風果つる街 (角川文庫)

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感想 : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (379ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041626153

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  • 時間があれば。

  • その老人はみごとな銀髪をしていた。その瞳は異様な光を帯び、ノラ犬を思わせた。加倉文吉、人はその男のことを「真剣師」と呼ぶ。賭け将棋のみで生活をしているもののことである。旅から旅へ、俗世間のしがらみをすべて断ち切って、ただただ強い相手を求めて文吉は生きる。夢を諦めて師匠の妻と駆け落ちした男、父の敵を追い求める女、プロ棋士になり損ねた天才…。将棋に取り憑かれた男と女。その凄絶かつ濃密なる闘いを描ききった連作集。


     賭け将棋を生業とする「真剣師」。一人の老人真剣師を中心にいろいろな人物が賭け将棋をやりにやってくる。

     『銀狐』
     真剣師・加倉文吉の紹介的な会。その老人はみごとな銀髪をしており、その瞳は異様な光を帯び、野良犬を思わせた。賭け将棋でのみ生活をしており、そのほかの生活は自堕落。だが、そんな人物だからこその情緒が感じられた。

     『くすぶり』
     真剣師は、賭け将棋のみで生計を立てる者。くすぶりとは、賭け将棋以外にも生計を立てる術を持っているもの。この両者には決定的な違いが感じられた。それは、勝つことへの執念であった。文吉が後悔しているものの汚い心理戦を挑んでいたので、そう感じた。

     『浮熊』
     自分の家族を賭け将棋によって崩壊させられたと思っている娘による父親の仇をうちに行くという話。一人一人の個性によって将棋の指し方が違い、それを元に仇の人物をたどっていくというもの。最後に勝負の行方を書かなかったのも、また、面白かった。

    『妄執の風』

     プロ棋士になり損ねた天才との将棋勝負。プロ棋士とアマチュア棋士・真剣師というものの違いを描いている。将棋界における棋士は天才の中の天才であるが故に対外的な恥は許されない、というプロ棋士側の苦悩も描かれており、とても面白かった。

  • 将棋の事がよくわからない人でも興奮します

  • 将棋に興味のない自分にも、この世界で手に汗を握るような感覚が味わえた。「戦い」はどこにでもあるもので、その戦いにのめり込む男の哀しさは夢枕獏ワールドという同一のフィールドになるのだろう。

  • 男くっさ〜い話し

    ど〜しよ〜もなく堅物で不器用にしか生きられない
    そんな男の物語り

    男心が分からない女性が読むと分かっちゃうかも

    あれ、男心なんて最初から分かっており、理解はしません!
    って?

  • 一人の真剣師(お金などをかけて将棋をさす人)が主役で短編形式だった。将棋のことがわからんくても楽しめます。暗いけど。
    主人公の文吉の息子の文平とその兄貴分の彦六という格闘家はこの作者の別の小説にもでてくるらしいので読んでみようかな。

  • 渋くてよい

  • 読書に目覚めさせてくれた本。

  • 真剣師加倉文吉を中心とした、男たちの物語。
    己の腕のみを頼みの“張り”、その背中にピッタリと張り付く漂泊の遣る瀬無さを描かせたらやはりうまい。
    将棋は全く詳しくないが引き込まれた。

  • 日付メモなーし。表紙こんなじゃなかったよな…??

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著者プロフィール

1951年神奈川県生まれ。東海大卒。77年「カエルの死」でデビュー。『キマイラ』『闇狩り師』『サイコダイバー』『陰陽師』などの人気シリーズを持つ。『上弦の月を喰べる獅子』で日本SF大賞。『神々の山嶺』で柴田錬三郎賞。『大江戸釣客伝』で泉鏡花文学賞、吉川英治文学賞。近年、菊池寛賞、日本ミステリー文学大賞を受賞。18年、紫綬褒章を受章。

「2022年 『宿神 第二巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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