黒い糸

著者 :
  • KADOKAWA
3.74
  • (40)
  • (95)
  • (71)
  • (8)
  • (3)
本棚登録 : 952
感想 : 91
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041140451

作品紹介・あらすじ

千葉県松戸市の結婚相談所でアドバイザーとして働くシングルマザーの平山亜紀は、仕事で顧客とトラブルを起こして以降、無言電話などの嫌がらせに苦しめられている。亜紀の息子・小太郎が通う旭ヶ丘小学校の6年2組でも、クラスメイトの女児が失踪するという事件が起きていた。事件後に休職してしまった担任に替わり、小太郎のクラスの担任を引き継いだ長谷川祐介は、クラス委員長の倉持莉世から、クラスの転入生の母親が犯人だという推理を聞かされて戸惑うが、今度はその莉世が何者かに襲われ意識不明の重体となってしまう。特定のクラスの周辺で立て続けにおきる事件の犯人は同一なのか、またその目的とは。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 平山亜紀39歳は、離婚して小学六年生の息子小太郎がいるシングルマザー。
    結婚相談所に勤めています。
    職場では中途採用のイケメンの27歳の土生謙臣に好意を寄せられとまどっています。

    小太郎の通う松戸市立旭ヶ丘小学校六年に組の小太郎の同級生小堺櫻子が12月4日に行方不明になります。
    担任の飯田美樹は休職し、長谷川祐介が担任になります。

    小堺櫻子は行方不明になったとき佐藤日向という転校生と一緒でした。
    日向の母、聖子は24歳で、遺産目当てで日向の父と結婚したという噂がありました。
    聖子の夫、佐藤一成は事故死していました。

    そして日向は今度は日教組で宗教をやっている家の養女である倉持莉世という少女につきまとわれます。
    莉世は大変賢く「日向ちゃんのお母さんが櫻子を間違えて殺させたから、今度狙われるのは日向ちゃん。だから日向ちゃんを守る」といいます。
    ところが今度はまた、日向と一緒にいた莉世が暴漢に襲われ意識不明になってしまいます。

    一方、亜紀は会社で江頭藤子という客にしつこくクレームをつけられ家にまで、追いかけてきて嫌がらせをされていると感じます。
    また、DV夫だった元夫の達也に復縁をせまられます。
    体調がおかしくなる寸前に自分の実家の寺にくるように救ってくれたのは土生謙臣でした。

    担任の祐介の兄の風介はこの事件の推理を始めます。
    怪しいのは佐藤聖子か…?

    その後も次々と思わぬ人が襲われて亡くなったり、行方不明になります。
    日向と間違えて櫻子と莉世を殺そうとしたのは本当に聖子なのか…。聖子にはアリバイがあったのです。



    次から次へと押し寄せてくる黒い糸の連鎖のような事件の数々。
    最後は凄い展開をみせますが、なかなか面白い結末でした。
    ミステリーとサスペンスの違いがよくわかりませんが、これはサスペンスではないかと思いました。

  • 「悪い夏」は、クズでワルの宝庫だったけれど、
    「黒い糸」は、不気味で不穏な人達ばかり
    ほぼほぼ 気持ち悪い

    とはいえ、この話をどうやってまとめるのか気になってしまうんですね
    シングルで息子を育てる女性の周囲に 不可解で不気味な事件が立て続く
    仕事でもトラブルがあり、イケメン新人くんが何故だか優しい
    残り50ページを切ってから、なかなかの展開が始まって ようやく全貌を理解しました。

    そして、若いお兄さんに優しくされても 騙されてはいけないということです。

    • 1Q84O1さん
      若い…、20代前半ぐらい
      若い…、20代前半ぐらい
      2024/04/18
    • おびのりさん
      「25時、赤坂で」の 羽山 でお願いします
      「25時、赤坂で」の 羽山 でお願いします
      2024/04/18
    • みんみんさん
      まさかのアニメ(゚-゚*;)(;*゚-゚)笑
      まさかのアニメ(゚-゚*;)(;*゚-゚)笑
      2024/04/18
  • 結婚相談所で働くシングルマザーの平山亜紀は、顧客とトラブルを起こしてから無言電話など嫌がらせに苦しめられていた。
    小学6年の息子が通う小学校でもクラスメイトの女子が失踪し、担任も精神を病み休職する。
    そのあとを引き継いだ長谷川は、クラス委員の倉持から転入生の母親が怪しいと聞き、その大人びた考えに戸惑っていたが、その彼女も襲われて意識不明の重体になる。
    そしてその母親も…
    ついには自分の身にも…
    いったいどうなっているのか?
    平山亜紀を心配する歳下の同僚男性の優しさは…?
    違和感がありまくりで、もう目が離せなくなる。

    凶悪な家族に平穏な日常を奪われ、惨劇に巻き込まれるという…想像を超えた身震いする結末。

    ラストは、なんだか和やかすぎて違和感があったのだが、残された娘は何処へ?

