橋をわたる (角川ホラー文庫 95-1)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 42
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043700011

作品紹介・あらすじ

時間給の高さに惹かれ、大学の夏休みの期間だけ、僕は塾講師のアルバイトをすることにした。担当する科目は小学校五年生の算数。文学部の僕にとって、彼らに算数を教えるのは至難の業だった。なんとか夏期講習前期最後の授業まで辿り着き、ひと安心した矢先、教室で信じられない出来事が起こる。女子生徒の一人がシャーペンで自分の顔を突き刺し始めたのだ。なぜ彼女はそんなことを?僕は、人には言えない特殊な能力を使って、事件の裏に潜む謎を調べ始める…。

感想・レビュー・書評

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  • 知らない作家の小説を読もうと、何となく図書館で手にした本。

    夏休み期間、塾でアルバイトをする主人公の早川。彼が担当するクラスの少女が、シャープペンで自分の顔を何度も刺し始める。なぜ少女はそんなことをしたのか?人には言えない特殊な能力を持つ早川は、事件の裏に潜む謎を調べていく……。

    著者が書き表そうとした世界の構想は理解できるのですが、所々で文章が分かりづらく、雑な感じがしました。早川の特殊能力は面白い発想だなぁと思いますが、ちょっと変態すぎるように思います。
    新感覚ホラー小説と銘打っているので、仕方ないのかな。

  • う~む。裏表紙に記されたオープニングの要約と、「新感覚ホラー小説」というコピーに魅かれたのですが、若干ホラー的な意味合いも含んだサスペンス風の作品と言うべきでしょう…さほど怖くはないし、無理に気味悪さを増幅させているだけのような気も。。。。血液を口にすることで、その対象者の感覚や記憶を共有できるという主人公の特殊な能力こそは注目されるものでしょうが、その後の展開があまりにも散漫で、また共有したものの背景も平凡でかなり薄味のような印象を覚えます。
    あえて200p足らずの小品として無難に仕上げようとしたためなのか、登場人物が多い割には各々の絡み方が希薄で、思わせぶりな表現が続く割には肩透かしをくらってしまいます(ラブホまで行ったら、ヤレって…後ろで解き明かす必要もないだろうってねw)。後半に挿入されたエピソードもやや駆け足気味で、それこそこういう問題を題材にするのであれば、主人公の能力をフルに発揮して書き込む余地はあったのではないかと思うのです。
    シリーズ化を予定していたのか前述の如き書き込み不足・説明不足の部分(特に主人公の設定)も多いので、やや破綻気味のままストーリーが終了してしまうので、読了後はモヤモヤとした消化不良的な想いだけが残ってしまうのが残念です。

  • 初めて読む伊島りすとさんの本。
    柔らかな文章。
    設定にゾクッとしたけれど、初まりと終わりがアンバランスな印象。
    グッと心を掴むものは感じなかった。
    ラストの、幻想的な彼女の姿はゾッとするほど美しい。

  • 塾講師のバイト中、
    女子生徒のひとりが、
    シャーペンで自分の顔を、
    刺し始めた。眼球が潰れるほど。

    なぜそのようなことを?
    事件の裏に潜む謎を調べ始める……。

    「橋」をわたってしまった主人公。

    あなたも「橋」をわたってしまう可能性は、
    あるのかもしれない。

  • 「橋をわたる」という表現がなるほど。特に算数の例題。なるほど、ああいう考え方をすればいいのかあ、と納得(小学生の問題なのに……)。
    案外スプラッタな部分もあってえぐい内容だったはずなのに、妙に醒めた語り口はこの人の特色かな。「ジュリエット」もそうだったけれど、おとなしく静かなホラーという感じ。

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