- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043543182
作品紹介・あらすじ
「生まれて初めて触ったお金には、魚のウロコや血がついていたのを覚えている」-お金の無い地獄を味わった子どもの頃。お金を稼げば「自由」を手に入れられることを知った駆け出し時代。やがて待ち受ける「ギャンブル」という名の地獄。「お金」という存在と闘い続けて、やがて見えてきたものとは…。「お金」と「働く事」の真実が分かる珠玉の人生論。TVドラマ化もされた感動のベストセラー、遂に文庫化。
感想・レビュー・書評
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著者の経験則に基づいたカネに対する考え方が記されたエッセイ本。
普段、この類の作品は読まないのだがタイトルに惹かれ、語り部に惹かれ一気読み。
お金の重みは働いてみればわかる。
ザ・その通り。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
漢字にルビが振られているので、小学生でも読めます・・いや刺激は強いが小学生から読むべきかもしれません。実は、本の体裁は全然違えど(自伝小説とエッセイ)、大平光代「だから、あなたも生き抜いて」を読んだ時と同じくらいのインパクトを受けました、そして感動しました。
本書で指摘する、お金がない=精神的余裕がなくなる=ストレスがたまる=持っていきどころのない鬱憤を家庭で爆発させる=家族がその負の連鎖から抜け出せない・・という流れは、もしかしたら最近騒がせている我が子の虐待問題の原因にもつながっているのかもしれません。
また、年間3万人の自殺を防ぐことは、今できる最も効果のある少子化の歯止めだという点にも気づかせてもらいました。
そして、私が小学生が読むべきだと思ったのは、世界にはその日の食べ物を確保するだけで身を粉にして働かざるを得ない子供たちが大勢いることを知った上で、自分の現状を嘆いても遅くはないということからです。
もちろん、悩みの大小だけで、その人の苦しみの大きさを断定できませんが、それでも日本人は恵まれていると知っておくことは意味があることです。
一見マンガ付きで軽めにみえますが、決して侮れない本です。 -
もう文句を言わずに仕事する。
がんばって稼いだお金をもっと大事にする。
働くことが、生きること。
希望を持ってがんばろう。
こんな風に思わせてくれたこの本に感謝。 -
幼いころより『カネ』というものに翻弄されてきて、人生の浮き沈みを体験してはしては漫画にする西原理恵子が語りおろす『カネ』の話。子供から大人まで必読の本である、と言えます。
この本を僕は何回読んだかわからないなぁ。彼女が漫画家になってから今まで飛ばしたカネが、マージャンをはじめとするバクチ関係で5000万。狂気のレバレッジ200倍という取引を敢行したFXで1000万。そのほかに個人的に貸して貸し倒れになったカネが1000万。さらにこの本を出版した会社が民事再生法を適用して未回収となった売掛金の印税が2000万円を突破して、某マンガ雑誌で血まみれのギャグをかっ飛ばし続けている。そんな彼女が語る『カネ』の話です。
その中で一番印象に残ったのは彼女の言う『貧困』と『借金』と『ギャンブル』がとっても仲がいい、というのは本当のことです。状況を一発逆転しようとしてギャンブルに手を染めたりする、というのは破滅への片道切符を買っているようなものです。そして、彼女の幼少期の思い出で
「カネがないと日常のあらゆることで衝突が起こる」
というのは実体験があるだけにすさまじいリアリティをもって読んでいる人間の奥底に響いてきます。
ここまでカラダを張って『カネ』というものに向かい合ってきたオンナはなかなかいないでしょうね。さすが『八金』といわれる土佐の女だけのことはあります。ゼヒご一読を。 -
これは最良の経済教科書と言えるのではないか?
