが読んでいる段階では、把握しづらったかなと思いました。

    読了後に後ろから振り返る形で、一つ一つわかってきたので、小説としてはちょっと・・と思ってしまいました。
    ただ、映像とセットと考えると、よりわかるかもしれません。

    物語の鍵を握る謎の「少女」。出会ったことによって段々とこの世界の秘密が明らかになったり、主人公との繋がりが明らかになったりするのですが、後半のシーンが特に印象的でした。
    「少女」をある方法で「救出」しようとするのですが、主人公とヒロインの「少女」に対する活躍に熱意やスピード感も相まって、手に汗握りました。

    また、謎の「少女」の正体に驚きましたが、ラストに向けての活躍に感動を誘いました。映像化したら、どうなるか気になるところです。

  • 映画を見てから読めばよかったというのが読み終えてすぐのいちばんの感想。情景描写がなかなか難しくて、あまり雰囲気をイメージ出来なかった。工場の印象が私の中で薄いせいかも。
    でも、これはアニメ映像を見たら変わりそう。登場人物の名前もよく似ていて、読んでいる最中に、あれ、これ誰だっけ…?となってしまったので(これはわたしの記憶力のせいですが)、やはり映像や音ありきの作品な気がする。
    読み終わったあとに、季節の感覚とにおいだけが残った。
    青春のあの痛い感じやもどかしい気持ちなどが鋭く描かれているところはとても良かったので、映像を見てからまた読み返したい。


    追記。この感想を書いた後に、思いつきで予告編をみた。気づいたら泣いていた。映画が心底見たくなった。

  • 基本的には映画に忠実。
    映画を見てからノベライズに興味を持ち読むことにしたが、小説を先に読んでいたら大した感想も生まれずに読むことを止めていたと思う。
    ノベライズというには完結すぎる。復習版。

  • 映画の方はこの難解な小説を映像化しきれなかったようで大爆死になってしまったようである。小説を読み映画の説明不足だった部分を埋めてくれ理解度が増した。ただ映画は五実の年齢の進み具合を少なく改変され五美が成長していなかった。工場の爆発事故で現実世界から切り離されて時間が止まってしまった世界ってどうなのよという感じだが、岡田麿里がそういう世界を想像してしまったのだから仕様が無いではないかと言う感じだが、五美の成長が無かったため父親正宗との恋愛観が薄れてしまったのは残念だ。

  • 製鉄所の事故があった日から、その町はおかしなことになった。空にできるひび割れ。ひびを埋める白い狼。日付を数えるのは禁じられて、時々失踪者が出る……正宗はある日、同級生の睦実に製鉄所の中に案内される。

    なんだこれは??????って終始なってた。なんだこれは?????いや、概要というか話の流れは理解できなくはないんだけど、ないんだけど……いや何だこれ?なんか訳のわからんSFが説明の足りんまま雰囲気と勢いだけで終わった感じ。なに??アニメで見ると違うのかもしれないけど、もうとにかく終始「なに?????」だった。あと佐上(父)が落ち目のカルト団体みたいな感じでこわい。

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著者プロフィール

監督、脚本家。2011年に国民的大ヒットアニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の脚本を手がけ、一躍脚光を浴びる。その後、『心が叫びたがってるんだ。』『空の青さを知る人よ』など数々のヒット作の脚本を担当。初監督作品の『さよならの朝に約束の花をかざろう』では、第21回上海国際映画祭で最優秀アニメーション作品賞を受賞するなど、アニメーション監督としても世界で注目を集めている。

「2023年 『アリスとテレスのまぼろし工場』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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