  • これでもか これでもかと息付く暇もないほどに
    人の悪意に襲われます。
    誰もかれもが怪しく思えて 誰を信じたらいいのかわからなくなる! あからさまに怪しいヤツもいるし、いい人だったらいい人ほど怪しいし笑
    登場人物みんな腹黒いから、途中まで主人公の2人すら疑ってしまっていた笑

    ✎┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
    結婚相談所でアドバイザーとして働くシングルマザーの亜紀。 無茶なクレームをつけてくる女性客とトラブルを起こし、その日から自宅に無言電話や悪質な嫌がらせが相次ぐ。

    亜紀の一人息子 小太郎が通う小学校では、息子のクラスメイトが下校途中に行方不明になる事件が起こっていた。事件がきっかけで休暇をとっている担任教師にかわり、6年2組の担任となった長谷川祐介は、生徒の莉世から「誘拐事件の犯人は、転校生の母親だ」と告げられる。その後、莉世も何者かに襲われ意識不明となる。

    度を越した嫌がらせで亜紀を精神的に追いつめていく犯人は本当にあの客なのか。

    また6年2組の関係者だけが次々と襲われる事件の犯人は すべて同一人物の仕業なのか。

    何重にもからまった黒い糸が ほどけて1本の糸になった時、衝撃の事実が─。

    ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
    最後の最後まで犯人わからず一気読み。

    わかるわけないって!
    まさかの!だもん!

    『世の中には常人ではない者がいることを身を以って知った。本当の恐怖を思い知った。』

    ホラーサスペンスということですが、まさに人の心こそホラー。

    怖かったけど、ラストはなんだかいい感じに終わってちょっとニヤニヤしてしまった笑

    祐介の兄が変な人すぎて ヤバい人かな?と思ったけどただのめちゃくちゃいい人だった笑

    • ゆーき本さん
      私も今 「Q」にとりかかったところだから、しばらく「悪い夏」は読めないなぁ。佐々木とユキと床をゴロゴロ転がるのはまだ先になりそう。
      ('ω'...
      私も今 「Q」にとりかかったところだから、しばらく「悪い夏」は読めないなぁ。佐々木とユキと床をゴロゴロ転がるのはまだ先になりそう。
      ('ω')三( ε: )三(.ω.)三( :3 )三('ω')ゴロゴロ

      黒い糸はクズというより、異常者かな
      2024/01/27
    • yukimisakeさん
      いよいよ『Q』ですね(≧∇≦)重たいので肩凝りにお気をつけて!
      ジェノサイド、残り三時間で半分強残ってます·̩͙꒰ঌ( ᐛ )໒꒱·̩͙終わ...
      いよいよ『Q』ですね(≧∇≦)重たいので肩凝りにお気をつけて!
      ジェノサイド、残り三時間で半分強残ってます·̩͙꒰ঌ( ᐛ )໒꒱·̩͙終わったかしら…
      2024/01/27
    • ゆーき本さん
      タイムリミット3時間!!
      本の内容よりもハラハラだね!
      帰ったらQの重さ計ってみようかしら。
      タイムリミット3時間!!
      本の内容よりもハラハラだね!
      帰ったらQの重さ計ってみようかしら。
      2024/01/27
  • とにかく出てくる人 ほとんどすべて
    いやぁ~な感じなので
    久しぶりに犯人が分かりずらいサスペンス

    かろうじて主人公まわりしか
    まともそうな人がいないなかで
    味方のはずの 男性教師のお兄ちゃんも
    かなり強烈な個性の持ち主で
    持論をベラベラと展開してくれるので
    さぞかし活躍するんだろうな
    と思ったら しなかったり
    なかなか 手が込んで面白いです

  • 染井為人さんは
    『正体』『正義の申し子』に続き3作目

    『黒い糸』
    ミステリー要素たっぷりのサスペンスホラー
    今回も構成が巧みで、場面切替もテンポ良く読み進められた。染井為人さんは、緩急のある物語の内容に読者の心情変化を誘うのが抜群に上手い作家さんだと思う。


    【あらすじ】
    結婚相談所で結婚アドバイザーとして働くシングルマザーの平山亜紀。彼女は顧客とのトラブル以降、無言電話などの嫌がらせに悩まされている。

    一方、亜紀の一人息子 小6の小太郎はクラスメイトの女児が帰宅途中に失踪したまま行方不明となっている。
    クラス担任は休職となり、代わりに長谷川祐介という男性教諭が担任となる。

    事態は何も解決しないまま、平山親子の周りで、また新たな事件が起こる。
    犯人は誰なのか・・・
    その狙いは何なのか・・・
    物語は平山亜紀と長谷川祐介の目線で進む。