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私はあまり個人の見解みたいな本は好きでないが、この本は面白かった。日本ではお金のはなしをすると、卑しい奴みたいなイメージがある。しかしながら、お金がないと何もできないということもまた、事実である。そのような事実を実体験を踏まえて書いてあります。
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なんかよかった。若い人達にむけて母目線で貧困とはどういうことか教えてくれる。
あんまり西原さんの作風が好きじゃなかったけどこれ読んだら他のも読んでみたいなと思った。 -
良くも悪くも衝撃が走った。作品というより、本での活字を通して生き様と経験を伝承、発信、打ち明けたいという気概が伝わってきた。
貧困に対しての基礎知識となっている20歳までの経験と、その後のお金を手に入れてからのギャンブルにハマるという急転換があまり結びつきはしないが、スタンスがはっきりしていて潔い。
自分の価値観、同じ1万円というお金に対しての価値が変わる瞬間が大人なるにつれて来る予感がしている。もう来ているかもしれない。
その分岐点で、ある種有限のお金の流れと価値観をつかみ、乗りこなすことが出来るかが大切。
人とご飯に行って奢られるのが当然という人はどうかと思う、お金を出さなくて知らんぷりという言葉にはドキッとした。『損』したくない、卑しさが自分の中にある限り、お金を持っても本当の意味で豊かというか、セレブというか、やりたいお金の使い方が出来ないんじゃないかと危惧した。
安物買いの銭失いを繰り返し、自己投資や成長・家族や大切な人のためにお金を使えず下手くそな使い方をしてしまうのではないか。
周囲からケチだなとか、卑しさがあるところにお金やいい話が集まるとは、客観的には思えない。
自分のお金に対してのスタンスや管理方法を見直すきっかけにしたい。アジアの貧しいスラムまで飛躍しては、自己投影できないけど、自分の今の暮らしが本当にこれでいいのか改めて考えるきっかけになった。
あと、買いっぱなしで全然動かしてない株券のことも思い出したし。
若林の人見知り学部卒、又吉の夜を乗り越えると並ぶ積読本のひとつになりそう。 -
貧しくても、諦めたらだめ。立ち止まってはだめ。体を動かし、働く。豊かさを手に入れるにはお金が必要。
お金にまつわる、善と悪を知れた本です。 -
体験談に説得力がありました。
『よりみちパン!セ』の文庫化だけに読みやすい。
西原理恵子さんの本音と社会の真実が詰まっている。 -
貧乏がいいとか 生き方とか
そういう事ではなく
貧困は連鎖して なかなか抜け出せないこと
自分ではなかなか抜け出せないからこそ
貧困に陥らないようにする
そこを西原先生は力説しています
本当に 心からそう思いました -
読んでいる時や読み終わった時ではなく、その後の生活の中で、ふと書かれていた内容が頭の中をよぎって感情が湧くような本だった。
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この方、どんな人生を歩まれてきたのか断片的に知ることはありましたが、初めて著書を読んで本当に衝撃を受けました…壮絶な体験をされてきたのですね…。話し言葉で進んでいく文章の中に、たくさんの「ハッとさせられるような」言葉がありました。付箋つけたら付箋だらけになるんじゃなかろーか…
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経験に基づいた生の言葉がいくつもささった。
なんて力強く生きているんだろうか。
なんて思いやりのある人なんだろうか。
さいばらさん。尊敬します。 -
高知の田舎町で過ごした幼少時代、アル中の父親に振り回され“最下位”を経験する中高生時代、イラストで食べていくことを決心した美大時代、そして現在に至るまで、漫画家・西原理恵子氏が身を以て経験し、そこから気付いた「カネ」にまつわる哲学を、自身の半生とともに振り返る自伝的エッセイ。
赤裸々に綴られた半生から見えてくる、万人に当てはまる生きていく上で必須の処世術。「カネ」と「労働」を掘り下げていくと、ヒトとして生きる大切な姿勢が浮かび上がってくる。自分が自分らしく生きるために、そしていざという時に周囲にいる大切な人を守れるように、愚直に仕事に向き合っていこうと思った。
時間を置いてまた読み返したい。
~memo~
・仕事に対して貪欲になる。
・過剰なプライドはカネにはならない。
・まずやってみる。
・働くこと、働き続けることは明日への活力に繋がる。 -
「世の中には学校に行っているだけ、机に向かっているだけじゃわからないことが、それこそ山のようにある。」当然のことではあるが、改めて言われると胸に「グサッ」とっきた。
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働くことが生きること。豊かさが当たり前になった日本では、何がしたいのか分からない病が蔓延している。それが良い悪いのではなく、人として生きるためには働くことが大切だと諭してくれる一冊。著者の壮絶な幼少期を聞けばより説得力があります。
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「何がしたいのか分からない病」
それは若い人だけの責任じゃないと思うけど、取り敢えずは、そこから抜けなきゃならないのは確かで「何がしたいのか分からない病」
それは若い人だけの責任じゃないと思うけど、取り敢えずは、そこから抜けなきゃならないのは確かで2013/06/14
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