小角よ楊貴妃を (角川文庫 ふ 3-33 拾異伝宇宙皇子 3)
- KADOKAWA (1991年10月1日発売)
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- Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041653333
感想・レビュー・書評
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シリーズ番外編第3弾は、小角が主役を務めます。
玄宗皇帝が楊貴妃を愛するあまり政治を顧みなくなり、唐の国には民の不満がしだいに高まっていました。そんな時代に小角が天津速駒に乗って日本から唐に渡り、朝衡という名前を与えられて皇帝に仕えていた阿倍仲麻呂や不空阿闍梨らと語り合いながら、この国の行く末を見定めようとします。
そんなある日、玄宗の前に不動明王が姿を現わし、皇帝としての責務を果たすか、それとも楊貴妃への愛を貫くか選ぶように迫ります。玄宗は楊貴妃の安穏を選び、彼の答えを聞いた不動明王は、小角と皇帝を引き合わせます。その後、安禄山の乱が勃発して唐の国は混乱に陥り、小角は楊貴妃の身柄を日本へ移すために力を貸します。
楊貴妃が日本に流れ着いたという伝承をもとにしたストーリーです。ただ、小角が超人すぎるためもあって、作品全体にいま一つ緊迫感に欠けるような印象があります。あるいは玄宗皇帝なり楊貴妃なりの没落していく姿を美しく描写するという手法もあるはずなのですが、そうした工夫も見られないように感じてしまいました。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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