    【レビュー】
    ミステリー好きなら思わず反応したくなるような分かりやすい伏線が随所に仕掛けてある。
    頭の片隅でそれらが気になりながらも、混乱することなく読み進められるのは、きっと構成の上手さが成せる術なんだろう。ミスリードも楽しみながら、読者へのヒントやメッセージも随所に盛り込まれているので、正に推理を存分に楽しみながら最後まで夢中になれる作品だった。

    ネタバレになるので、詳細は避けるとして・・・
    なんか怪しいなぁって直感は当たりますね
    子供の様子がおかしいのには理由がありますね
    若い男性が手を出さないのにも理由がありますね
    これらの違和感は、その場で解決しておかないととんでも無い目に会うのだ。

    そして衝撃と怒涛の展開!
    ラスト約30頁がやって来る。
    直前のお風呂場のシーンは、静と動の振り幅が大き過ぎて分かっていても翻弄される。
    息つく間もない臨場感と緊迫感で正に一気読み。
    ヒョエ〜ッ!!
    驚愕の真相には流石に鳥肌が立った。
    タイトルが『黒い糸』な訳だ。

    完全に染井為人さんの手の平で転がされた読後感だったが、それも何だか心地よい。
    見事なトリックで全く謎が解けず感服しました!
    というよりは、読者の推理力でも何とか追い付いて一緒にゴールさせて貰えた様な達成感の方が強い。確かに、満足感と興奮度は後者の方が高いのかもしれない。
    きっとこれも作者の意図する所なんだろう。

    個人的には、もう少し犯人側の生い立ちを掘り下げて欲しかった。祐介の兄 風介の論理を裏付けるためにも、ここの説明は聞きたかった。
    そこだけやや消化不良だけど、敢えてそこは明かさない選択をされたのだと思う。

    良い形で終わったラストだったが、若干の不安要素が残ったままになっている。
    もしやもしや・・・
    これは続編も大いに期待したい♪

    余談だが、風介のキャラがなかなか面白かった。
    彼の持論
    「人は判断力の欠如で結婚し、
    忍耐力の欠如で離婚し、
    記憶力の欠如で再婚する」には、
    思わず上手いこと言うなぁと唸ってしまった。
    でも、毎日彼の話を聞くのは疲れそうだ笑

  •  いやぁ、怖い!タイトルからして不吉な香りがビンビン漂ってきますが、ストーリーも負けておりません。

     読んでいてずっと感じていたのは違和感。その違和感が確信に変わった時に一気に恐怖が襲ってきます。

     それにしても読ませます。シングルマザーの平山亜紀目線の章と、小学6年生の担任となった長谷川祐介目線の章のどちらも面白く、ページを捲る手が止められない!

     平山亜紀はシングルマザーにして結婚アドバイザーとして働いている。クレーマーの女性に悩まされ、その頃から家に嫌がらせがされるようになる。

     一方、亜紀の息子が通う小学校で、誘拐が発生し、担任だった女教師が精神を病み、ピンチヒッターとして6年生の担任となった祐介。
     祐介が担任になった後も女子児童が暴行を受け意識不明となったり、その児童の母親が乗り込んだ車が爆発したり。不吉なことが絶えない。

     亜紀の家の嫌がらせと、息子の周りで起こっている不吉な事件の犯人は同一人物なのか。

     さあ、恐怖の世界へ足を踏み入れてください。

  • 次々と気になる展開で、最後まで一気に読めた。
    自分なりに推理してた人物じゃなくてびっくり仰天の結末だった。
    読後、まー冷静に考えたらあーなるほど、怪しい事は沢山隠されてた。
    違う人が犯人のパターンも書けそうで、登場人物全員が闇を抱えていて、ハラハラドキドキのサスペンスだった。
    染井為人さんの他の作品も注目したい。

  • 怖かった
    人の悪意と言うかだんだんと迫ってくる
    心理描写がうまく書いているなと
    思いました
    何冊か他の小説も読んでいる作家さんですが
    毎回楽しみに読んでます

    今回も最後まで犯人はわからなかったが
    楽しめました

  • 真相が、怖いし気持ち悪い。

    主人公のまわり全員、闇がありそうに描かれているので嫌でも勘ぐってしまった。

    と思ってたらそっちもあるのかという展開で結局登場人物みな色々と抱えてた。

    中盤に入ってから話の進みがなくなったように感じでしまい、途中に中だるみして読む気力をなくしたけれど、終盤に差し掛かるとどうなることかと一気読み。

    こんな犯人に目をつけられたらと思うとゾッする。

全91件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

染井為人(そめい・ためひと)
1983年千葉県生まれ。芸能プロダクションにて、マネージャーや舞台などのプロデューサーを務める。2017年『悪い夏』で横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞しデビュー。本作は単行本刊行時に読書メーター注目本ランキング1位を獲得する。『正体』がWOWOWでドラマ化。他の著書に『正義の申し子』『震える天秤』『海神』『鎮魂』などがある。


「2023年 『滅茶苦茶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

染井為人の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×