アルスラーン戦記〈10〉妖雲群行 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041665107

感想・レビュー・書評

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  • 久々の『アルスラーン戦記』である。前作『旌旗流転』から何と約7年半ぶりで、まだ読書メモすらとってない頃に読んだきりである。
    従って主要な登場人物―中にはそれさえも忘れてしまった者もいたが―以外はほとんど覚えていなくて、読書中に作った登場人物リストを傍らに置いてそれをあたりながらの読書となった。
    また内容も作者もその辺の事情を考慮してか、各々の登場人物の再紹介的な、細々としたエピソードから組立てられたような感がした。
    筆力は未だ健在らしき所が伺えて嬉しかった。

  • 小さな不穏はパルスの周辺に続発しているが、多分アルスラーン治世最後の平穏な夏。
    アルスラーンはダリューンやナルサスと、国の在りようなどを語らいながら質素な晩餐を共にする。
    平民宰相というのはたまにいるけれど、アルスラーンの場合は平民国王なのよね。
    それでいて舞い上がらないところが素晴らしい。

    翼のある猿や鳥人間が現れて人々を不安に陥れたり、ザンデの死と入れ違いにヒルメスがミスルに入国したりと、あまり好ましくないエピソードが続く中、最悪なのがオクサスの一幕。

    女性だけがつかえる神殿に、さまざまな怪異が起こるというので、女性巡検使としてファランギースとアルフリードがオクサスに出向く。
    それはただの相続争いではなく、ものすごくどろどろした物を湛えた骨肉の争いで、蛇王よりもおぞましく感じてしまった。

    一番いいところでギーヴが現れるのはお約束にしても、なぜそこにいたのかという疑問と、何の役にも立ってないじゃんという突っ込みがどうしてもぬぐえない。

  • オクサス地方でのミステリーめいた趣向もあり、前巻までと違った面白さも見せる第2部第3巻。
    ヒルメスの復讐劇の行方が気になる。

  •  ついに蛇王側の本格始動か。

     前巻に引き続き、ヒルメス流浪譚は続いていく。判官贔屓とまでは思わないが、何となく応援したくなってきたよ。

     そして登場する新キャラ女性群は、そのうち誰かがタハミーネの実息女か。
     彼女に王位継承させて、執政をナルサスに任せ、アルスラーンは旅立つというラストもいいかも。

  • アルスラーン戦記、シリーズ10巻です。

    本巻は部下たちのいわば外伝的なお話が多かったように思います。
    まあ面白かったけど、本筋の話に進展がなかったのが残念。

    ですが魔物たちの活動がいよいよ活発化してきて、敵は隣国だけにとどまらず次巻は忙しくなりそうな予感です。
    ファンタジーとはいえ、私はあまり魔物とかは好きじゃないんですけどねー
    どうなることやら。。

  • ヒルメス、まだ諦めない。しぶといなあ。かっこ悪かった過去も乗り越えてどんどんかっこ良くなる。しかも成長している。第二部入ってから、血統や正統を語らなくなる。では、その隙間には何が原動力としてあるのか?
    そこは只今復讐心で埋まっているが、さらに変化するのか。もしかして共闘もあるのか?

  • アルスラーンは平和だな。でも、いつか終わってしまうのがわかってて平和を味わう、さみしいなと思う。

  •  この巻、校正が不十分だったのか人名の誤植が目立つ。前巻刊行から時間が相当開いたためか文体もやや変わっていて戸惑う。

  • 妖怪変化が跋扈する世界になってきた。正直、正当派ヒロイックファンタジーの第1部の方がおもしろい。まあ、話は複雑に絡み合っていろいろな場所でいろいろな展開をしている。

  • 白馬などを舞台とした作品です。

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著者プロフィール

1952年熊本県生まれ。学習院大学大学院修了。1978年「緑の草原に……」で幻影城新人賞を受賞しデビュー。1988年『銀河英雄伝説』で第19回星雲賞(日本長編部門)を受賞。2006年『ラインの虜囚』で第22回うつのみやこども賞を受賞した。壮大なスケールと緻密な構成で、『薬師寺涼子の怪奇事件簿』『創竜伝』『アルスラーン戦記』など大人気シリーズを多数執筆している。本書ほか、『岳飛伝』『新・水滸後伝』『天竺熱風録』などの中国歴史小説も絶大な支持を得ている。

「2023年 『残照』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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