ぼくんち 下 (角川文庫 さ 36-12)

著者 :
  • 角川グループパブリッシング
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  • Amazon.co.jp ・本 (79ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043543120

作品紹介・あらすじ

ぼくのすんでいるところは山と海しかない しずかな町で、端に行くとどんどん貧乏になる。そのいちばんはしっこがぼくの家だ――恵まれてはいない人々の心温まる家族の絆を描く、西原ワールドの真髄。

感想・レビュー・書評

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  • 大好きな鈴木涼美さんの「娼婦の本棚」の一説で紹介されており、興味が引かれて購入。
    作品に引き込まれて一気読みした。
    是非、子供が成長した時に社会の勉強として読ませたい作品(闇金ウシジマくんなども含め)である。

    「海と山しかない小さな土地に貧乏人とガキがへばりついて生きている」ような場所で主人公である小さな次男坊とそのお兄ちゃん、そして長年家出していた母親が、ある日突然連れてきた「その兄弟のお姉ちゃん」の3人がその貧困な町で強くひたむきに生きていく様を漫画で描いた作品。
    貧困がもたらす現実、だれにでも平等ではない神様の存在、自分に見合うだけの小さな幸せの大切さ、抗いようのない貧困から逃れられない運命でも人として失ってはならない尊厳や高貴な魂。
    この3冊からは学ぶことがあり過ぎる。
    これから西原理恵子さんの本を買い漁る自分自身が目に見える 笑

  • 読み終わった後、全部持っていかれる感じ。
    読後の感じが嫌で、お気楽漫画を読まないと危険、位ある。

  • 家族解散。
    この家族にはおきてが一つだけある。
    「おかあちゃんを泣かしたらあかん」
    ぼくはこの掟はアフリカの生きものみたいでかっこいいと思う。

    ・・・泣いたらあかん。

    "こういうときは笑うんや"

  • きれいはきたない、きたないはきれいという
    ことばがあるがこの作品はそんな感じ。
    (引用元の使われ方とは違うけど)

    たくましくなければ生きていけない。
    世間はちっとも優しくない。

    だから泣くんじゃない。
    鼻血たらしながらでも笑うんだ。

    きっと二太は今も笑って生きてる。

  • 上中下巻とあります。全巻読破しました。
    なんだろう…この感じ。言葉にできません。
    一人一人の個性もさながら、人間の心の奥深く(汚い部分を含めて)を随所に突いてるというか。
    一話一話が胸に突き刺さります。いろいろと。
    読んだあとなんともいえない悲しさと、でもこれから頑張ってと思えるとことか。ああああ、ボギャブラリーの少ない自分がむーかーつーくー!(涙

    とにかく一度読んでみて損はない作品です。
    人間とは何か、人生とは何か、生きるとは何か。
    事細かなギャクの中にある悲しさと切なさと人生の深さをこれで味わってください。

  • 真正面から向き合えなかった彼女や彼に     

    中高一貫の私立や幼稚舎に通う程お坊ちゃんでもなければ、給食費に困る程、あっ、例えが悪いか、修学旅行の費用に四苦八苦する家庭に育ったわけでもないが、私の通った公立小学校や効率中学校には多少貧乏の匂いのする家庭の子がいた。

    彼らは余計な金の掛かる遊びは勿論、部活や勉強からも縁遠くなりがちで、結果、「まともな」子供とは距離ができていた。その距離を感じながら埋めることができないどころか、そこから逃げ出したことを思い出す。

    せめて覚えていよう、とは思う。

    最近、流行過ぎの傾向はあるが、サイバラはやはり良い。ますます、拡がる格差の中、この痛みを絶妙な距離感で見せる彼女は素晴らしい。

    2010/06/01、読了。文京図書館から借用。

  • 091221(a 100115)

  • 正直、小説じゃないのに。小説のカテゴリに入れてしまった。切ないね。いろいろなことが、切なくて愛おしくて、ギュッと抱きしめてあげたくなる。彼らの行く先を思うと本当に切ない。このリアリティはなんだ?

  • 涙なしには読めない漫画の最終巻。この漫画はホント、一家に一冊常備すべし!

  • 好き嫌いはあると思いますが、

    私は泣きました。

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著者プロフィール

高知生まれ。漫画家。’88年『ちくろ幼稚園』で本格デビュー。’97年『ぼくんち』で文藝春秋漫画賞を受賞。’05年『上京ものがたり』『毎日かあさん』で手塚治虫文化賞短編賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

「2021年 『猫組長と西原理恵子のネコノミクス宣言 コロナ後の幸福論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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